雨だ。 雨が降っている。 「………」 僕は、部屋を一周回ってみた。 そして、もう1度窓の外を見てみた。 「おかしいな」 やんでいない。 今でも鬱陶しく、外の世界を泥まみれにしている。 パチッ… まただ。 また、汚れた人間が僕の中に入ってきた。 目の玉をほじくり返し、そうしてできた穴から無理やり、入ってくる。 「ふふ」 僕はくすっ、と笑うと、そいつが今いる所を探索する。 ヒルのように、僕の思念はそいつを辿って行く。 …いた。 迷わず、僕は「壊れろ」という命令を出した。 届くかどうかは、分からない。 全く、雨の日はろくな電波が届かない。 コンコン。 部屋のドアがノックされる。 あれ、僕は部屋にいたんだっけ。 おかしいなあ。今日は学校はなかったんだっけ。 そうか、雨が降ったから学校は休みなんだな。 確か、何かの歌にもあったな。 ドアが開く。 ドアを開けることができるのは、一人しかいない。 「お兄ちゃん」 「…瑠璃子」 人間がいなくなってしまった中で、僕と瑠璃子だけが生き残ったんだ。 僕と瑠璃子以外はニンゲンじゃないから、数のうちには入れてない。 「お兄ちゃん、コーヒー、飲む?」 怯えるような、蔑むような、哀れむような瑠璃子の目。 どろっとした蒼い目。僕とおそろいだ。 「ああ、もらおうか」 …もし。 この世の天気が「雨」しかないとしたら。 僕は電波が使えなくなる。 そうなれば、僕も瑠璃子も救われる。 心待ちにしよう、その時を。 ………………………………………………………………………………………………… こんにちは&はじめまして、雅さんに紹介して頂いてやってきました、羽零と申します。 こういった感じの物は自分自身、読まないし書かないのですが、 敢えて挑戦してみました。 だらだらと長くなってしまわないように、注意しました。 …慣れないことはするもんじゃないですね。(笑) ただ、月島さんの壊れた感じはまあまあ出たかな、と思ってます。 ギャグになっちゃわないように書くのが苦労しました。 …雫って難しいですね。 皆さん本当にいい作品を書くので、羨ましいです。 それでわ、次はいつになるか分かりませんが、またよろしくお願いしますね。http://www.vega.or.jp/~hanerei/top.htm