心の粒は、もうトドカナイ 投稿者:羽零 投稿日:6月18日(日)22時26分
雨だ。
雨が降っている。


「………」
僕は、部屋を一周回ってみた。
そして、もう1度窓の外を見てみた。
「おかしいな」
やんでいない。
今でも鬱陶しく、外の世界を泥まみれにしている。

パチッ…

まただ。
また、汚れた人間が僕の中に入ってきた。
目の玉をほじくり返し、そうしてできた穴から無理やり、入ってくる。

「ふふ」
僕はくすっ、と笑うと、そいつが今いる所を探索する。
ヒルのように、僕の思念はそいつを辿って行く。
…いた。
迷わず、僕は「壊れろ」という命令を出した。
届くかどうかは、分からない。
全く、雨の日はろくな電波が届かない。

コンコン。

部屋のドアがノックされる。
あれ、僕は部屋にいたんだっけ。
おかしいなあ。今日は学校はなかったんだっけ。
そうか、雨が降ったから学校は休みなんだな。
確か、何かの歌にもあったな。

ドアが開く。
ドアを開けることができるのは、一人しかいない。
「お兄ちゃん」
「…瑠璃子」
人間がいなくなってしまった中で、僕と瑠璃子だけが生き残ったんだ。
僕と瑠璃子以外はニンゲンじゃないから、数のうちには入れてない。

「お兄ちゃん、コーヒー、飲む?」
怯えるような、蔑むような、哀れむような瑠璃子の目。
どろっとした蒼い目。僕とおそろいだ。

「ああ、もらおうか」




…もし。
この世の天気が「雨」しかないとしたら。
僕は電波が使えなくなる。
そうなれば、僕も瑠璃子も救われる。
心待ちにしよう、その時を。

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こんにちは&はじめまして、雅さんに紹介して頂いてやってきました、羽零と申します。

こういった感じの物は自分自身、読まないし書かないのですが、
敢えて挑戦してみました。
だらだらと長くなってしまわないように、注意しました。
…慣れないことはするもんじゃないですね。(笑)
ただ、月島さんの壊れた感じはまあまあ出たかな、と思ってます。
ギャグになっちゃわないように書くのが苦労しました。
…雫って難しいですね。

皆さん本当にいい作品を書くので、羨ましいです。
それでわ、次はいつになるか分かりませんが、またよろしくお願いしますね。

http://www.vega.or.jp/~hanerei/top.htm