「さて、ここで不連続ドラマの時間でーす」 「うわぁー、ギリギリじゃない」 「今月は忙しかったらしいです」 「テストでしょ。その割にはいろいろやってたけど」 「そうですよね」 「まぁ、いいわ。とっとと始めましょ」 女三人連れがさも疲れたように山から下りてくる。 「やっぱり何もなかったじゃない!」 「そうですよ。食料を持ってきて正解でした」 「何よ、まるで私が悪いみたいじゃない」 「まるででなく、完全にです」 「今回もつきが無かっただけよ」 「つき以前の問題です」 「そうだよ。お母さんなら他人からでもつきを奪い取るじゃない」 「どの口がそんなことを言うかなぁ」 「おっ、お母さん、ギブギブ」 「お止めください、お嬢様は綾香様ほど頑丈ではないですから」 「どういう意味よセリオ!」 「言葉通りにとってもらえば宜しいかと」 「ふーん。覚悟は良いようね」 「セリオお姉ちゃんが火に油注いだぁ」 「そ、そのようですね。私の綾香様対処法データーベースを更新しなければ」 二人逆立ちで、一人竹刀を持った三人連れが山を降りてくる。 逆立ちしているうちの一人は頭から煙が出ている。 「お、お母さん、あ、頭に血がぁー、血がぁ」 「そういえば思い出しました」 「思い出さんでいい」 「昔、綾香様が河原で鍛錬をしていたのは前話しましたですね」 「う、うん。聞いたことが」 「そこで負けたことがあるのです」 「えぇ、おかあさんが」 「相手は一度当てられたことがありますので、まるで格上の選手と相対するように組み手をしていました」 「へぇ」 「そう、毎日毎日、何度も何度も」 「・・・」 「そしてついに、その日がやってきました」 「その日、綾香様は幾分元気が有りませんでしたが、そんなときでもいつも勝利を手にしていました」 「・・・やめなさい、セリオ」 「いつもなら綺麗に決まる技がそのときだけよけられ、数瞬後には地に伏せた綾香様が・・・」 「えっ、」 「とうとうつきが逃げることに成功したかと思いました」 「恥ずかしいからやめてよ」 「何の事は無い、遅れていた月のものが・・・」 「やめなさい。それ以上いうのは」 「それまで、いつ、大旦那様に紹介を・・、はぅ」 「セリオお姉ちゃん!」 「死にたくなかったら一生、今のことは忘れなさい」 「は、はい、おかあさま」 「一応前の続き、というか後日談みたいだね」 「いい度胸よね。私の前で下ネタなんて」 「お。落ち着いて。帰り私がおごってあげるから」 「・・・まぁ、いいわ。あなたに免じて許しましょ」 「(はぁ、良かった。このまま暴れられたら)」 「うん?、どうしたの」 「べ、別に、そんなこんなでドラマコーナーでした」 「ごまかしたわね」 「ごまかしてなんかないよぉー」 「そう? ならいいわ。あるかどうかわからないけど、また来月も楽しみに待ってなさいよ」 「それでは」 「「ばいばーい」」 -----------------------------------------------------------------------