セリオファイル11 投稿者:ジーク・リーフ 投稿日:9月28日(金)15時42分
 「さて、ここで不連続ドラマの時間でーす」
 「うわぁー、ギリギリじゃない」
 「今月は忙しかったらしいです」
 「テストでしょ。その割にはいろいろやってたけど」
 「そうですよね」
 「まぁ、いいわ。とっとと始めましょ」


 女三人連れがさも疲れたように山から下りてくる。 
 「やっぱり何もなかったじゃない!」
 「そうですよ。食料を持ってきて正解でした」
 「何よ、まるで私が悪いみたいじゃない」
 「まるででなく、完全にです」
 「今回もつきが無かっただけよ」
 「つき以前の問題です」
 「そうだよ。お母さんなら他人からでもつきを奪い取るじゃない」
 「どの口がそんなことを言うかなぁ」
 「おっ、お母さん、ギブギブ」
 「お止めください、お嬢様は綾香様ほど頑丈ではないですから」
 「どういう意味よセリオ!」
 「言葉通りにとってもらえば宜しいかと」
 「ふーん。覚悟は良いようね」
 「セリオお姉ちゃんが火に油注いだぁ」
 「そ、そのようですね。私の綾香様対処法データーベースを更新しなければ」

 二人逆立ちで、一人竹刀を持った三人連れが山を降りてくる。
 逆立ちしているうちの一人は頭から煙が出ている。
 「お、お母さん、あ、頭に血がぁー、血がぁ」
 「そういえば思い出しました」
 「思い出さんでいい」
 「昔、綾香様が河原で鍛錬をしていたのは前話しましたですね」
 「う、うん。聞いたことが」
 「そこで負けたことがあるのです」
 「えぇ、おかあさんが」
 「相手は一度当てられたことがありますので、まるで格上の選手と相対するように組み手をしていました」
 「へぇ」
 「そう、毎日毎日、何度も何度も」
 「・・・」
 「そしてついに、その日がやってきました」
 「その日、綾香様は幾分元気が有りませんでしたが、そんなときでもいつも勝利を手にしていました」
 「・・・やめなさい、セリオ」
 「いつもなら綺麗に決まる技がそのときだけよけられ、数瞬後には地に伏せた綾香様が・・・」
 「えっ、」
 「とうとうつきが逃げることに成功したかと思いました」
 「恥ずかしいからやめてよ」
 「何の事は無い、遅れていた月のものが・・・」
 「やめなさい。それ以上いうのは」
 「それまで、いつ、大旦那様に紹介を・・、はぅ」
 「セリオお姉ちゃん!」
 「死にたくなかったら一生、今のことは忘れなさい」
 「は、はい、おかあさま」
 
 

 「一応前の続き、というか後日談みたいだね」
 「いい度胸よね。私の前で下ネタなんて」
 「お。落ち着いて。帰り私がおごってあげるから」
 「・・・まぁ、いいわ。あなたに免じて許しましょ」
 「(はぁ、良かった。このまま暴れられたら)」
 「うん?、どうしたの」
 「べ、別に、そんなこんなでドラマコーナーでした」
 「ごまかしたわね」
 「ごまかしてなんかないよぉー」
 「そう? ならいいわ。あるかどうかわからないけど、また来月も楽しみに待ってなさいよ」
 「それでは」
 「「ばいばーい」」


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