部屋を明るくしてディスプレイから離れてみてネ。良い子とお姉さんとの約束ヨ 桜降る公園にて 「綺麗ですね」 「セリオお姉ちゃん、そんなことより早くだんご」 「お嬢様、今日は花見に来たんですよ」 「うぅぅ」 「まぁしょうがありませんね。少々お待ちを」 「わーい」 適当なベンチに座り、風呂敷から団子を取り出す。 「こういうのを花より団子というんですね」 「うー、ひどいなぁ」 「まぁ、多くが花見にこきつけて宴会するのが目的ですが・・・」 「一応花だって見るよ」 「それでは存分にご覧ください」 「・・・きれいだねぇ」 「・・・」 「八分咲きぐらいかなぁ」 「・・・」 「黙って無いで、何か言ってよ!」 「まだまだ修行が足りませんね」 「うぅぅ」 しばらくして、 「それにしてもお母さん遅いなぁ」 「多少の遅れはしょうがないかと」 「それもそうだよね。まぁ、お母さんの分残しとけば問題無いだろうし」 「・・・」 「ちょっと騒がしくなってきたね」 「そうですね。かなり飲んでますからね」 「姉ちゃん、ちょっとこっち来て酌してくれんか?」 「いいえ、お断りさせていただきます」 「少しだけでいいからよぉ」 「連れもいますので」 「おっ、なんだ? ロボットのくせに酌もしんのか?」 「貴方は私のマスターではありませんので、指令順序を変更できません。よってその命令は保留させていただきます」 「ごだごだ言って無いでさっさとこっち来い!」 「セリオお姉ちゃんをいじめないで!」 「がきんちょはひっこんでろ」 どかっ 「お嬢様!」 「家の娘に何てことするのかしら」 「綾香様!」 「そっちの姉ちゃんでもいいや、酌してくれ」 「姉ちゃんか、わたしもまだまだ若いからね」 「酔って正常な判断ができないのでは?」 「うっさいわね。それはともかく、おっさん、あんまり好みじゃないからお断りさせてもらうわ」 「なんだとぉ」 「お母さん、遅いよ」 「ごめんね。もうちょっと早く来たかったんだけどね」 「またいつもの通り・・・」 「無視すんな。さっさとこっちに来い」 ヒュッ、ドカァ 「何か言ったかしら?」 「いえ、何でもありません。失礼しました」 「お母さん、こんなところで・・・」 「で、遅れたのは何でですか?」 「言わないとダメ?」 「うん、どうして遅れたの?」 「それはね」 「また酔っ払いの喧嘩の仲裁をしてたんですか?」 「うん・・・」 「お母さん、えらいねぇ」 「お嬢様、考えてみてください。綾香様が仲裁などできると思いますか?」 「一応喧嘩止めさせたけど」 「両者KOでですね」 「・・・」 「へぇー」 「綾香様は昔から花見より喧嘩でしたからね」 「ストリートファイトといってよ」 「昔から?」 「はい、昔から酔っぱらって言い寄ってきた男性をぶちのめしたり、決闘に乱入したり」 「こんな公共の場でやるのが悪いんでしょ」 「そんな問題じゃないと思うんだけど」 「ともかく罰として」 「罰として?」 「綿菓子おごってもらいましょう」 「わーい、たこ焼きも」 「しょうがないわね」 ----------------------------------------------------------------------- 今年は桜はかなり遅く、その上、短かった気がしますね。