部屋を明るくしてディスプレイから離れてみてネ。良い子とお姉さんとの約束ヨ 『郵便でーす』 一月一日 元日 「・・・これはお母さんで、これは私の・・・」 「・・・こちらはお嬢様の、これは・・・私のですね』 二人の女の子が元日の昼間にやる恒例の行事、年賀状を仕分けている。 「これで全部かな」 「そのようですね」 「セリオお姉ちゃんはどのくらい来た?』 「これくらいですかね」 「やったぁー、私のほうが多いー』 「私はメールで来るほうが多いですからね」 「ふーん。だけどいっぱい来たねぇ」 「交友広いですからね。会社の方々からも来ているようですし」 「そーかぁ、あっ、もう、綾音ちゃん。うれしいけど配達のお兄さんに見られてないかな?』 「どうしたんですか?」 「綾音ちゃんがね、これ」 「かわいらしい絵ですね」 「確かに好きだけど、年賀状で来たら恥ずかしいよ」 「そんな事無いと思いますが』 「そーかな? セリオお姉ちゃんはこういう事無かったの?」 「無いと思いますけど」 「ふーん。あっ、お姉ちゃん整理終わったの? ちょっと見せて』 「よろしいですよ。どうぞ』 「・・・やっぱ難しそうなのばっかだね。えっ、なにこれ? これって千堂先生?」 「これは・・・、昔アシスタントとして手伝ったことがありまして」 「すっ、すごいね。こんな人からも来るんだ。あと・・・えっ、えーと、こんなのも来てるよ」 「これも同じくですね。皆さん元気そうで何よりです』 「そっ、そーじゃなくて、こんなの恥ずかしくないの?』 「綾香さんと同じ事おっしゃりますね。昔から言われるんですよね。あれはたしかー ○○年前正月 来栖川家 芹香、綾香、セリオの3人が年賀状を仕分けている。 「やっぱ多いわねぇ。姉さんは?」 「・・・」 綾香に年賀葉書を見せる 「ひとつ聞いていいかな、姉さん」 「・・・」 「それじゃぁ聞くわよ。この年賀状はいったい何?」 「・・・」 「同好会の皆さんから来たものですが、って同好会の部員って・・・」 「・・・」 「・・・いいわ、もう聞かないわ」 「・・・」 「綾香様、芹香様がかわいそうだと思いますが」 「いいのよ。それよりセリオはどれだけ来たの?」 「クラスの皆さんや、研究所の方々から頂きました』 「見せて」 「よろしいですが」 「どれどれ、ふーん、まあ普通のばかりね」 「初めてですので、どれが普通かわかりませんが?」 「これからは馬軍団のね。なにぃー。あいつらぶちのめす」 それらの年賀状にはほとんどが綾香にいじめられてないか心配する手紙だった。 「綾香様、私の年賀状を握りしめて吠えないでください」 「・・・」 「誰が吠えてるのよ。まぁいいわ。次々っと。これは」 「・・・」 「姉さん見てよこれ」 「・・・、・・・」バタン 「姉さん、ショック強かったのね」 「どうかしましたか?」 「セリオ、友達は選んだほうがいいわよ」 「これらは、昨年お手伝いさせてもらった千堂様たちの年賀状ですね。何か問題でも?」 「まあこれとこれはいいとして」 和樹、瑞希、千紗、南さんのをはねる。 「これもまぁ許せるとして』 大志のも出す。 「これはいったいなに?」 詠美、由宇、彩、玲子のを並べる。 「これはいわゆる、やおい、と言われる表現方法ですね。それが何か問題でも?」 「じゅーぶん問題あるわよ。こんな事セバスチャンに知れたら・・・。とにかく没収よ」 「せっかく頂いたものなのですが」 「没収たら没収なの」 −という事がありました。それから毎年没収されてます」 「そっ、その年賀状どうしちゃったんだろうね。はっ、ははは」 「そう言えば先日の大掃除のときに綾香様も部屋で見たような気がしましたが」 「あなたたち、お昼にするけど、もちは何個いる?」 「お母さん。私二つでいい」 「あっ、私がやります」 「なーに、セリオ。正月くらいゆっくりしてなさいよ」 「はい。 そう言えば先日の大掃除でお部屋に私の年賀状がありましたが、そろそろ返してもらいませんか?」 「へっ、年賀状って?」 「あの例の独りで楽しんで見ていた年賀状ですよ』 「セリオ、見てたの」 「はい、しっかりと」 「セリオ、長い付き合いだったわね」ガシッ 「いいえ、まだまだ長く付き合うつもりですよ」カツッ 「そーう」シュッ 「はい」ザッ 「・・・そろそろ焦げちゃうな、ひっくり返そう」 バシッ ガツッ ドカッ バキッ 「・・・いただきます」 バフ ザシュッ ----------------------------------------------------------------------- 結構ありますよね。貰って恥ずかしい年賀状。 特にこういう道に入ってる人は・・・。 まぁ、自分でも似たような年賀状送ってますし・・・。 補足 セリオとこみパメンバーとの関係は拙作 「戦場に掛ける夢」 皇紀2660年八月お題「すべてが○になる」 「学校進入作戦」 皇紀2660年八月お題「夜の学校+クロスオーバー」 を見てください。 希望の方はメールでお知らせ下さい。送ります。