12月24日
リビングにて
「ジングルベール、ジングルベール。鈴が鳴るー」
「ごきげんですね」
「待ちに待ったクリスマスイブだよ。今年はねぇ・・・」
「クリスマスプレゼントですか。私には関係ないですね」
「えー、プレセントもらったことないのー。セリオお姉ちゃんってかわいそうだね」
「いえ。あっ、確か貰った事もありましたね。あれは確か・・・。やっぱいいです」
「なーに、気になるよぅ」
「たまには私にも秘密の話はありますよ」
「ぶーぶー」
同日夜
「そろそろ遅くなったから寝なさいよ」
「やだー、サンタさんが来るまで待つ」
「お嬢様、サンタさんはよい子のところに来るんですよ」
「うー、わかった。セリオお姉ちゃん寝よ」
「ハイ、わかりました」
「靴下は用意しときなさいよ」
「セリオお姉ちゃんが作ってくれたの、枕もとにおいてあるよ」
「ううん、くぅー」
「お嬢様はおやすみですか。
サンタですか、あれは来栖川家にきた最初の年のころでしたか・・・−
来栖川家 綾香の寝室
「セリオ、起きてる?」
「はい、侵入者でしょうか」
「うちの防犯装置を突破するなんて、なかなかやるわね」
「どうします?」
「部屋に入るまで待つ」
「目的が違った場合には?」
「五分たって来なかったら、こっちから出る」
「了解しました」
「来た!」
「行きます」
ガシッ、バシッ、ドカッ
「待ってくだされ」
「あれっ、セバスチャン、なにしてんの? 還暦はとっくに過ぎたはずだけど」
「お嬢様! これをどう見れば還暦祝いの格好に見えますか」
「これは、確か文献で拝見した事があります。
確かサンタクロースという靴下好きの変体不法侵入者でしたね」
「セリオ、どっからそんな事聞いたの?」
―その後わかった事ですが、あれは長瀬主任が私たちのために執事長に頼んでやってもらった。という事でした。マルチさんはたいそう喜んでいて、何度もうれしそうに話してました。
そろそろ充電に入りましょう。おやすみなさいませ」
30分後
「そろそろ寝たかな?」
キョロキョロ
「寝たみたいね。靴下はどこかな?」
ガサゴソ
「あった。にしても大きいわねぇ。ここにいれるとちょっと見劣りするけど」
「よいしょっと、セリオは・・・あった。ここに入れときますか」
「そ〜と、おやすみなさい。私のかわいい娘たち」
12月25日朝
「わー、プレゼントだー。サンタさんありがとう」
「よい子と認められたようで、よかったですね」
「なんかいやな言い方だね。セリオお姉ちゃんは?」
「えっ、私ですか」
「そうだよ、靴下もちゃんと用意したんだから」
「お嬢様。ありがとうございます」
「セリオお姉ちゃん、入ってるよ」
「綾香様、クリスマスプレゼント本当にありがとうございます」
「うーん、なんのこと? それよりも早く朝ご飯にしましょ」
「はいっ」
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今回は綾香はいじめません。
綾香の旦那さんを出そうと思ったけど、やっぱ書きにくいのでやめときます。
今年はこれで最後かな。皆様よいお年をって言えないです。喪中ですので。
だから、『それではまた次回で』でしめときます。