セリオファイル5 投稿者:ジーク・リーフ 投稿日:12月19日(火)12時46分

 12月24日
 リビングにて
 「ジングルベール、ジングルベール。鈴が鳴るー」
 「ごきげんですね」
 「待ちに待ったクリスマスイブだよ。今年はねぇ・・・」
 「クリスマスプレゼントですか。私には関係ないですね」
 「えー、プレセントもらったことないのー。セリオお姉ちゃんってかわいそうだね」
 「いえ。あっ、確か貰った事もありましたね。あれは確か・・・。やっぱいいです」
 「なーに、気になるよぅ」
 「たまには私にも秘密の話はありますよ」
 「ぶーぶー」


 同日夜
 「そろそろ遅くなったから寝なさいよ」
 「やだー、サンタさんが来るまで待つ」
 「お嬢様、サンタさんはよい子のところに来るんですよ」
 「うー、わかった。セリオお姉ちゃん寝よ」
 「ハイ、わかりました」
 「靴下は用意しときなさいよ」
 「セリオお姉ちゃんが作ってくれたの、枕もとにおいてあるよ」

 「ううん、くぅー」
 「お嬢様はおやすみですか。
  サンタですか、あれは来栖川家にきた最初の年のころでしたか・・・−

  来栖川家 綾香の寝室 
  「セリオ、起きてる?」
  「はい、侵入者でしょうか」
  「うちの防犯装置を突破するなんて、なかなかやるわね」
  「どうします?」
  「部屋に入るまで待つ」
  「目的が違った場合には?」
  「五分たって来なかったら、こっちから出る」
  「了解しました」
  
  「来た!」
  「行きます」
  ガシッ、バシッ、ドカッ
  「待ってくだされ」
  「あれっ、セバスチャン、なにしてんの? 還暦はとっくに過ぎたはずだけど」
  「お嬢様! これをどう見れば還暦祝いの格好に見えますか」
  「これは、確か文献で拝見した事があります。
   確かサンタクロースという靴下好きの変体不法侵入者でしたね」
  「セリオ、どっからそんな事聞いたの?」

 ―その後わかった事ですが、あれは長瀬主任が私たちのために執事長に頼んでやってもらった。という事でした。マルチさんはたいそう喜んでいて、何度もうれしそうに話してました。
 そろそろ充電に入りましょう。おやすみなさいませ」

 30分後
 「そろそろ寝たかな?」
 キョロキョロ
 「寝たみたいね。靴下はどこかな?」
 ガサゴソ
 「あった。にしても大きいわねぇ。ここにいれるとちょっと見劣りするけど」
 
 「よいしょっと、セリオは・・・あった。ここに入れときますか」

 「そ〜と、おやすみなさい。私のかわいい娘たち」


 12月25日朝
 「わー、プレゼントだー。サンタさんありがとう」
 「よい子と認められたようで、よかったですね」
 「なんかいやな言い方だね。セリオお姉ちゃんは?」
 「えっ、私ですか」
 「そうだよ、靴下もちゃんと用意したんだから」
 「お嬢様。ありがとうございます」
 「セリオお姉ちゃん、入ってるよ」
 
 
 「綾香様、クリスマスプレゼント本当にありがとうございます」
 「うーん、なんのこと? それよりも早く朝ご飯にしましょ」
 「はいっ」

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 今回は綾香はいじめません。
 綾香の旦那さんを出そうと思ったけど、やっぱ書きにくいのでやめときます。
 
 今年はこれで最後かな。皆様よいお年をって言えないです。喪中ですので。
 だから、『それではまた次回で』でしめときます。