部屋を明るくしてディスプレイから離れてみてネ。良い子とお姉さんとの約束ヨ 台所 「セリオ姉さん、おはよ!」 「おはようございます。今日はお早いですね」 「うーん、ご飯もう炊けてる?」 「ハイ、炊けてますけどどうしたんです?」 「・・・、えーと、たまには自分で作ってみようかなぁ、って」 「そうですか、私の手作り弁当がお気に召さないと」 「えっ、そ、そんなこと」 「よよよ、今まで十数年そんなのを無理に食べさせたいたなんて・・・」 「ねえさん、ごめんなさい。わたしそんなことおもってないよ。わたしはただ・・・」 「冗談です。そうですか、もうそんなお年頃になりましたか」 「そういうお年頃って?」 「お好きな人ができたのでしょう?」 「ち、違うよ。ただ、一回くらいは自分一人で作ってみなくちゃ、って思っただけ」 「そうですか、初めての作ったお弁当はもう何年前でしょうか。いかに効率良く、栄養に偏りが無いよう考えるのにはかなり苦労しました。 マルチさんが初めて作ったときは心配で、あとで胃薬をお届けしました。 そうそう、綾香さんが作ったときはもっとすごかったですよ」 「聞きたくないけど、どーせ聞かせるんでしょ」 「よいお覚悟です。 あのときは珍しく綾香さんが台所にいまして、何をやってるんでしょうと思って見たところ何かテーブルの前でやってるようでして、 お腹がすいてパンを食べようと思ってジャムを飽けようとしたんだけど固くてゴリラ並みの力込めて飽けようとしたんでしょう。と思ったんです」 「ゴリラはひどいと思うけど。私だって固いジャムのふた開けるときは・・・」 「よく似てますからね。 その後、満足した様子で私を連れて出かけたのですが、その後台所は大騒動で、料理人が数人お暇を出されそうになったそうで」 「それで、どうなったの」 「その人たちは結局暇を出される事はありませんでした。 お昼頃、マルチさんと会うため別れたのですが、その後悲劇が起こったのです」 「・・・」 「綾香様と行動を共にされた方が病院に運ばれたそうです。 原因不明の症状などがあったそうですが、そのお方は食生活もあまり良くないので食中りか何かだと判断されたそうです。」 「・・・」 「けれど、あごと歯の大きな損傷は、どう考えても何か固いものを無理やり食べない限り起こらない、一体何が起きたのかと」 「セリオぉ〜、何言ってるのかな?」 「これはこれは奥様、まだおかずはできてませんが・・・」 「何ある事ない事言ってるのかな?」 「これは全て事実です。あの後それらの事件が全て綾香さんのおにぎりが原因だと判明しましたが?」 「何でおにぎり作っただけでそうなるの?」 「それはですね、よくマンガなどで見た事ありませんか? 運動やっている女の子が好きな男の子に固く握りすぎたおにぎり渡したりするのを?」 「そういえば、でもでも、本当にそんなのできるわけ無いと思うけど・・・」 「それを奥様はやってのけたのです。ジャー一杯、およそ二十合を全部一個のおにぎりに・・・」 「セ・リ・オ、いいかげんにしなさいよ」 「ここに証拠写真があります」 「うっ」 「あっ、本当だ」 「だから、こういう事にならないよう、判らない事有ったらすぐに聞いてくださいね」 「うん、ありがとうセリオ姉さん」 「・・・(覚えときなさいよ)」 「どうしましたか?」 「・・・」 ----------------------------------------------------------------------- お弁当と言ったらおにぎり。 おにぎりと言ったら怪力少女お得意の力いっぱい握ったおにぎり。 それだけで思いついて書いたもの