今回は御題「果物」あわせて書きますです。 それでははりきってまいりましょう。 ----------------------------------------------------------------------- 部屋を明るくしてディスプレイから離れてみてネ。良い子とお姉さんとの約束ヨ 雷光が輝き、雷鳴が鳴り響く。 部屋の中に二人の女の子がいる。 彼女らの間にある机には、静物画のモデルのようにさらに何かが盛られている。 「マルチさん、これを食べれば・・・」 「これですか、どこのスーパーでも売ってますよ」 「甘いですねマルチさん。普通に手に入るものでは効果あるとは思えませんので特殊な物を手に入れました」 「なるほど、でこれはどうやって食べるのでしょうか?」 「資料によると調理しないで食べるそうです」 「皮もむかないでですか?」 「その通り。まるかじりです」 「私、かじられてしまうのですか」 てぃっ、 「そんなボケは後で自己満足するまでやってください。それより今はこれを・・・」 「はい・・・」 がきっ 「は、はふぁいです」 「ほえまふぇーん」 「何やってるのあんた達は」 「ふぁ、ふぁやくぁさん」 「(かぽっ)、みてのとおり、りんごを食べていただけですが?」 「ふーん、珍しいわね。あんた達がりんごを、それも皮も剥かないで食べるのなんて?」 「知的好奇心の追求のためです。それが何か問題でも?」 「ふーん、そう。マルチはどうして?」 「それはですね。セリオさんがこの・・・モガァ」 「マルチさん、そろそろお仕事の時間ですよ」 「もがもがが、もがが、もがあもが」 「セリオ、何か隠してない?」 「いえ、私が何か隠しているとでも?」 「うん、あれぇ?」 「どうかしましたか?」 綾香が床に落ちている本を拾う。 「これって」 「綾香様、これにて失礼します」 「待ちなさい、一体何をしようとしたの?」 「あのですね。セリオさんがこれを読みまして、すごい事を発見したのです」 「ま、マルチさん!」 「これによると、りんごを食べる事によりCPUの処理能力がUPし、その上、ひろゆきさんとの・・・」 「浩之との?」 「(ぽっ)これいじょうははずかしいです」 バタンッ 「まっ、マルチ。しっかりしなさいよ」 「ブレーカーが落ちただけです。しばらくすれば復旧します」 「セリオ、マルチに何を吹き込んだの?」 「さあ、何の事でしょう?」 「いいわセリオ、質問変えるわ。あんたは何しようとしたの?」 「それはもちろん、多分行かず後家になる綾香様のために・・・」 「誰が行かず後家ですって?」 「綾香様ですが」 「覚悟は良い?」 「いいえ、それでは」 カチッ、シュタタタタ 「いつのまに加速装置を搭載したのかしら? ともかく後で馬を締め上げないと」 かくしてセリオの計画は水泡とかした。 しかし、いつ第2、第3の計画(悪戯)が露呈するかはわからない。 その日まで精進し、鍛え上げよ綾香よ。 またその日まで。 「そういう事をやってるから行かず後家になるのですよ」 「よくも言ってくれたわね。セリオ!」 「さよならー」 ----------------------------------------------------------------------- 「で、なにこれは?」 うーんと、聖書の楽園追放から考え付いたの。 切支丹じゃないから詳しくは知らないけど、りんごで知性を手に入れる事ができたが、 代わりに永遠の命が失った事から、子孫を作らないといけなくなった事から考えたの。 「それがどうしてこんなのに」 どうしてだろうね? 「・・・とりあえず覚悟は良いかしら?」 よくないよ。何で怒ってるの? 「行かず後家って書いたでしょ」 うん、書いたよ。 「良い度胸してるじゃない」 だって、前の「良い子への教訓.」で君の子供が出てるじゃない。 「そういえば・・・」 と言うわけで行かず後家にはならない。 「そう、なの・・・。けど行かず後家って言ったのは万死に値するわ」 ・・・ 「って、いないじゃない!」