「ん?何だこれ?」 俺は放課後の教室で半円形の変なものを見つけた。 「おーい、雅史。これ何か分かるか?」 その『変なもの』を雅史に見せてみる。 「これパットだよ。胸の無い女の人が使う・・・へえ、これ高いメーカーのだよ。」 何故か詳しい雅史にツッコミの一つでも入れてやりたかったが、俺はあえて止めておいた。 「職員室にでも届けてあげれば?」 「いや、かなり有力な心当たりがあるし、それに・・・・恥ずかしいだろ?」 「まあね。」 「んじゃ、これは明日にして今日は帰るか!」 「そうだね。明日一緒に探そう。それより久しぶりにゲーセン寄ってかない?」 「おう、いいぜ!!」 思えば高校に入ってから、雅史とは遊ぶ機会も少なくなてしまった。 こうして遊ぶのも久しぶりに思える。気が付くと、俺たちは8:00頃まで遊んでいた。 「ん〜、やっぱりあいつのだよな。」 家に帰り着いた俺はその日の夜、 今日拾った『変なもの』の持ち主と思われる人物に電話をかけようかと悩んでいた。 「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。」 「・・・・よし!寝よう。」 悩んでいたらふいにめんどくさくなり俺は『変なもの』をカバンに入れ、眠りに着いた。 次の日の昼休み、俺達は早速聞いてみることにした。 「あかり、昨日何か落し物しなかったか?」 「・・・やっぱり最初はあかりちゃんか。」 余計なこと言うな雅史。膝でツッコミを入れる。 「エッ?う〜ん・・・何で?」 「いや、これなんだけどさ。」 他の人にあまり見えないようにそっとあかりに見せる。 「昨日雅史と帰ろうとしたら落ちてたんだよ。」 プルプルプル・・・ 小刻みに震えるあかり。 「い、いや、だからさ、ほ、ほら親友だろ? こんなの『誰のですか〜?』何て他の人にはあんまり聞けないだろ?だからあかりに・・・」 言い訳クサさ120%だったが、それを聞いたあかりは笑顔を取り戻した。 「そ、そうよね!う〜ん誰のかなあ。」 「あかりちゃんじゃあ一個じゃ足りないしね。」 いつもの雅史の余計な一言で、あかりは今日も屋上に走って行ってしまった。 「浩之ちゃんのバカーー!!」 俺かいっ!! 「あかりじゃないとしたら・・・う〜ん思い付かん。」 あかりは後で何とかするとして・・・早くこの『変なもの』を何とかせねば。 「このクラスじゃ他に貧しい人はいないもんね。」 「・・・お前、自分の事どう思う?」 「?」 良く分からないと言った顔でこちらを見る雅史。まあいいや。 「委員長にでも聞いてみるか。」 「保科さんなら何とかしてくれるよ。」 「委員長。これ昨日の落し物なんだけど・・・」 「ひっ!!ちゃう、ちゃうで!ウチやあらへん!他当たってえな!」 な、何だ!女にとってそれほど過酷な秘密なのか!? 「違うよ保科さん。これ誰のか聞きに来ただけだよ。」 「・・・な〜んや。そうならそうと早く言ってや。心臓に悪いぃ・・」 え?今何か余計な事聞いた様な気がしたけど・・・まあいいか。 「う〜ん。ウチよりも志保の方が詳しいんとちゃうか?」 「それもそうだな。」 どうやらこれは女の間じゃタブーらしいな・・・ また一つ余計な知識が増えたのを感じながら、俺達は志保に情報を求めに行った。 「なあ、志保。これ昨日の落し物なんだけどな。」 「えー?何よこれ?あんた達・・・」 「昨日廊下で(拾ったんだよ)・・・」 「ひぃぃぃぃーーー!!女子生徒から剥ぎ取ったのぉっ!!?」 「んな訳ねえだろっ!!!」 はやる志保に水平チョップをかまして落ち着かせた。 「痛ったいわねー!ジョーダンよ冗談!!」 「で?知ってるのか?」 「知らない。」 ズビシッ!! 再び水平チョップをかます。 「痛ったー!わかったわよ。これ、外国のメーカーだからもしかしたら・・・」 有り得ない推測だった・・・・ しかし、今はこれが一番有力な情報であることは確かだった。 「レミィ。」 「Hi!ヒロユキ!!何デスカ?」 「・・・これ、お前のか?」 「YES!!そうデス。」 あっさり白状するレミィ。 「昨日落として行っただろう?」 「Thank you!ヒロユキ!!アタシこれ探してマシタ。」 有り得ない事に落とし主はレミィだった。 「どうしてまた・・・レミィさんは要らないんじゃないの?」 「YES!あかりに頼まれマシタ!」 ハイ決まり。 落とし主はやはりあいつだった。 その日の放課後、屋上で体操座りしながら泣いている少女を見かけた。 「あかり・・・・」 「ひ、浩之ちゃん・・・ひぐっ・・」 「これ使えよ。」 俺はそっとハンカチを渡してやった。 「ありが・・・」 が、 「浩之ちゃん・・・・これイヤミ?」 はい? ハンカチだと思って渡したものは、昨日今日の騒動の元のパットだった。 「OH!シマッタネ!!」 思わずアメリカンになる俺。 「しかもレミィさんの真似したよね・・・?」 「ノーーーーーーーー!!」 バンッ!!! あかりに胸倉を掴まれていた俺の前に雅史が現れた。 「おお、雅史!助けてくれ!!!」 「うん。ほら、あかりちゃんこれで二つ揃ったよ!!!」 「藤田君今日も学校にけーへんけど、どないしたんやろなあ?」 「浩之は今日も来ないと思うよ。」 「何でや?」 「あかりちゃんと追いかけっこしてるから。」 あの事件から3日が経ったが、未だに浩之は行方知れずだった。 To be noncontinued どーも、またまたコンソメです。お題『落し物』の方も完成しました☆ 香港の人とICQしながら書いたので、疲れました。英語わかんねえ!!http://members.jcom.home.ne.jp/0340054601/