ロード オブ アルジー  投稿者:YOSHI


ロード オブ アルジー【其の二】



〜地下一階、七瀬留美、長森瑞佳〜

「おーい。そこの二人ー!」
七瀬と長森はそう呼びかけられ振り返っるとその先には二人の男がいた。。
戦士系…一目でわかる背中に背負った大剣が印象的な男。
白衣で眼鏡をかけた男がいた。
大きな剣を背負った男のが叫ぶ。
「そっちもまだ二人なんだろ? パーティー組まないか?」
七瀬と長森瑞佳は顔を見合わせる。
「どうする?」
「いいと思うよ」
というわけで四人で自己紹介を始める。
まず大剣を背負った男が口を開いた。
「オレはカーティス。見ての通り剣士だ。で、こっちが……」
「SOMOです。職業は学者です」
白衣の男が自己紹介したのを受けて長森達も自己紹介を始める。
「えっと七瀬よ。戦士をやってるわ」
「長森です。プリースト、僧侶です」
「僧侶か、そいつはいいな」
回復系の職業が一人いるだけでだいぶパーティも楽になる。
ま、それはおいといて、と、カーティスが口を開く。
「じゃ、リーダーはそっちの七瀬さんに頼んでいいかい?」
「私が?」
「オレもやる気はないし、SOMOも同じく。それに……」
「私は無理だよ」
視線を向けられ長森も必死で首を振る。
カーティスは視線を七瀬に戻した。
「と、いうわけで」
「でも、ねぇ……」
何か言い募ろうとした七瀬よりも早くSOMOが口を開く。
「問題があるなら多数決でもとりますか? 民主的に」
「……わかったわよ。じゃ、パーティ登録するわよ?」
投げやりとも言える口調で七瀬がいうとカーティスとSOMOはウインドウを呼び出す。
自分の登録番号を確認しているのだ。
「よろしく『8762』だよ」
「どうぞ『3754』です」
七瀬はウインドウを呼び出しいわれた番号を入力する。
この番号は各個人に割り振ってありランダムに設定されている。
それが登録番号となり、それをパーティのリーダーが入力すると……。

『パーティ登録に同意しますか?』

カーティスとSOMOの前にウインドウが表示される。
二人とも躊躇なく[YES]を選び登録が完了する。
「じゃ、これからよろしく。リーダー」
「よろしく頼みます」
カーティスとSOMOの二人が交互にあいさつする。
改めて、お互いに握手して
「で、これからどうする。リーダー?」
「出来るならリーダーってのはやめて欲しいんだけど……」
七瀬は苦笑しながら言った。
「ま、その前にあちらさんを片づけましょう」
SOMOが下がった眼鏡をあげながら言った。
七瀬達が振り返るとあちらからゴブリンが十数匹現れていた。
「うあ……なんて数なのよ……」
「しょうがないよ」
「こういうコトが起きるとも予測はついたんですけどね」
口々につぶやき戦闘態勢に入る3人。
しかし、それを制しカーティスが剣を抜き一歩進みでる。 
「ま、ここはオレに任せといてくれ」
「あ、なるほど。じゃあ、まかせた」
SOMOとカーティスの間ではそれだけで通じたらしい。
「なんなのよ?」
「ま、みててください」
ふくれる七瀬にSOMOが言うころにはすでにゴブリン達が目の前まで迫っていた。
あわてて七瀬が剣を構えるがSOMOは余裕の表情でゴブリン達を眺めていた。
カーティスの大剣が淡く赤い輝きを放つと同時に大剣を振り上げる。
「いくぞ! 魔弾刀!!」
カーティスが叫ぶと同時に刀身から赤い炎が吹きだしゴブリン達を飲み込んだ。
ゴブリン達の肉が焼ける音が聞こえ、まるでにおいが届いてきそうなリアルな様子が展開される。
「すごいね……」
「うあ……」
「心配いらなかったでしょう?」
目を丸くする七瀬と長森に向かって笑ってSOMOが言う。
ゴブリンが全滅したのを確認し、カーティスは振り返って肩をすくめてみせる。
「運良くこいつを見つけたんだが、こいつにゃちょっと欠点があるんだよな」
「欠点?」
「そんなにすごいのに?」
七瀬と長森の疑問にカーティスが魔弾刀の柄の部分をはずしてみせる。
「魔弾刀って言うんだけど、いまさっきみたいに炎を出すためには魔法石がいるんだ」
「あ、魔法石がないとただの剣なのね」
魔法石とは属性魔法を封じた石である。
茶、青、赤、緑がありそれぞれ地水火風に対応している。
また大きさにも大小があり威力の違いがある。
「いま使ったのは小さい魔法石を二つ」
「実質大の魔法石と同じ威力なんだね」
長森の言葉にカーティスがうなずく。
「すごい威力ね……」
「そもそも、オレが見つけたことを忘れないでもらいたいんだけどな」
憮然とした表情でSOMO。カーティスが笑う。
「感謝してるって。さて、戦利品を……」
ゴブリン達のいたところを調べてみると魔法石が大小あわせて3つ、回復薬が二つあった。
「よかったねー」
長森がにっこりと笑って喜ぶ。
「まあ、こんなもんよね」
「ところで七瀬さん、これからどうする?」
SOMOが七瀬に問いかけ七瀬はしばし考え込む。
「私の考えとしては……強行突破なのよね」
「強行突破……ですか?」
「私は無理はしないほうがいいと思うんだけど」
「ま、みんなちょっと七瀬さんの考えを聞こう」
カーティスの助け船に七瀬は視線だけで感謝を示すと説明し始めた。

『・・・・・・・・・・』

七瀬の説明が終わると皆一様にため息を吐いた。
「なるほど確かにいい方法ですね」
「確かにそれだったらたぶん大丈夫だな……」
「七瀬さんすごいよ」
七瀬は腰に手を当てると全員を見渡して聞いた。
「反対意見は?」
全員が同じように首を左右に振った。
七瀬は満足そうにうなずくと笑った。
「じゃ、早速階段を探さなくちゃダメね」
ルンルンといった足取りで進んでいく七瀬。
「七瀬さん……よくあんなこと考えついたよね」
長森が七瀬に続き歩いていく。
「そもそもあんな考えが出せるという時点ですごいですよ」
「まったくだ」
ため息をつきSOMOとカーティスは七瀬を追いかけていった。
それからしばらくしたって地下二階への階段が見つかった。

一行は地下二階へと進む。




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
今回はSOMOさんと加龍魔さん(カーティス)に参加していただきました!
雪見「設定をいただいてから二ヶ月……」
うぐぅ……こっちにも事情があったんだっ!
雪見「で?」
……すいません。
雪見「よろしい」
そういや前回「永遠の過ごし方」で投稿は今週中って書いてたんだねオレ……。
雪見「実は来週に投稿する……と打っていたつもりとはいえないわね」
ま、自分で読み返すまで気づかなかったんだけどね(汗)
雪見「で、次回は?」
土曜日ごろかな?テストがない日だし。
雪見「というわけで、今日はこの辺で〜」
ではまた〜