ロード オブ アルジー 投稿者: YOSHI
ロード オブ アルジー【其の一】



国家予算に匹敵すると言われるほどの予算。
十年もの歳月。
それらによって作り上げられた巨大なシステム。
V・S・O・A(バーチャル システム オブ アルジー)
早い話が仮想世界を体験するものである。
これを使いあなたも冒険の世界へ!!


「とは言ってもな……」
高校の生徒全員をテストプレイに招待するもんだろうか?
「楽しみだね、浩平」
「みゅー」
『楽しみなの』
「楽しみです」
「楽しみだね里村さん」
「何があるのかしら……って、ぎゃぁぁーーーーー!!」
まあ、いつものように七瀬がおさげを引っ張られてるのはいいとして……。
「ほんと、たのしみよね」
なんで柚木までいる……。
オレの心の叫びに気づいたのか住井がぽつりという。
「まあ、いつものことだろ」
住井は何とはなしに遠い目をしていた。
浩平はおおいに納得してさっさと歩いていった。



『操作説明ですが……』
必要な説明がされ、白衣の男達に案内されオレ達はそれぞれポッドの中に入った。
このポッドの中で催眠状態にされシステムに潜ることができるようになるのだ。
さらには、脳波、心拍数などもモニターされ、異常があれば強制的にシステムから
抜けさせることもできるようにもなっている……らしい。
オレは話の半分も聞いていなかった。
操作説明だけはしっかり聞いていたが。
『では、目を閉じて……システム起動』
目の中で光がスパークして一瞬視力を奪い、場面が切り替わる。
白い空間の中で空中にコントロールパネルらしいものが浮かんでいた。
『名前、種族及び職業、を入力してください』
オレは言われるままにデータを打ち込んでいく。
性別、数千に及ぶ職業、様々なステータスを選ぶらしい。
「折原浩平、人間……ま、戦士でいいか……」
『容姿を変更しますか?』
「いや、どうでもいい」
『ではダイブします』
機械的な声のあと、ふっと目の前を何かがよぎった気がしたと同時に……。
「……確かにダンジョンだな」
石の床と壁で作られていたが間違いなくダンジョンだった。
しかもオレは腰には剣、そして鎧を身につけていた。
「ウインドウ」
オレが言うと同時に空中にコントロールパネル……コンパネが浮かぶ。
「で、アイテムだな」
本人にしか見えないそのパネルを操作し持ち物の確認をする。
そこには幾つかの治療薬、そして魔法を封じた「魔法石」があった。
これは相手に投げつけて発動するものである。
そして、終了を選びコンパネを閉じ一息つく。
とりあえず仲間を見つけること、それがRPGの基本だ。
そう思い浩平がダンジョンを進もうとしたときだった。


ガチャリ……ガチャリ……。


金属がすれる音と共に一体の骸骨が現れる。
骸骨剣士という奴だ。
そいつは浩平をみつけるとぽっかりと空いた暗い眼窩を向ける。
浩平も剣を抜きそいつと向かい合う。
相手のレベルは低いはずだ。
そう自分に言い聞かせる。

そして、戦闘は開始された。



〜住井護、南明義、南森は……〜


「やっぱり、腐れ縁なんだろうな」
「茜さんはどこだーっ!!」
「七瀬さん……どうしてるかな?」
はぐれ三匹ここにあり……。


〜里村茜〜


「…………」

くるり。

茜は服の裾をつかみ一回転してみる。
どうやら魔法使いの格好が気に入ったらしい。


〜川名みさき〜


「あうーっ、ゆきちゃ〜ん」
川名みさきは一人ではぐれていた。


〜椎名繭と深山雪見〜


「みゅ〜?」
「なんであたし子守なんかしてるんだろ……」
雪見は果てしない疲労を憶えていた。


〜七瀬留美と長森瑞佳〜


「七瀬さん、すごいね」
「はうーっ、戦士なんて選ぶんじゃなかったぁ」
いや、むしろ適役……。


〜上月澪〜


「………………」
澪はおろおろしていた。
すでに道に迷ってしまったのだ……。
そのときダンジョンの奥から声が響いてきた。
『あうーっ、ゆきちゃ〜ん』
その声に気づき澪は声のした方向に走っていった。


〜柚木詩子〜


「う〜ん。どっちに行こうかな」
分かれ道で悩んでいた。



バーチャルな冒険は、始まりを告げたばかり……。



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とうとうやっちまっただ……(ーー;)
アルジーFCではないおいらが書くのはまずいかもしれんなぁ……
といいつつ書いていくけど
こいつについては後日告知がありマース。


五本目!!

5連続張り付けもとうとう完了!!
思い起こせば長かった(T_T)
疲れたッス……