はぐれ三匹【恋愛編】 投稿者: YOSHI
はぐれ三匹【恋愛編】

乙女チックごーいんぐまいうぇい!

ここは暗い……真っ暗なんだ。できるならこんな所にはいたくなかった。
そう、今の気分は昔の、あのときの気分にそっくりだ。もう十年近く前、よくイタズラをしては入れられていた。

押入とそっくりなんだ。

考えた末そういう結論に行き着いたとき、俺は手をたたいて喜びたかったが……それはできなかった。
俺は南、美男子にして高校三年生の……って誰にこんなこと言おうとしてるんだろ……俺は……。
俺は鎖につながれたまま、はぁっ、とため息をもらす。
「あの外道、南森のせいで捕まって、今は鎖につながれ自由も利かず……」
はぁっ、と本日何度目になるかわからないため息をもらす。網にもがいているところを一撃され、気がついたらここにいた。
それだけならよかったが……暗いし、鎖につながれてるし、腹は減ったし…………考えがまとまらない……。
そんなことを考えていたときだった。

コツコツコツコツ。

足音だ。誰かはわからないが。足音はどんどん近づいてきて……。

コツ…………。

俺のいる地下牢らしきところの前で止まる。鍵を取り出しいるらしい音。そして鍵が開く音が響く。

ぎぎぃぃぃ……。

扉が開き始める。神でも悪魔でも仏でも天使でも、この際髭でもいい、俺をここから助け出してくれるなら。
しかし、そこにいた人間はにっこりとほほえんだ。対して俺はひきっつった表情を見せていた。
そこにいたのはなぜか白衣に身を包んだ柚木詩子だった。



「え、お前は……」
……………………誰だっけ? 見たこともあるし話したこともあるし……確かにその顔は記憶にはあるんだが。
「みゅーっ」
みゅーっ、って……。やっとそこで記憶がつながる。
「繭ちゃんか……」
そう、椎名繭だったと思う。確かしばらくの間ここの学校に来てたんだっけか。繭ちゃんは今日はこの学校の制服を着ていた。
「繭ちゃん小学校は? って終わってるか」
「みゅー………」
なんかもじもじしているその仕草がかわいらしい。そこに俺の油断があった。
「みゅーーっ!!」
繭ちゃんは俺のネクタイをひっつかむと後ろに回り込みながら思いっきりそれを引っ張る。
「うあ……」
俺はバランスを崩し後ろに倒れ込む。一瞬おくれて、まずいッ、と思ったときだった。

ごづっっ!

俺はアスファルトに頭を強烈に打ち付け暗黒へ沈んでいった。



かちゃかちゃ。

器具類を扱う音の響く部屋の中、俺は柚木を見ていた。白衣である、ナース服とも言うが。
「たらららららーー♪」
鼻歌混じりに何かの準備をしていく柚木。しかし、いっこうに俺を解放してくれる気配はない。
俺は耐えかねて話しかける。
「あの……柚木、さん?」
「詩子よ」
「じゃあ詩子さん?」
「なに?」
にっこりと邪気のない笑い顔で振り向く詩子さん。
「だめ」
「俺をここから解放して…………って何で先に答えるんだよっ!」
「もうっ、明義のことはお見通しッ♪」
恥じらいながら答える詩子さんに俺は一瞬、どこか別の世界に旅立ちそうになった。
やがて、詩子さんはやっと何かの準備を終えたらしく手に何か持って振り向く。
「って、それって注射器だろっ!」
「そうよ」
それがさも当然、といった口調で注射器をかまえる詩子さん。
「ちょっと痛いからね」
「待てッ、なんかやばめだろ?! それって!」
詩子さんはにっこりと笑うだけで答えずに近づいてくる。俺の灰色の脳細胞はすごい勢いで空回りし始める。
「さ、さてはっ! お医者さんごっこだな! 注射器の中は生理食塩水だろ? そうだろ?」
俺はどうにかして逃げようともがくが、鎖がそんなことでどうにかなるわけがない。
「ああ……あ……」
「南くん、逃げちゃだめだよ?」
詩子さんはにっこり笑った。そして、皮膚に冷たい感触を感じたとき、俺は意識を失った。



続く
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日常のこと、というか愚痴というか〜端書き〜

YOSHI「何で……今ご『運』が回ってくるのかな…………」
住井(バイト中)「ナンバーズに見事当るか……しかも4の方だろ」
YOSHI「先週冗談で買ったのが当たるとは思わなかったぞ」
住井(バイト中)「センターの不幸の分、運が回ってきたな」
YOSHI「でも、メアド来ないな……」
住井(バイト中)「メ−@バ@ンクだったな。そろそろ1ヶ月半たつし」
YOSHI「あった方が便利だからと思って頼んだがな……ま、いいや」
住井(バイト中)「ところで当たった金はどうするんだ?」
YOSHI「免許と馬に…………」
住井(バイト中)「いい加減やめたらどうだ? 競馬……」
YOSHI「あれは男のロマンだ。やめられん」
住井(バイト中)「まぁ程々にな。さて、次回……」
YOSHI「乙女チックごーいんぐまいうぇい!〜その3〜でおあいしましょう!」
住井(バイト中)「そして、感想ありがとうございました!」
YOSHI「非常に嬉しく思っています!」
YOSHI&住井「さよおならーーーーー」

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