第二次制服補完計画 投稿者: YOSHI
桜散り、新入生も入り、そしてぽかぽかと暖かい春の午後。
ノートの切れ端と思われる一枚の紙が回ってきたのは授業中だった。とりあえず読んでみる。

『第二次七瀬制服補完計画。放課後視聴覚教室にて 住井』

俺は顔を上げ視線を一人の男に移す。中崎、奴も燃えている。背中からなにやらオーラでも出ているようだ。
中崎もこちらに気づいたのか目が合う。

ばちばぢぃっ!

俺達は熱い視線で火花を散らす。これからあるであろう闘いを思って…………。



「では本日の商品、七瀬留美の制服っ! 五千円からっ!」
「6千ッ!」
「1万ッ!」
「5万だぁっ!」
どんどん値がつり上がる。しかし、俺も中崎もまだ動かない。
「25万、25万以上の方いらっしゃいませんか?」
「50万だ」
おおおおおぉぉぉ。
視聴覚教室にどよめきが走る、俺の発した言葉に。俺はどうだ、と中崎を見る。対して中崎はゆっくり息を吸い……。
「百万だ」
うおおおぉぉぉぉっ!!!
今度こそ全員が驚きの声を上げ、そして俺はがっくりと膝をつく。
「またしても、またしても百万かぁ!」
そして男達の拍手に迎えられ制服を受け取るために中崎が住井に近づく。
「…………住井くん?」
いつの間にか開かれたドアの向こうに七瀬さんがいた。慌てて逃げる男達。
残ったのは踏みつけられた俺と腰を抜かした住井だった。
七瀬さんはゆっくりと、未だ逃げようとしている住井に近づくと、住井を捕獲する。
そして、にっこりと笑ったんだ。そして……………………。



すっかり暗くなった視聴覚教室で失神している南森と顔を腫らし、うわごとをつぶやく住井を南が発見し保護する。
南森は沈黙を守り、住井は何を聞いても謝り倒し何も聞き出すことができなかった。
数日後、制服オークションに出た男達が闇討ちされ、鈍器で殴られたような傷を受けていたことをここに記しておく。

終幕

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感想用のSSだったんですが出しときます。

はぐれ三匹【恋愛編】に出ていた制服の件はこっちです。

その3ぐらいだったかな? では今年はここまで

では、また来年よい御年をー。

1998,12/31