一方その頃…広瀬(第31投稿) 投稿者: WTTS
<初めましての方が多いから…>

このSSの根底に流れているのは七瀬シナリオです。
この連載を初めてお読みになる方は、この主人公の言動や
取り巻く環境に違和感を拭えないかも知れませんが、
まあそういうSSなのです。(苦笑)

冒頭に出てくる聞き慣れない名前の女子数名は、七瀬シナリオ本編で
折原が言うところの『取り巻き』ということでご了承願います。(礼)
もちろん、このSSでは彼女たちはそんなんじゃありません。

それでは、今回で「第11話」となります。(礼)



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<12月 5日>


(その1)


広瀬「行ってきまーす」

夕べ観たテレビで言ってた通り、今朝は雨だった。
道路を走る車の水しぶきを避けながら、歩道の隅を歩く。

雨といえば、この時間ならある場所である奇特なクラスメートに
出会うことが出来るんだけど、

広瀬「……ま、何だかんだ言って遅刻は絶対にしないんだから、
大したものよね」

今日はその場所を素通りした。





教室

山本「あ、おはよー、真希」
加山「よっ、来たわね」
広瀬「あら、みんなお揃いね」
細田「ふっ、リーダー不在で寂しかったところよ」
広瀬「な〜に言ってんだか…」

それから他の女子2、3人と軽く挨拶を交わして、カバンを置いた。

広瀬「さてと…」

男子A「おーい、住井住井っ」
男子B「結果出てんだろ? 見せてくれよ」
住井「まあまあ、そう焦るな」

…案の定、住井くんはすっかり男子数名に囲まれていた。

男子C「何だよ、焦らすなよ」
男子A「その紙だな!? もらった!」
住井「ぐわ! ちょっと待てって! 今から説明する!」

広瀬(あ〜あ〜、みんな鼻息荒くしちゃって、まぁ…)

そのただならない様子に、何人かの女子はあからさまに
奇異の目を向けている。

広瀬(でも、気持ちは十分わかるけどね)

ラッシュ時の購買部を思わせるその光景に ちょっとの間
見入っていたところ、

南「何だ。やっぱりお前も気になるのか」

後ろから声がかかった。

広瀬「うん……やっぱり、知っちゃった以上はね」

そう。何気に私だって早く結果を知りたい者の一人なのよね。
でも、まさか女子が真っ先に「住井くんっ、見せて見せてっ♪」なんて
いうのは あまりにあんまりだから、今は距離を置いてるだけ。

南「ははっ、無理もないよな」

本当は南くんだって一刻も早く結果を知りたいハズなのに、この落ち着きよう。
さすがというか何というか…。

南「そういえば昨日、住井と電話で話したんだが、予想以上に七瀬の影響が
大きかったらしいぞ」
広瀬「へぇ…。具体的には?」
南「例の漢字テストさ」
広瀬「……」
南「ハッキリ言ってあの満点は相当に効いたようだ。何せ一旦は
長森に入れたやつらが………………っと、これはしゃべり過ぎか」
広瀬「そ、そう……」

ちなみにその七瀬さんはというと、もちろん直接住井くんに聞きに行く
なんていう暴挙は不可能のようで、さっきから自分の席で一生懸命
知らんぷりを装ってわざとらしく窓の外を眺めたりなんかしている。
見る人が見れば聞き耳を立てているのがバレバレなのが笑っちゃうわね。
もっとも、あのコは一応人気投票の要の存在なわけなんだから、私の数百倍も
結果が待ち遠しいんだろうけど。

住井「聞いてくれ。とりあえず一時間目の授業中、トップの者を発表する。
以下の順位および得票数については、その後の休み時間以降、この席にて
極秘裏に教えるという方法をとる! 以上だ」

ザワザワ……

住井くんのその決議に少々不満な様子を見せながらも、男子連中は散会した。
七瀬さんもとりあえずは緊張が解けたのか、肩の力が抜けた……ように見えた。

南「なるほど。全ては一時間後か」
広瀬「そのようね」

稲川「真希ーっ、こっちおいでよーっ」

南「ほれ、お呼びだぜ」
広瀬「今行くーっ。 ……それじゃあね」
南「ああ」

それから髭先生が来るまでの間、5人で雑談しながら過ごした。





折原「よっしゃああぁぁぁぁーーっっ!! 七瀬、やったぞぉーっ!!」

突如、そんな絶叫が教室内にこだました。
…………………それも授業中。

当然のことながら、その直後に彼は先生に一喝される。

すぐに授業は再開されたんだけど、今の絶叫が何を意味するのか判らない
男子はいないらしく、その表情に明暗がくっきりと分かれちゃったのよね。

言うまでもなく折原くんは嬉しそうに七瀬さんと何やら話してるし、
今回の発案者であり七瀬さん派でもあるあの中崎くんも満足げのようだわ。
それとは全く対照的に、ど〜んよりとした表情を浮かべている人もいれば、
何とまあ悔し涙を流している人までいるわね。
そういえば南くんは結局誰に入れたのかしら…?

それはともかく、私は折原くんがここまでバカだとは思わなかったわね。
だって今のって…………七瀬さんに直接肩入れしてたってことの決定的証拠にも
なり得るじゃないの……。
つまりあの男は、厳正なる人気投票にて不正行為を働いていたということを
自ら暴露しちゃったわけで……

南森「ふっ、折原もまだまだ青いな」

……はぁ?

広瀬「ちょっと、何言ってんの!?」

私は思わず南森くんにツッコんでしまった。

南森「ん? ああ。 まあ七瀬を応援してんだろうがなぁ…
嬉しいのは分かるが、叫んじゃいかんよなぁ…」
広瀬「……」
男子D「ははっ、そうそう。突然のことでショック隠し切れないやつも
現れちまったしな」

南森くんの前(つまり私の左斜め前)の席の男子が会話に加わってきた。

南森「ま、あいつらしいと言えばあいつらしいな」
男子D「それもそうだけどな。でもちゃっかり彼女の髪に
触れてたのは少々気に障ったが」
広瀬「………………あのさ、あんたたち、もっと肝心なことに気づかない?」
男子D「肝心なこと? 何だよ、そりゃ……」
広瀬「…………いや、ごめん。もういいわ……」
南森「何なんだ? 一体…」

…………まったく。
この二人が特別に鈍いのか、あるいは折原くんのキャラクターゆえの
先入観なのか……。
この調子じゃ、男子全員に聞いてみても同じ答えが返って来そうね…。
南くんはもちろん、住井くんだってきっと……

私は諦めにも似た眼差しでチラッと住井くんの方を見てみた。
すると……

広瀬(!?………住井…くん…?)

なぜか彼は、異様に不機嫌そうな顔をしていた。

広瀬(いえ、不機嫌というより、あれは……)

おととい、私がちょっとからかった時と同じような表情。

広瀬(ひょっとして、怒ってる…………の?)






(つづく)





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<感想>


→→[PELSONA]様・・・・【帰宅風景】

>「お互い、負けないでいようね。周りにも、自分にも」

ここ、かなりツボでした。


→→[楓鳥瑠留]様・・・・【澪と遊園地で】

澪は抱きついてくるという印象が強いだけに、手を繋ぐというのが
ものすごく新鮮に思えました。そしてそれを影で見ながらニヤつく詩子、
相変わらずですね。(笑)


→→[高砂蓬介]様・・・・【歌姫のティータイム 第三話】

三宅さんが既視感をおぼえたということは、彼の存在が少しは
戻りかけているということ…? でも、急に飛び出して行ってしまって
いくらか心が落ち着いたら(?)ついつい眠ってしまうとは、
やっぱり『先輩』になっても澪は澪ですねぇ…。


→→[まてつや]様・・・・【ほ・た・る】

何か浩平、日に日に口が達者な奴になっていってるような
感じがしますね〜。(笑) しかもそれを全く相手にしていない茜…。
何だか恐い…。(笑)

GTO、懐かしいですね〜…。


→→[矢田 洋]様・・・・【嘘予告】

>「良かったねぇ、かわいくなって」

いや、広瀬はもともと可愛いんだって!
CGの表情に問題があるだけなんだって!(笑)

>「主人公の面目を〜」

無理でしょう。そんな調子では。(笑)


→→[から丸]様・・・・【未来 第一話】

う〜ん……37歳になって高校時代の友人から時々手紙が
届くのなら、そこそこの人望があったとも思えますけどねぇ…。
それにしてもプロローグが気になりますな。
新潟で何が南を待っているのか…!?


→→[YOSHI]様・・・・【永遠の過ごし方 Fifth day】

深山先輩が必死になって黒板にメッセージを残しているシーン、
かなり涙腺にキます…。

ああっ! YOSHIさんが後書きアシを雇ってるっ!?(笑)


→→[いちのせみやこ]様・・・・【いちのせみやこ】

!?(笑)

いや、詩子、なかなか良かったっすよ♪
シンデレラ(になること)に憧れる澪…やっぱり女の子やね〜。
…で、結局「ナーイス☆」って何だったんですか? ただの挨拶?(笑)

少なくとも、住井&髭コンビでは商談成立しなかったと思いますよ。(笑)
…何となくね。(笑)


→→[Percomboy]様・・・・【悔恨への帰還 1】

お久しぶりです。
Percomboyさんが初投稿なさった時、替え歌を投稿していた者です。
…っつっても今でも投稿してますが。(笑)

26歳…お互いいい年なのに、相変わらずの雰囲気が漂ってますね。
この二人ならではといったところでしょうか…。
「好きな人」の話題に触れた時の二人の意味深な態度が気になります…。
浩平は一部、記憶が欠落しているようですし……。


→→[スライム]様・・・・【東風怪盗澪りん】

澪りん、一周年記念投稿以来に見かけましたけど、やっぱりイイっす♪
一番爆笑したのは、「そのケースを作るお金があったら〜」って所です。
その都度書かれる四字熟語も、意味が無さそうでありそうなところが
かなり好きです。(笑)


→→[Matsurugi]様・・・・【真夏のONE・7】

澪が何故にそこまでして顔に泥を塗りたがるのか、ひたすら気になります。
「風呂に入れようとしたら暴れ出した」…言われてみれば、当たり前ですよね。(苦笑)
それにしても、亮吾と澪の出逢いがこういうものだったとは…。


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<あとがき>


この日(12/5)のために1時間もかけて人気投票のメカニズムを
解明(笑)して、クラスの総人数や男女の内訳まで割り出してみたのに、
結局今回はその結果を使わずじまいでした。 …ちぇ。(笑)

『バカ女』に感想を下さった皆様、どうもありがとうございましたっ!
あの続きは「12月5日」が完結しましたら書かせていただきたく思ってます。(礼)


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<もはや自己満足(笑)>


SSコーナー、『カルトQ』うううぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!

今回の問題は、「今年にデビューした作家さん方」をターゲットにしました。
去年のSSコーナーを知っている方々にとっては簡単過ぎる問題です。(笑)


(問5)

次の(1)および(2)に、下から適切な記号を選んで当てはめなさい。

『そもそも【ヒロイン大戦!】とは、かつて後書きアシスタントとして
(1)と(2)が一触即発の状態にあったことが、その発端である(笑)』

『ただし、後書きアシスタントとして先輩にあたるのは(1)である』


A:つっこみ茜ちゃん
B:椎名華穂
C:マッド瑞佳
D:今上大福男
E:折原みさお
F:プロフェッサー雪ちゃん
G:赤上
H:澪りん
I:ゾゴック茜ちゃん
J:広瀬ゴムマリ


…ふっふっふ、「ヒロイン大戦!」の存在は知ってても
そのきっかけまで(僅かにでも)把握している人はそうはいないでしょう。(笑)


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それでは、失礼いたします★

前回の解答を発表〜♪

http://cgi-space.to/~sin/bbs4/gagaga/denju.html