一方その頃…広瀬(第27投稿) 投稿者: WTTS
…というわけで(おまけ付きの)正規投稿です。

本文は何も変わってません。脱字を直して改行を少々加えただけです。


【前回の大まかな あらすじ】

自分が明らかに七瀬を意識していることに気づいてしまった広瀬。
思い起こせば、七瀬の前では本来の自分を出し切ることも忘れていた彼女。
広瀬が七瀬に抱いている感情の真意とは…?
(大げさだなぁ…)

一つ言っておきますと、「恋」じゃないことは確かです。(笑)

それでは、今回で [第10話]となります。(礼)


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<12月4日>


(その2)



稲川「おはよー、真希」
村田「あ、おはよう、広瀬さん」

教室に入ると、ドアのすぐ近くでおしゃべりをしていた麻実と村田さんが
挨拶をしてきてくれた。

広瀬「うん、おはよう、二人とも」

私も笑顔でそれを返す。

そのまま真っ直ぐ自分の席まで行き、椅子に腰掛けると同時に…

住井「よう」
南森「ん? おっす、広瀬」

席に座りながら何やらあやしげな話をしていた二人が
挨拶をしてきた。

広瀬「あら、おはよう」

ほぼ反射的にそれを返す。

さて当然HRが始まるまで暇だから、誰かと話でもしに行こうかと
席を立った瞬間に、

南森「そういえば、広瀬よぉ…」

話相手は向こうから名乗り出てくれた。

広瀬「ん、何?」
南森「御堂がしくじったそうだな」
広瀬「はぁ? ……ああ、投票のことね」
南森「しかしまぁ、バレた相手が最も信頼のおける女だったってのが
不幸中の幸いだな」
広瀬「はいはい、どーも。 でもあんたがちゃんと出席していれば
こうはいかなかったかもね」
南森「御堂に言われたよ。『お前さえ休んでいなければ』ってな」
広瀬「あ〜あ〜、確かにそんなようなこと言ってたわ」
南森「まぁ何だかんだ言って運が無かったんだよ。それかあるいは……」
広瀬「あるいは?」
南森「昨日のお前があんまり可愛かったから、ついバラしちまったとか」
広瀬「え!? ちょ、ちょっとそれはさすがに考えられ…」
南森「んなワケねーか! うひゃひゃひゃひゃ!」


……少し、ムカついた。

南森「それはまあいいとして、お前もひでぇよな。 何も俺がサボった日に
開催しなくてもいいだろうよ…」
住井「文句言うな。内容が内容だけに、スタートは一日でも早い方がいい」
南森「ぬ、言い返せん…」

そういえば、こういうコトに対して一番ノリノリなのは、他でもない
この南森くんなのよね。 お祭り好きというか何というか…。
以前に折原くんが、教室の机を何段積み上げられるかに
挑戦していた時(※)も、南森くんがしきりに煽っていたっけね。
(自分でやらない辺りがセコいけど)
今回ももし最初から参加していたら、「予想屋」でも開くつもりだったんでしょう。

南森「ところでなぁ、マキマキ?」
広瀬「誰がマキマキよっ」
南森「お前、あの途中経過についてどう思うよ…」
広瀬「お生憎、私は途中経過には関与しないことにしているのよ」
南森「ん、ああそうか。いや、お前の意見を聞いてみたかったんだがな…」

南森くんのその言葉で、現在の一位が誰なのか見当がついちゃったわ…。

キーーーーンコーーーー…

住井「途中経過で思い出したが、今回やけに折原が熱心なんだ。
昨日だけで2、3回も訊かれたな」
広瀬「……」
南森「おうおう、幼なじみの心配かぁ?」
住井「ん〜、どうやら違うみたいだな。むしろ……」
南森「…むしろ?」
広瀬「他のコを応援してるんじゃないの?」

住井くんと目が合い、お互いニヤリとした。

南森「何やよく分からんが、イベントに積極的なのはいいことだ。うん」

髭「んあ〜始めるぞ。席につけ〜」

南森「おっと来やがったか。それじゃあな、お二人さん」
広瀬「両隣だけどね…」





一時間目の休み時間…

折原「おい、住井。どんな感じだ?」
住井「あん? また途中経過か…?」


南森「おいおい、あいつ本当に熱心じゃないか」
広瀬「だから言ったでしょ?」
南森「目の輝きがいつもと違うぞ…」
広瀬「ま、どうでもいいけど」
南森「ははっ、案外、女子に情報売ってたりしてな」

(鋭い…)

広瀬「あら、疑ってるの?」
南森「ばかいえ。 いくら折原でもそれは無いだろう」

…ここで私がありのままを話したらどうなるかしらね?
『何考えてんだ、てめえ!!』なんて、その場で取っ組み合いになったりして。
もっとも、そんな密告じみたことをするつもりは全然無いけどね。





5時間目の授業中…


「ぐるるるるる…」


「ぐるるるるる…」


「ぐるるるるる…」


…約一名、発情期を迎えたらしい男子がいた。 以上。





キーーーーンコーーーー…

授業終了直後、驚いたことに、さっきの発情男が七瀬さんの肩を抱くような形で
二人一緒に逃げるように教室から去っていった。

一見して愛の逃避行のようなシーンを目の当たりにし、
教室中が静まりかえってしまった。

数秒後…


どわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっっ!!!!!


男子生徒「何なんだアレは! 何が起こったんだ!?」
男子生徒「おいっ! あの二人、いつの間にくっついていたんだよっ!!」

佐織「ちょっと瑞佳! あれはどういうことよっ!」
瑞佳「えっ? えっ?」

御堂「中崎、そう気を落とすな」
中崎「やかましい!」


大パニックとなった。

私の周りにも、いつもの4人が集まって来ている。

稲川「知らなかった! 折原君って、手が早かったんだ…」
山本「うん。おととい、真希が言ってた通りだね…」
細田「あ、見て見てほら、男子達のあの取り乱しよう。面白いね〜」
加山「それはそうと大胆ね、昼間っから……」

七瀬さんが転入してきた時以上に騒がしい。
これはちょっとやそっとじゃ収まらないわね…。


??「お〜〜い! みんなちょっといいか!?」
??「俺達の話を聞いてくれ!」


そう叫びながら颯爽と教壇に現れたのは…
住井くんと南くんだった。

ザワザワ……

それと同時に喧燥もいくらかは静かになった。
…というより、あの二人の次の言葉を待っているのね。

住井「今回の一件について…」
南「広瀬女史から一言あるそうだ」


………………………………………はぁ?

ザワザワ…

みんなの視線が一斉に私に注がれる。

南「ささ、どうぞどうぞ壇上へ」

住井くんが手招きしている。

加山「あはは…真希、頑張ってね」

純子に背中を押され、わけも分からず教壇へ向かう。


広瀬(何のマネ…?)
住井(決まってるだろ。二人が戻ってくる前にシメるんだよ、この騒ぎを…)
広瀬(自分達でやんなさいよっ)
南(事が事だけに、女のお前の方が影響力がある。一発キメてくれ)
広瀬(ったく……)

私はみんなの方に向き直る。

広瀬「え〜と…」
男子生徒「よっ! 待ってました、女帝っ!!」

指笛が鳴り響く。

広瀬「私の見たところ、折原くんは……」

ザワザワ…

広瀬「…………単なるストーカーでしょ」


しばしの沈黙。

そして…


だああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!

大爆笑。
…って、私そんなに面白いこと言ったかしら?

男子生徒「ひ〜〜っひっひっひっひ! それを言っちゃーおしまいだろう」
女子生徒「あははは…。直球すぎて最高〜」

どうやら本当に好評だったようね。
でも一人だけ、何とも言えない複雑な顔をしているコがいる。
もしかして、傷つけちゃったかな…?
ごめんね、長森さん。

…そしてその後30秒もしないうちに、みんな散り散りになっていった。

南「お疲れさん。さすがだな」
広瀬「自覚は無いけどね」


山本「お帰り、真希」
広瀬「何だったのかしらね…」
加山「まぁみんな落ち着いたみたいだし、いいんじゃない?」
稲川「でも折原君、七瀬さんファンの怒りを買ってしまったことは事実よね」
細田「五体満足ですむのかな…?」
広瀬「こらこら、つまんないこと言わないの!」


……その後、教室に戻ってきた折原くんはまたも住井くんから
情報を聞き出している。

ああいう事をした直後だというのに、自粛する気には
なれないもんなのかしらね…。

広瀬「きっとああいうのを『無神経』っていうのね」
山本「え…? 何の話?」
広瀬「…………髭先生よ」
山本「え〜? 私は髭先生、いい人だと思うな…」
広瀬「……」

と、とにかく、住井くんがあまり人を疑わない性格であることを
天に感謝すべきね、あいつ…。





放課後…

いい加減明らかになっていると思って人気投票の結果を聞きに行ったら、
南森くんを含む3人が投票をねばっているらしく、『今日中に電話にて投票』
ということになって結果発表は明日の朝ということだった。





帰り道…

それにしても…


『つまり男子の理想となる女性を決めるってことでしょ?』


か…。

どうしてそう考えるのかしらね…。
カンニングまでして評判を上げようとするあの性根は
とても私の理解の範疇じゃないけど…っていうか許せない。


…それなのに、これまたどうして突然こんなことを思い付いたのかしらね、私って奴は。

『もし七瀬さんが1位を獲れなかったら、今までのこと全部ひっくるめて
思い切って話を聞いてみよう』

昔の青春ドラマの悪役じゃないけど、敗北すれば心を入れ替えるかも知れない。
たとえ話を聞き出そうとして「あんた何様のつもり!?」とか一蹴されたとしても、
それはそれで構わないわ。単に彼女がそういう女だっただけのことよ。
(もっとも、その時にはビンタの一つでもさせてもらうけど)


じゃあ彼女が1位だったら……………
どうするのかしらね。

正直言って考えたくないわね。
だって1位になってほしく無いんだから。

って言うか、

『1位を獲れなかったら』

なんて辺りがね〜…。


あ〜あ、やれやれ、私も心狭いかな? …っと。




[<12月5日>へ続く]



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(※)

「軽い机だけを選んで重ねたから楽勝だったな」

…と、折原本人は語っている。
ちなみに、『土台』すなわち最下段にされたのは長森の机。


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<感想>


→→[どんぐり]様・・・【今を奏でるピアノ 第三回】

「哀れみの気持ちで〜」…このシーンで感極まりました。
想いを打ち明けてしまった浩平と、それに応える美菜子先輩…
事情が事情なだけにどうしても悲恋を予想してしまいます…。


→→[Matsurugi]様・・・【おねめ〜わく たびたび…】

ねこが世界中でゴロゴロ……たまらない人にはたまらないかも。(笑)
でも確かに浩平が文句言いたくなる気持ちも分かります。(笑)
それにしても…「夏休み」の定義を教えるとなると、
これまた一筋縄では行きませんね。とくに相手が『彼女ら』では。(笑)


→→[神凪 了]様・・・【アルテミス 第三十七話】

FARGOの一般従業員達の他愛ない日常(?)の会話ですね。
たまにはこんな平凡な進行もアリですかな?(笑)
ズケズケと言う奴もいれば、ちょっと良識のありそうな奴もいる。
アルテミスの『縁の下の力持ち』という感じかな?(笑)


→→[PELSONA]様・・・【彼女は太宰が好き】

今回の『南差別シリーズ(笑)』の中でも一際輝いてます。
もはや茜は止められない…。その眼に南は(人間として)映らない…。
…でも何で南は責められるんだ? 単に茜を好きなだけなのに。
……あ、それがマズいのか。(笑)


→→[倉本草太]様・・・【茜色】

「すぐ切られて〜」…うんうん、その通りです!
「幸せという気持ち」も、やはり「絆」の中に入っていた(表現がおかしい…)
だから浩平はこの世界に戻ってき…た……って、あり? 「とどまらせている」ですか…。
ん〜、ということは…………ま、余計なコトは考えないでおきます。(笑)
ぬぅ、そういう解釈も出来るんですね。 参考になりました。


→→[変身動物ポン太]様・・・【う・わ・ぎ2】

澪…強引なヤツめっ☆ …って、な〜んだ、ダークサイドなのか。(笑)
P雪ちゃんがいるのは……多分学校の「守護神」となったからでは?(笑)
「折原オークション」かぁ…。文字どおり汗とニオイつき(いやな感じだな…)だし、
更にシュンも当然参加しているだろうから、そうそう安い値はつかないでしょう。


→→もう一つ[変身動物ポン太]様・・・【リレーSS 第19話】

俺が不思議なのは、当時ポン太さんがこれに参加していなかったことなんですよね。
南を集団リンチしていたメンツの一人(懐かしいね)だったチミが何故……

…なんつって。(笑)

ああっ! 遂にシュンがリレーSSに参戦してしまったあっ!!
浩平ラブラブ度はトップでも、その実力はまだ未知数とも言える彼…
「手段は選ばない」…コイツが言うとここまで不気味さ漂うセリフも
そうそう無いですね。(笑) 果たして浩平&長森との合流はあるのか?
それとも、あくまでも単独行動!?

それを決めるのは…………キミだっ!!(宣伝・笑)


→→[まねき猫]様・・・【雨月物語〜朝茅が宿〜第三話】

その場で待っていることを頑なに主張し続ける茜…
浩平は何をやっているんだっ!? いや、必死なんだろうけど。(笑)
詩子が現れなかったのは何故だろう…?


→→[から丸]様・・・【人魚姫 第一話】

七瀬…人魚姫だろうが何だろうが、変わらんなぁ…。(笑)あ、詩子もか。
浩平は…「こんな奴がいずれは王!?」ってな感じで、第三者から見れば
愉快ですね。(笑) それはそうと「魔剣」とは…これで人魚たちがどういった
ストーリーに巻き込まれて行くのか、見守られていただきます。
…で、茜は人間じゃないんですね。(笑)


→→[はにゃまろ]様・・・【ピーターパン 第1話】

七瀬がフック船長…確かにハマリ役ですね。でも、「鉄の鍵」に相当する
ものは何だろう?(笑) それにしても…ワニ(着ぐるみ)は想像してみたら
思わず抱きしめたくなってしまった…。(笑)
…で、続くんですよね? シリアス短編で。 今回の内容が結構痛快でしたから
どんな物語になるのか、非常に楽しみです♪


→→[はなじろ]様・・・【ある少女の日記より】

「親友のつもりだったんだけど〜」…確かに悔しいだろうなぁ…。
全て通じ合っているはずの友達に対し、自分が無力だと痛感する日々。
まぁ、瑞佳の事情も事情ですけど。
「浩平君がさっさと〜」…なんて自然に名前を出しておきながら、直後に
はっ!…となるこのシーン、かなり気に入ってしまいました♪
そうです。「きっと、明日には」ですよねっ☆


→→[パル]様・・・【おんぶおばけ・・・再び】

浩平〜〜〜〜! 後ろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
…はっ! 以前と同じ感想を書いてしまった!(笑)
確かに浩平はみさき先輩の姿を目では確認していませんね…。
う〜ん…後書きでおっしゃっている通り、これは確かに「怪談」かも。


→→[矢田 洋]様・・・<私信>

あ、修正なさいましたね♪
それにしてもこの掲示板で川上さんの名が出ますとは。(笑)
川上さんはこのSSコーナーでは一回だけ投稿なさったんですよ。
もちろん替え歌で。(笑)
ええ…そりゃもう、昔の話です……。(遠い目・笑)


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<ご挨拶>


え〜と、今日知ったことなんですが、しばらく端末室が閉じるらしいです。
…とまあそういうわけで、当分の間お別れです。(やけにあっさりしてるな…)

また今度(2〜3週間後)皆様にお会いできる日を
心より楽しみにさせていただきます。(深礼)

では、最後に一曲……


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<暑中見舞い(?)>


(似たようなのを観たコトがある人もいるでしょ? でもこっちが元祖よ♪)


SS 
(ヤングマン<Y.M.C.A> : 西城秀樹)


SS さあ書き込もうぜ
SS ネタ絞り出そう
SS みんなが待ってる 君の投稿を

SS ほら見えるだろう
SS この掲示板に
SS ズラリと並んでる力作陣

素晴らしい
ショートストーリー サイドストーリー
憂鬱など吹き飛ばして
今日もアイデア練ろう
そうさ
ショートストーリー サイドストーリー
今のうちさ
書きたい物語(こと) 何でも書いて行こう


SS 届いているかい
SS 俺の小説が
SS 面白いはずさ 読んでみてよ

SS ネタがあるならば
SS 戸惑うことなど
SS 無いはずじゃないか すぐに書こう

素晴らしい
ショートストーリー サイドストーリー
ギャグ物でも シリアスでも
何でも書けるのさ
そうさ
ショートストーリー サイドストーリー
連載物 パロディネタ
君も書き込もうぜ


SS 創作の日々は
SS ほら楽しいだろう
SS 思い出になると思わないか

SS さあ頭ひねり
SS キャラ思い浮かべ
SS 描くぞその名は 二次創作

素晴らしい
ショートストーリー サイドストーリー
憂鬱など吹き飛ばして
今日もアイデア練ろう
そうさ
ショートストーリー サイドストーリー
今のうちさ
書きたい物語(こと) 何でも書いて行こう


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それでは、失礼いたします★

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