一方その頃…広瀬(第23投稿) 投稿者: WTTS
<はじめに>

@このSSってナニモノ!?

俄かには信じ難いでしょうが、『ONE本編七瀬シナリオにおける広瀬真希』
を綴っております。 毎回言ってますが、聞きなれない名前の女子数名は
本編で折原が言うところの「取り巻き連中」ということでお願い致します。(礼)


A今回の内容について著者よりひとこと

俺の心の中では、佐織は『稲木佐織』(小説版ONE第1巻参照)です。
何故かというと…語呂が気に入ってしまったんです。(笑)


それでは、今回で「第9話」となります。(礼)


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<12月4日>


(その1)


朝。
いつもと変わらず、一人で学校へと向かう。
もうすぐで3年目に入る通学路を進みながら、私はさっきからある一つの
ことばかり考えている。


『どうして私は……こうも七瀬さんを意識しているのかしら……?』


昨日の放課後、突然浮かび上がった疑問。

そう、七瀬さんが転入してきてから昨日までの四日間、
どうもあの子の行動が気になってしょうがない。
ううん、正確には、『七瀬さんは猫を被っているんじゃないか?』っていう
疑いを持ったときからよね。

結局、彼女は本当に猫を被っていて……確かに、いくら転入生とはいえ
クラスメートのみんなに対して自分を偽っているってことに関しては、
私はあまり…というか、全くいい感情を持っていない。

でも、それならそれで、七瀬さんに直接一言、南森くんいわく「姐御肌」ってやつで

「ねぇ…自分をさらけ出せる相手が折原くんだけってのは、どうかと思うわよ?」

な〜んて、余計なお節介の一つでもかけてみれば、おそらく解決できちゃうわよね…。

思い起こしてみるとこの四日間、盗み聞きをしたり勝手に自己嫌悪に陥ったりで、
どうも消極的な行動が目立っているのよね。

人気投票の件にしたってそうよ。
いつもの私なら、折原くんにはその場で、

「ちょっと! 自分が何やってるか、わかってんの!?」

…とか一喝しているはずだし、
七瀬さんにだって、呼び出したりなんかして、

「ひがんでるわけじゃないけどさ、真っ向から勝負してみようよ…」

ってな感じで一件落着! ……よね、多分。

………………。
不思議なのよね。
あの時は、こんなことを言いになんか行かなかったのはもちろん、
こういう解決策を思い浮かびもしなかったんだから。

自分でもわかってる。 今ここでこんなことを考えていても、
いざ七瀬さんの姿を見ると、また一人勝手にムカつくだけなんだろうなって。

じゃあ折原くんに何も言う気が起きないのは……?
その理由は簡単。 私にとって今の彼は、「七瀬留美のおしかけマネージャー」
という程度にしか映っていないから。 私の意識の中で、『七瀬留美』に比べて
『折原浩平』という存在があまりにも小さすぎるから。

広瀬「…………」

思わず歩が止まってしまった。

広瀬「ひょっとして……」

我ながら馬鹿馬鹿しい結論を考え付いてしまったものだわ。

広瀬「何だかんだ言って、私、七瀬さんと…友達になりたいんじゃ……」
??「そこでブツブツ言っているのは、真希ちゃんかな〜?」
広瀬「うわっ」

びっくりして後ろを振り返ってみると、稲木さんがこっちに向かって
歩いてきていた。

佐織「おっはよっ」
広瀬「あ、おはよう。 …って、あんた、家こっちだったっけ?」
佐織「ううん、そこの商店街の文房具屋にちょっと…ね」

彼女が私の隣に並び、そして二人一緒に歩き始めた。

稲木さん……ウチのクラスの女子の、もう一人の『リーダー格』。

南森くんいわく、「人徳の佐織・指導力の真希」ということらしい私達の
ツーショットというのは、見る人が見たら相当圧巻なのかも知れない。

佐織「そういえば、真希ちゃんさ…」
広瀬「うん」
佐織「今年のクリスマス、どうするの?」
広瀬「ん〜、26日から淳子たちとスキーに行くから、あんまりハデなことは
しないかな? 金銭的にも」
佐織「ふ〜ん……。 よかったらさ、私らと一緒にやらない?
もちろん、佳奈ちゃんたちにも声かけて」
広瀬「……」
佐織「どうかな?」
広瀬「どうも何も、そういう誘いは素直に受けるのが私の主義よっ」
佐織「よし、決まり! いや、実はね……真希ちゃんこの前、『食事会』を
開いたでしょ? あれ、かなり私のツボだったのよ…」
広瀬「あ、じゃあいっそのこと、クラスの女子全員に声かけようか」
佐織「さっすが真希ちゃん、話が早いね。 もちろん、そのつもりよ」
広瀬「じゃあ場所とかどうしようか…」
佐織「場所は私の家、去年もウチでやったからね」
広瀬「ってことは、特に準備が要るわけじゃないのね」
佐織「そっ。だから実際にみんなに声をかけるのは、テストが終わった後で十分かな」
広瀬「わかったわ」

稲木さん主催のパーティーは盛り上がるって、男女問わず専らの評判だから
今年のクリスマスは例年になく楽しく過ごせそうね…。

佐織「でも、ま、女子全員はムリかな〜? なんて思うところもあるけどね」
広瀬「そりゃあねぇ。彼氏いる子とかは難しいかもね。 麻実みたいに」
佐織「あ、ねぇねぇそういえば、ポニ子ちゃんって彼氏いるの?」
広瀬「それがね、『バイト先があやしい』っていう以上の情報は何も……」
佐織「彼女も結構、『謎』なんだよね〜」
広瀬「ウチのクラス、まだまだ奥が深いってことよ」
佐織「ふふっ、全くその通りだわ」

それからもクラスメートの話題で大いに盛り上がったまま下駄箱に到着して、
上履きに履き替えた。

佐織「あ、そうだ真希ちゃん、一つ訊いていい?」
広瀬「ん?」
佐織「七瀬さんと仲良くなる気、ある?」
広瀬「……………………………どうして?」
佐織「ん〜、何となくね、七瀬さんと真希ちゃんって、ウマが合うんじゃないかなって」
広瀬「そんなこと……」
佐織「もちろん『ウマが合う』って言っても、加山さんほどじゃないと思うけど」
広瀬「…………」

何を根拠にそう思うのか、はっきり言って見当もつかない。
でも、稲木さんは決していい加減な気持ちで言ったんじゃあないと思う。
正直、私自身にも否定しきれないフシがある。

広瀬「ま、そのうち考えてみてもいいかもね」

…なんて曖昧な返事をしたところで、教室に到着した。




(つづく)



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<感想>


→→[ゾロGL91]様・・・・【Juvenile K−2−】

この「人違い」が今後どんな影響を及ぼすのか…。
何にしても今の繭は危機感ゼロですね。(苦笑)
澪も『追われてるの、多分』なんて書くあたり、事情はよく
わかっていなさそうだし……次回以降、楽しみです。


→→[WILYOU]様・・・・【鍵】

赤上さん、牛乳まで勧められといてよく平気でしたね。
いくら麻薬にしても、このトリップの仕方は異常すぎるのでは?(笑)
邪悪な牛乳部の活動を停止させる意味でも、彼女のとった行動(施錠)に拍手!!(笑)


→→[ケット・シー]様・・・・【終わらない日常 〜折原浩平〜】

降り止まない雨は浩平の心……か…。 文字どおり泣いているわけですね。
少女の笑顔に長森の顔がオーバーラップするシーンがとても好きです♪


→→[Matsurugi]様・・・・【真夏のONE Phase#1】

どうもこの澪は心を閉ざしてしまってるみたいですね…。
果たして浩平の献身(?)は報われる日が来るのか?
住井ほか、男連中とはあんまり仲が良くなさそうですね。(苦笑)
画家のおじさんの素性も気になります…。


→→[どんぐり]様・・・・【今を奏でるピアノ 2】

かつてイヤというほど通いつめた(お見舞いで)病院で再び一波乱が…?
美菜子さんにこんな過去が…そして容体はっ!?
三人がかりで美菜子さんの命を救ったというエピソードが涙を誘います…。


→→[ひさ]様・・・・【終わらない休日 第10話】

「プーを返してほしいと言われても〜」……その気持ち、わかります。
それにしても、長森家って案の定というか…猫が『うじゃうじゃ』なんですね。(笑)


→→[雀バル雀]様・・・・【苺しぇいく! 7】

いや…俺は好きなんだけど、今回はやけに過激な単語が飛び交ってるね。(笑)
「レディ達」のPELさんといい、こんかいのはにゃまろさんといい、
如何わしい店の店員といい、取り巻く環境が面白いっす♪
そして、SOMOさんの目的とはっ!?


→→[Sasho]様・・・・【Everlasting Days 〜終わらない日常〜 1】

そうじゃないかとは思っていたが、やはりこの二人の朝は入学したときから
こんな感じ…というか、中学から何も変わってなかったんですね。(笑)
それにしても、長森を盾にするのは確かに酷い。七瀬と違って頑丈じゃ
ないんだからもっと優しくしてあげないと。(笑)
続き、楽しみに待ってます♪


→→[狂税炉]様・・・・【アルジーの野望 1】

ぎゃ〜〜〜〜〜〜っはっはっはっはっはっは!! これ面白すぎ!!
この、人を小馬鹿にしたような口調もグッド!!
七瀬の、内に秘めたる殺気をも見抜くとは さすが王族!!(笑)
今後の展開に期待です♪


→→[神凪 了]様・・・・【アルテミス 第三十四話】

澪のリボンについての精神的外傷(トラウマ)…一種の自己防衛本能
だったというわけ……か? 茜が澪を陵辱しているシーンは、個人的には
少々キツかったです。


→→[北一色]様・・・・【BLUE LEAF 9】

南が日に日にトリップしていってるなぁ…。(苦笑)
しっかし…詩子との一件以来、情けないのが目立ちまくってる…。
確かに、スパイ候補がこんなメンツなら、南が一番無難かな。(笑)
深山先輩…あなたまで壊れてしまったらツッコミ役があっ!(砕)


→→[犬2号]様・・・・【A棟巡回員の怠惰なる日常・3】

わかるわかる。 確かに男だけで集まったら自然と話題がそっちに
向かうんですよね。(笑) BC棟の職員が鎮痛剤や異薬をよく
摂取するっていうエピソードは、かなり信憑性があって
思わず肯いてしまいました。


→→[風来のももも]様・・・・【浩平無用! in絆<最終回>】

完結おめでとうございますっ!!(祝)
沙夜香と住井との戦いから、ゲートの外で刃を合わせる浩平と住井、
全てが終わって、『本来』の時間で浩平が産まれて…そしてエピローグ…
特に出産のシーンでは思わず目頭が熱くなりました!!
「写真に写っている家族4人の笑顔」……くうっ!(涙)


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それでは、失礼いたします★

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