一方その頃…広瀬(第19投稿) 投稿者: WTTS
(もはや恒例…?)

聞きなれない名前(かつ、補足説明なし)の女子は、広瀬の友人
すなわちONE本編で折原が言うところの「取り巻き」という
ことでお願いいたします。(礼)
まぁ、今回は一人しか正式に登場しませんが。


(前回の大まかな あらすじ)

遂に開催された「人気投票」!
ひょんなこと(死語)からそれを知ってしまった広瀬!
更に彼女は、折原が七瀬に「あの紙」を渡すところを目撃してまう!
かくして今日【も】広瀬は、折原と七瀬の動向を監視(?)することになる…。

今回で、「第7話」となります。


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<12月3日>

(その2)





折原「ほんとうに実施される。そして順位がずらぁ〜っと並ぶんだろうな」

とりあえずは、当たり障りの無いことを教えているわね。
いや、それでも十分反則であることには違いないんだけど。

七瀬「あぁーっ、知らないでいればよかった、こんなことぉ…」

だったらこんなことまでして聞き出さなければいいのに…。

七瀬「つまり、男子の理想となる女性を決めるってことでしょ?」

…それはちょっと飛躍し過ぎてるんじゃないの?

七瀬「はぁーっ、気になる気になる…」

まさか自分が『主役』だなんて夢にも思ってないわよねぇ…。

七瀬「あのさ、現時点での順位とか…わかるかな…?」

ねぇ、ちょっと、七瀬さん…?
それ以上は、あなたが首を突っ込んではいけない領域よ…!

七瀬「いいから、お願いっ」

良くないわよ!
折原くん、あんたも男子の一人なら何とか言ってやりなさい…!

折原「まぁ…住井の奴に聞くだけだからな…。ちょっと待ってろよ」

くっ…何て奴なの!?
あの紙をわざと見せたわけじゃなさそうだけど、
それをも上回ることをしようとしているわ…!

七瀬「あはっ…ごめんねっ」

もう私は堪忍袋の緒が切れた。
あの二人にガツンと言ってやるわ!

私は、住井くんの方へ向かう折原くんを追いかけた。

広瀬「ちょっと、おりは…」
??「真希っ!」
広瀬「ぐっ…」

突然、誰かに腕をぐいっと引っ張られた。

広瀬「よ、佳恵…! 何なのよっ!」
細田「真希、一生のお願いっ!」
広瀬「な、何よ…」

よく見てみたら目が真剣そのものだわ。
一体何だっていうのかしら…?

細田「真希って確か、古文のあんちょこ持ってたでしょ? それ貸して! 今すぐ!」
広瀬「どうして急にそんなもの…」
細田「今日の3時間目、現代語訳で私の列が当たるのよっ!」
広瀬「ああ、確かそうだったわね」

次の英語の時間に『内職』をするつもりらしい。
ちなみに今話に出た『あんちょこ』、とても貴重品で15人に1人の割合でしか
持ってる人がいないのよね。

広瀬「でも悪いけど、私は今忙しいの。潔く諦めて去年みたく
『わっかりませーーーん、でへへぇっ!』とでも言って切り抜けなさい」
細田「えっ? ど…どうしてそれを!?」
広瀬「……麻実から」
細田「麻実ったら〜〜〜〜〜っ…」
広瀬「そういうわけだから、じゃあねっ」

私は、ちょうど住井くんと話を終えたらしい折原くんのもとへと歩き出した。

広瀬「ちょっと、おりは…」
細田「あん、待ってよ真希〜」
広瀬「ぐぅっ…!」

今度は後ろから襟を掴まれ、引っ張られた。

広瀬「けほっ、けほっ! ……あ、あんたねぇ〜」
細田「だったら話は早いわ。 去年そういうことがあったから私、
あの先生に目ぇ付けられてるの」
広瀬「そりゃま、そうでしょうね」
細田「あの先生、決められた予習をして来ない生徒には容赦無いのよ…」
広瀬「……」
細田「それに、『1人くらい、古文が原因で落第する奴がいてもいいよな』なんて
とんでもないこと言ってたし…」

(あの先生なら、やり得るわ…)

細田「今日の授業でトチッたら私、本当に…」
広瀬「あ〜もう分かった! 貸すわよ、貸す!」
細田「えっ? 本当っ?」
広瀬「私だって、親友のうちの1人が落第だなんて寝覚めが悪いからね。
……はい、ロッカーの鍵よ」
細田「わぁっ♪ 真希ありがとう! だから好き!」
広瀬「あのねぇ…」

すぐさま彼女は私のロッカーから本を取り出すと、さっそく内職に取り掛かった。

広瀬「さてと…」

(あの二人と話を付けなければいけないのよね…)

私は、まだ折原くんと七瀬さんが話をしているであろう
廊下に向かって歩き出した。

キーーーーンコーーーー…

広瀬「う…くっ…」

教師「ほら、始めるぞ。全員席につけ」





休み時間。

(今度こそ あの二人に一言言ってやらなきゃ…!)

私は机に手をかけ、椅子から立ち上がろうとした。

??「ようっ、広瀬っ」

突然ある男子生徒が、前の席の椅子を跨ぐようにして座り、
私の机に片肘をついて話しかけてきた。

広瀬「ん? …何よ、南」

彼は 南 明義。
住井くんと双璧をなす、このクラスの男子の中心的存在ね。

南「御堂から聞いたよ。人気投票のこと、知ったんだって?」
広瀬「…まあね」
南「まあ名目上は七瀬のために開催されたような形だけど、
みんな特にそんなこと気にしてはいないようだな」
広瀬「へぇ…そうなの?」
南「ああ、まだ10票弱しか集まってないけど、女子の名前は5つもある」
広瀬「なかなか混戦模様じゃないの。私はてっきり長森さんと七瀬さんの
一騎討ちかと思ったわ」
南「う〜ん、もっと票が集まってくれば、そうなっちまうことも考えられる」
広瀬「それにしても、締切りが『明日』ってどういうことよ?」
南「へっ?」
広瀬「もっとパッパッと決めらんないの?」
南「おいおい、無理言うなよ。 別にみんなルックスだけで票を決めてる
わけじゃ無いんだぜ?」
広瀬「……」
南「ルックスももちろんだが、気品・頭脳・性格などなど、8ヶ月も顔を
合わせているとはいえ、これらを再考慮するには せめて2日は欲しい!」
広瀬「…そこまで厳正だとは思わなかったわ」
南「こういうことは、いい加減にやっちゃ面白くないだろ」
広瀬「ふふっ、否定はしないわ」
南「それにだ。 今回の人気投票、何故かみんな異様に燃えているんだ」
広瀬「いつも燃えてんでしょ、あんた達は」
南「ははっ、まあな。 とにかく、投票する方もされる方も
正々堂々とやってもらいたいもんだよ」

(正々堂々…か…)

南「だから広瀬、このことはくれぐれも他の女子には…」
広瀬「当たり前でしょっ!!」
南「うわっ! そ、そんなムキにならなくてもいいじゃないか…」
広瀬「ご、ごめん…。 とにかくこの広瀬真希、クラスメートの
信用を裏切るようなことはしないわ」
南「ふっ、そういえばそうだったよなお前は、昔から…」
広瀬「ところで南は誰に入れるの?」
南「当ててみろ。2回チャンスをやる。ちなみに七瀬でも長森でもお前でもない」
広瀬「じゃあ…………赤上さん?」(※1)
南「違う」
広瀬「……ポニ子ちゃん?」(※2)
南「それも違う。まぁ後で投票結果を住井にでも見せてもらってくれ。
俺のを含めて3、4票は入っているはずだ」
広瀬「ふ〜ん…」

キーーーーンコーーーー…

南「おっと、それじゃあな」
広瀬「……」

細田「あ、真希ありがとう、助かったわ。 はい、これ」
広瀬「あ、うん…」

…………。

(ちょっと……長く喋りすぎちゃった……わよね…?)

…………。

教師「うら〜! 席につけっ! 単位やらんぞぉ〜」

(………………ま、いいか)

そして3時間目が始まった。




(つづく)



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(※1) 赤上さん

廊下側から3列目、最前列の席の女の子。
教壇の真ん前の席と言った方が判りやすいか。
成績は超優秀。学年でもトップ10に入る。
しかし、現国(特に漢字)だけはどうしても苦手らしい。


(※2) ポニ子ちゃん

黒板を正面にして右端、最前列の席の女の子。
つまり赤上さんの右側の隣の隣。
青い髪のポニーテールが眩しい。
『ポニ子』というのはもちろんニックネーム。
ちなみに名付け親は広瀬。

「これからよろしくね☆ ポニ子ちゃん!」
「うわ、それって安直すぎない?」
「じゃあ、『ホーステール』のホス子ちゃん」
「……ポニ子でいい」

現在では、なかなか気に入っているようだ。


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<初めまして感想>


→→[シン]様・・・・【俺が悪かった】

「熱湯入り鍋」がバシャアッって、それは生命に関わるのでは!?(笑)
「服が増えている」…それだけの服を用意できる瑞佳って一体!?
「俺おろし」…もうただただ爆笑です♪
果たして旅立った浩平は、たとえ絆があろうとこんな世界に戻りたいと
思うのであろうか!?(笑)


→→[由代月]様・・・・【佐織 vol.2】

瑞佳、よく失神しなかったよな…。(笑)
「縄を先に外さないと〜」にはハマッってしまいました。
今でも思い出し笑いが♪ うぷぷ。
七瀬、素っ気無い…仕方ないか。(笑)
ラストの佐織のセリフも気になりますし…続きを心待ちにしてます♪


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<あとがき>

あちゃ〜、「漢字テスト」まで届かなかった…。(懺悔)
【広瀬の解答・募集!!】…って、ダメですよね。(笑)


それでは、本日はこの辺りで★

『刑事版』へ、ZAP!!

http://cgi-space.to/~sin/bbs4/gagaga/denju.html