ある日の長森瑞佳さん 投稿者: 11番目の猫
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この物語を…すべての長森ファンと…
DTKの皆様と…
SSコーナーの読者に…捧げよう…
                          by 11番目の猫
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「ある日の長森瑞佳さん」


うーん、今日はよく晴れてるよ…
絶好の結婚式日和だよ。

一週間前のある日、それは届いた。
結婚式への招待状。
浩平と、あの娘の結婚式。

もう、10年になるんだね…
浩平ももう27才だよ。
いつかこの日がくるの、わかってたもん。

浩平がどこにもいなかった一年間。
あの娘を除いて、みんな浩平を忘れていた一年間。
わたしも、浩平を忘れた一年間。

うん、きっと幸せになれるよ。
ただ一人、浩平の事を覚えていた女の子だもん。
浩平が、一番側にいたいと願った女の子だもん。

大学に進学して、わたしと浩平は別の街に暮らしていた。
それでもついつい休みの日には、浩平の部屋に訪ねていった。
長森 「ほらぁーっ!起きなさいよーっ!」
浩平 「日曜日ぐらいゆっくり寝かせてくれ…」
長森 「もうお昼だよーっ!」
何度となく繰り返された会話。
多分、もう二度とすることのないだろう会話。

ここしばらくは浩平の世話しに行ってなかったな…
最後に一回くらい、行ってあげようかな…
だめだよ、瑞佳。
あそこにはもう、あの娘がいるんだから。

鏡台に向かって、化粧をする。
家にある一番のよそ行き用の衣装に身を包む。
鏡をみて、笑う。

この女(ひと)、誰なんだろ?
化粧をして、ぴっしりと衣装をきめて…
満面の、だけどどこか不自然な笑顔でいる…
瑞佳だよ。
これが今日の、長森瑞佳さんだよ。

教会で。
主役の二人は幸福と緊張を。
それ以外のみんなは様々な感慨と少しの退屈を。
それぞれに感じながら結婚式は進んで行く。

もっと笑わなくっちゃ…
もっと幸せそうな顔でいなくっちゃ…
今日は、浩平の一生の記念日なんだよ。
わたしにとっては…やっぱり忘れられない日かもしれないよ。

宣誓。
牧師 「折原浩平、汝、病める時も健やかなる時もこの女と共に在ることを誓いますか?」
浩平 「はい、誓います」
牧師 「○○○○、汝もこの男と共に在ることを誓いますか?」
○○ 「はい、誓います」
指輪の交換。
そしてキス。

あ…
今、浩平はあの娘のものになったんだね。
今、あの娘は浩平のものになったんだね。
イタイ。
浩平の笑顔が、痛い。
イタイ。
あの娘の笑顔が、痛い。

「これからはわたしがずっと側にいてあげるよ」
わたしね…
あの時からずっと浩平のものになりたかったんだよ。
ほんの少し自覚してくれたら、それだけでよかったんだよ。
一度だけ、冗談で言ってくれた事があったね。

「長森、オレと付きあってくれ!」って。
ほんとはね。
わたしあの時うん、て答えたかったんだよ。
冗談だってわかっていても、答えたかったんだよ。

「うん…いいよ…」って。
あの娘よりわたしを見ていてくれたなら。

あはは…
わたし、今更何考えてるんだろ。
でも、やっぱり本当のことだよ…

「ちょっと瑞佳、大丈夫なの?なんかすごく苦しそうよ」
「あ…ごめんね、佐織。少しボーッとしただけ」
「本当に…大丈夫なの?」
「うん…」

ほら…
どこまでも続くお花畑の中に。
どこまでも伸びる一本の白い道があるんだ。
そこをね。
わたしと浩平がずっと歩いていくんだ。
時々花を摘んで。
少し疲れたなら膝枕してあげるよ。
…抱きしめて髪をなでてくれたらすごく嬉しいな。

そこではね。
二人ともとても幸せそうに笑ってるんだよ。
ずっと、ずっと、わたしは浩平のもの。
ずっと、ずっと、浩平はわたしのもの。
…
カナシイ。
浩平の笑顔が、悲しい。
カナシイ。
わたしの笑顔が、悲しい。
…
それはあとほんの少し手が届かなかったもう一つの世界なんだよ。
今ではもう、どんなに背伸びしても現実になり得ない世界なんだよ。

ごめんね…瑞佳。
わたし、こんなに浩平が好きだったんだ。
こんな世界を夢見るほど好きだったんだ。

あ…今浩平と目が合っちゃった…
それはほんの一瞬だった。
浩平は何も気付かないかのように笑って通り過ぎていった。

ごめんね…浩平。
こんな笑顔しか出来なくてごめんね…
引きつりそうな笑顔のまま、声を立てずに泣いている女でごめんね…

だから、わたしは独りこの場所から居なくなるよ。
「あるよ」
みんな、幸せにね…
「ここにあるよ」
わたしはあのお花畑に行くんだよ…
「えいえんはあるよ」
わたしはそこで幸せな…はず…だ…もん…

*     *     *     *     *		

浩平 「ただいま〜」
○○ 「お帰りなさい…あ・な・た」
声 「にゃ〜」
○○ 「あら?なに、この小猫?」
浩平 「部屋の前に落ちてた」
○○ 「落ちてた…ねえ…」
浩平 「なぁ、こいつ家で飼ってもいいか?」
○○ 「珍しい事言うのね、浩平にしては」
浩平 「なんか、妙に俺に懐いてるんだよ」
浩平 「ほら、こうすると…」
浩平が座ると、小猫は浩平の膝の上で幸せそうに丸まって寝はじめた。
○○ 「珍しい種類の猫ね」
浩平 「…それに、こいつを見てるとなんか忘れた事があるような気がするんだよな」

それは昔、いつも一緒に居た猫好きの少女の記憶。
いつでも浩平が想うよりは浩平を想っていた女の子の記憶。
幸福であるために消えなければならなかった女(ひと)の記憶。

…ワタシ…ダレダッタッケ…
…ワタシ…ダレヲ…サガシテタンダッケ…
…ココ…スゴク…アッタカイナ…
…ダレカニ…ヒザマクラ…サレテルミタイ…
…ズット…ココデ…ゴロゴロデキルト…ウレシイ…ナ…

fin.
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瑞佳はいいねぇ。
あのHシーン、まったく浩平を拒んでいないところが花丸ね。
愛だよ。愛。

浩平のものになるっていうのはHするってだけの意味じゃないですよ。
運命を浩平と分かち合うってことですよ。

好きだった(今でも好きな)人の結婚式にでるってどんな気分でしょうねぇ。

七瀬 「と・こ・ろ・で…」
は!
七瀬 「どうして結婚式の描写があんなに手抜きなのよ!」
ぎくぅ!
七瀬 「乙女の一生に一度の晴れ舞台よ!」
いや、複数回やる人だっているぞ。
七瀬 「うるさいわ、このボケェッ!」

…しばらくお待ちください…

みさき 「あのね、澪ちゃん」
澪 『はいなの』
みさき 「作者の猫さんね、今までに一度しか実物の結婚式を見た事がないんだって」
澪 『…かわいそうなの』
みさき 「だから、礼服の名前とか、式の手順とか、本当に知らないんだって」
澪 『調べればいいの』
みさき 「考えてみれば、そうだね」
澪 『やっぱり手抜きはいけないの』

と、いうわけで思いっきり適当です。
雰囲気だけで勘弁してください。
もしかしたら、書き直すかもしれません。

茜 「…とっても嫌です」
ぐさぁっ!
七瀬 「偉そうに書くんじゃないわよ!」
ばきぃっ!

誰か、僕と結婚式を挙げてくれる人募集中。
できたら瑞佳みたいな娘が…

七瀬 「いい加減にしくされぇ!」
どかどかどかばきばきばきっ!

ふう、では感想…と思ったけど、ここでもフレームですか。
ここはSS、および感想の掲示板ですからね。
別に批判的な感想があってもいいとは思いますが…
「イメージを損なうからもう書かないでくれ」ですか。
どないしろっちゅうねん。
「理由はよくわからないがとにかくどこをどう見ても気に入らない」、
という状態なら理解できない事もないですが。
しかし「書かないでくれ」といかにも当然の権利のように主張しちゃまずいですよ。
「幼なじみの運動会」での瑞佳のイメージはかなり原作に近いと思っています。
…すくなくともわたしはね。

>神野龍牙様
茜に新しい出会いですか?(最後のセリフ、浩平だったらごめんなさい)
運命は繰り返すものなんでしょうか、それとも今度こそ幸福になれるんでしょうか。

>よもすえ様
いいなあ、このすけ(−ぷごーと)さん、とかく(恋慕)さん。
こういう表現、とても真似できません。

うん、やっぱりどんな感想でもいいから書いてくれると嬉しいな。
根本的に自己満足のために書いている猫でした。じゃね。