ここはホテル街。
そして、オレ達がいるのはラブホテル「MOON.」の前。
オレはこれからの展開に想いを馳せながらホテルの方へ向き直ったその時、
後ろからオレを誰かが引き止めた。
「折原、これはどういうことだ?」
オレがあわてて後ろを向くと、そこには何故か女装した住井と南が立っていた。
(………何だ?あの格好は………)
住井はブロンドの長いお下げのかつらをつけている。
それにうちの学校の女子の制服………。
(………茜の変装か?)
南もまた、うちの学校の女子の制服を着込んで、茶髪のロングヘアーのかつらをかぶっている。
(………もしかして………長森?)
長森が必死で弁解する。
「いっ、いや。こっ、これはね、住井君………」
どうやら、気が動転して二人の格好には気が付いていないらしい。
そこに住井がオレの方に詰め寄ってくる。
「どういうことなんだ?」
(………やばい、目がマジだ。
とても冗談が通じるようには見えない………)
「そっ、そんなことより、南、住井………何だ、その格好は?」
オレがそう言ってやると、ようやく南と住井は自分たちの格好に気づいたらしい。
「!! いっ、いやっ、これはだな………」
「違うんですよ、長森さん! そんな、南に長森さんの変装させて告白させたり、
二人でホテルに入ろうとしたりなんて事は全くないんですよ」
「ばっ、バカ、住井」
(全部喋っちゃてるぞ、住井………)
(………コスプレだけじゃなく、ホモの気もあったのか………)
「………ほ、本当なの? 住井君………」
長森が信じられないと言う表情で住井に聞く。
「ちっ、違うんだぁぁぁ」
住井が必死に弁解しようとする。
が、オレはそんな隙与えず、さらに問いつめる。
「どう違うんだ? 住井、南」
「あっ、うっ、そっ、その………」
「くっ、南、一時撤退だ」
そう言うが早いか、住井が駆け出した。
「おっ、おい、待ってくれよ」
少し遅れて南が住井の後を追う。
修羅場をくぐり抜けたオレ達に涼しい風が吹く。
「………何だったんだ?」
「……………」
あまりの出来事にあっけにとられている長森。
「それじゃ、邪魔者もいなくなったし、長森、ホテルに入るぞ」
「………やっぱりやめようよ、浩平」
「………澪を助けるためだろ?」
そう言ってやると長森は仕方ないと行った表情でうなずく。
「………………うん」
「でっ、でも、澪ちゃんを捜すためだからね」
そう言って念を押す。
「わかってるって。さあ、オレと一緒に新たな人生の第一歩を踏み出そうじゃないか!」
そう言い、長森の手を取りオレ達はホテルに入っていった。
つづく
<リレーSS 第17回・完>
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どーも。Sashoです。
通算7回目の投稿は、あのリレーSSです。
ちょっと短めですが、キリが良いので投稿します。
ぜひ、続きを書いてください。
「Everlasting Days〜終わりなき日常〜」なんですが、
当初は週2回のペースで投稿していこうかと思っていたのですが、
遅筆のため、なかなか投稿できないでいます。
がんばってもっと早く投稿できるように頑張ってますので、
応援、よろしくお願いします。
それでは、また。