「なぁなぁ、七瀬」 授業中、後ろの席の折原が声を掛けてくる。 「何よ?」 いぶかしげに振り向いた私に、折原は妙なことを言った。 「オマエ、孤独だろ?」 「はぁ? 何言ってるの?」 ため息混じりに言う私。 折原は、続ける。 「数字では、7だけが孤独だろ?」 「7? 7って、数字の?」 「ああ」 見ると折原は文庫本を横目に説明する。 「数字の1〜10を二つのグループに分けて、掛算してみるんだ」 「其れがどうしたの?」 「そしたら、二つの積は等しくなると思うか?」 いきなり、何を言い出すかと思ったらそんなことか。 でも、面倒なので計算はしないでおく。 「…さて、どうなる?」 「どっちでも良いでしょ」 「馬鹿だな、七瀬は」 …ちょっとムカついた。 折原はそう言うと、又、文庫本のページをめくる。 「等しくはならないんだ」 「ふーん……そうなんだ」 「なんでかわかるか?」 「別に。興味ないし」 「七があるからだよ。七は孤独な数字なんだ」 「あそう」 折原は其処まで言い終えると、満足げに本を閉じる。 そして指を一本立てると、言った。 「オマエ、友達いないだろ」 「なっ…なななっ、なんてこというのよっっっ!!!」 「図星だろ」 「ちっ、違うわよっ!! 大体、何を根拠にそんなこというのっ!!」 「七は孤独だから」 「くっ……」 折原の無茶苦茶な話に、一瞬と惑う私。 私は通りかかった瑞佳に助けを求めた。 「ねぇっ! 私達、友達よね?」 制服の袖をつかみ、そう尋ねる。 「………え?」 困ったような表情で固まってしまう瑞佳。 「ホラな。七は孤独だ」 勝ち誇ったかのような折原。 「だっ…誰かっ!! なんとか言ってやってよっ!!」 私は近くに固まって話していたグループに声をかけた。 「…独りは、孤独だよね」 「孤独は、七だよな」 「七は、数字でしょう?」 「いや、七は七瀬さんの七だよ」 「じゃぁ、七瀬さんは孤独なの?」 「まぁ、友達がいないしな」 「其れもそうよね」 結論。 『七瀬留美には友達がいない』 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 おいっすっ。 PELSONAッす。 解る人には解るという自己中心的なSSを量産している奴ッす。 では、今日はもう消えるッす。 また、気が向いたら読んで欲しいッす。 http://www.grn.mmtr.or.jp/~pelsona/mask/index.html