昼休み。 「浩平」 「んっ?」 もぎゅ。 「はい。ワッフルです」 ぐいぐい。 「ふぁふぁふぇ。ふぃきふぁりくふぃにふぃれふな」(訳:茜、いきなり口に入れるな) 「ほら、遠慮せずに」 ぐいぐい。 「ふりゅふぃふぃってば、ふぁかふぇぇーー」(訳:苦しいってば、茜ぇ」 「ホラ、早く飲みこんでください。早く」 もぐもぐもぐ。 「どうですか? 甘いですか?」 ごっくんっ。 「茜ぇっ! いきなり口の中にワッフルを入れるなぁっ!!」 ぐあ……口の中がむちゃくちゃ甘いぜ… 「で、どうでした?」 「むちゃくちゃ甘かった。後、いきなり口に入れるな」 茜は一瞬、指を唇に当てると言った。 「其れは現実ですか?」 「へっ?」 現実? どう言う意味だ? 「実は浩平が『甘い』と感じているのは錯覚なのです」 「錯覚…っていうか、甘いぞ。実際」 「解ってませんね……」 茜はやれやれ、と言う風に首を左右に振る。 「その『ワッフルの形をしたもの』が浩平の口内に入ったとき、其のデータが計算されるのです。 そして其の度合いに応じた甘さを感じるように脳に特定の電気信号を送る……」 茜は其処まで行ってから俺を見据えると――― 「つまり、現実は仮想現実なのですっ!!!」 びしいっ、と茜が俺を指差す。 と、同時に扉が開き、柚木が現れる。 「茜っ! 其れはマチガイよっ!!!」 「……詩子」 「其れ以前に、『ワッフルなんて無い』のよっ!」 「……そんな…まさか、エージェントスミス!?」 「そう。彼はもうここに気づいているはずよ……」 よく解らんが、茜は間違って居るらしい。 っていうか、スミスって誰だよ、をい。 「時間が無いですね…」 茜は一瞬躊躇した顔を見せるが、すぐに俺に向き直る。 「と、言う訳で浩平」 「な、なんだっ?」 「赤いワッフルか、青いワッフルか選んでください」 後を引き継ぐ様に、柚木。 「赤いワッフルなら貴方に真実を教えてあげる。 青なら―――何事も無かったかのように貴方は永遠の世界行きよ」 ごくり。 俺は一度、唾を飲込むと言った。 「おまえら二人とも病院に行って来い」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 ども、PELSONAっす。 いまさらだけど、マトリックスいいっすよ。 見てないヒトは見るのをお勧めするッす。 http://www.grn.mmtr.or.jp/~pelsona/