「そう言えば、オマエ、確か誕生日だったよな?」 「あ、浩平、覚えててくれたんだ。」 「何かほしいもの……あるか?」 「えーっと……」 長森は唇に手を当てて、宙を見上げる。 しばらく、その状態で考えていたがやがて思いついたらしく、俺を見ると言う。 「贄」 ……はい? 「浩平。私、贄が欲しいなっ」 ……あのぉ、長森さん? 「其れで、聞いたってことは、プレゼントしてくれるのっ?」 ……あのですね、贄ってなんです? 「あっ、でも高いから、代わりに浩平がなってくれても良いよっ」 ……高いのか!? って言うか、俺がなるのかっ!? 「うんっ、決めたっ」 ……決めた? 「浩平が贄になってよっ。」 そして俺は長森の贄になった。 最初は戸惑ったけど、今は幸せだ。 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 いや、なんか誕生日らしいし。 久しぶりに蜘蛛神の音楽聞いたもので、即興で…… っていうか、ここまで意味不明っぽいのもアレですね(笑) -------------------------------------------------------------------------------- BATTLE ROYALE 投稿者: PELSONA 投稿日: 9月27日(月)22時19分 ――10 ほーほーと、梟の鳴き声が聞こえる。ざわざわと、風で木々が揺れる音が聞こえる。ざっ、ざっ、ざっという自分が歩みを進めている音。微かな衣擦れ。肩に掛けたディバッグの中の荷物がぶつかる音。川名みさきは全身の感覚をフルに使い、少しずつではあるが歩みを進めていた。両の手を際限無く動かし、目の前に障害物が無いかどうか確認する。何かに触れると、触ったまま慎重に歩みを進め、手を伸ばさなくて良いほどになると又、前方へ手を伸ばす。其れの繰り返しだ。 みさきは目が見えない。そのことを知った高槻が言った言葉が脳裏をよぎる。 「ん? なんだ、貴様目が見えないのか? 可哀想に、きっと真っ先に殺されるな、おまえ。 せいぜい見つからない様に隅でじっとしてたらどうだ?」 わかっていた。そんなこと。大体、自分の目が見えないからと言って、自分だけ免除されるとも思わなかった。下手に逆らおうモノなら不公平さをなくす為とでも言って、私を殺しかねない。其れは厭だった。そう、死ぬのは厭だ。あの日、視力を失う事になったあの日からこっち、今日まで生きてきたのだ。もう絶望の味はよく知っている。そしてなにより、私には信頼できる友達がいる。幼馴染みの雪ちゃん。普通の女の子と同じように接してくれた浩平クン。浩平君の知り合いの中でも話をするぐらいの人はいるが、自分が絶対的に信頼できるのはこの二人だけだった。大丈夫、大丈夫。あの二人に会えば、きっとなんとかなる。兎に角、そう信じたかった。冷静さを失っちゃダメだ。落ち着いて、ゆっくりと。何度も何度も自分に言い聞かせ、少しずつ少しずつ前へ進む。と言っても、未だあの建物から100メートルも離れてはいなかったが。そしてちょうど其の時、自分のきた方向――建物の方から、一つ、銃声が響いた。ひっ、と僅かに声を上げると、みさきは膝を抱えてしゃがみ込んだ。嗚呼、神様――どうか、どうか見付かりません様に――。 ――11 建物の前の人影を確認してから数十分後。途切れ途切れになってきた呼吸を整える為、浩平は立ち止まった。木々の間に身を隠す様にしてしゃがみこむと、鞄を開ける。そういえばこれの中身を確認して無かったよな、などと思いながらも水の入ったペットボトルを見つけると蓋をひねり、一気に飲み干した。5分の1ほど胃に流し込んだところで口を離す。普段はあまり飲まないけど、水って案外美味いものだな。やっぱ、運動の後だからか? たわいも無いことを思いながら、中身を取り出してみる。水、食料、地図、そしてごつい皮のケースに入っているサバイバルナイフ。ホルダーを外し、ナイフを手に持つと何気なく、木を突き刺してみた。カツッと音がして、2センチほど突き刺さる。ナイフなんて使ったことは無いけど――良い切れ味だ。でも、普通こういうのは相手を刺したほうが良いのだろうか、切ったほうが良いのだろうか。おおっと、普通は人を切ったり刺したりしないよな。でも、こんな場合は普通ってことでオーケイだと思うだろ? 浩平はすぐに使える様に――すぐに、突いたり切ったり出来る様に、だ――皮のホルダーの留め金を閉めずにポケットに押し込むと、地図を見た。 周りを海に囲まれている島の地図。小高い山のようなものが中央付近に位置しており、その麓にバツ印と出発点の文字。どうやら、ここがさっきまでいた建物らしい。其処から離れた方向に集落と言う文字と、無数の○。どうやら是は、民家を指しているらしい。民家に近いほうの山間――山頂を軸とした時の出発点の対象方向――には崖があるらしく、転落注意とまで文字が書いてある。親切なんだか、親切じゃ無いんだか。取り敢えず今の位置を確認すると、行き先を決め様かと地図を除きこむ。――お兄さん、今日はどちらまで? 初乗り料金は540円からですよ? じゃぁ、取り敢えず安全なところまでお願いします。地図無いには安全な所、と言う表示はありませんよ? 安全な所は自分で作るものです。しばらく眺めた後、何処に行っても結果は同じと言う事に気付くと、地図を鞄にしまいこんだ。取り敢えず――取り敢えず、信頼できる奴を探そう。そう、まずは瑞佳だ。あのだよもんなら信頼できる。だよもん星人ならだいじょうぶだもんっ、って何言ってるんだ、俺。ちょっと異常事態で脳がおかしくなって来ているのかもしれない。落ち着け――そう、まずは落ち着くことだ。落ち着いて――だよもんでも探すんだもん。嗚呼、やっぱりダメかも、俺の脳。 ――12 がさっ、と音がして目の前の茂みが揺れる。茜は身を低くすると木の影に隠れた。ここから1.2メートル先。その茂みの向こう側に、誰かいる。相手は、誰? もしも男の場合、見付かったら只では済まされないだろう。生まれ付きの身体能力の差がある。その場合、見付かる前に逃げなくては――。しかし、下手に動いて気付かれたとでもしたら? こんな時――こんな時、どうすれば良いのだろう? 下手に動かずにやり過ごすのが尤も良いか――。茜がそう決意し、息を殺して、自分の存在すらを殺そうとして潜んでいる時、茂みの向こう側に又、動きがあった。しばらくして、「みゅぅ……」の言葉。たしか――たしか、あんな言葉を言うのは浩平と、長森さんが連れてきていた子供? 本当は子供では無いのだが、相手が子供だということで茜は安心した。あの子ならきっと姿を見せても大丈夫だろう。茜はゆっくりと息を吸いこむと、声をかけた。 「あの……」 ――13 「ふう」 ため息交じりに息を吐く。手が汚れてしまっているのを見て、 「はぁっ……」 今度は本物のため息。広瀬真紀はしゃがみこむと、其処にある布で手をごしごしと擦った。なかなか汚れは落ちない。手の汚れ。まぁ、手を汚したのだから当然よね、と、なんとなく、おかしくなる。水を使えば早く落ちるかしら? でも、貴重な水を使うって言うのもねー。皮膚が赤くなるほど擦っても完全にその汚れが落ちないことを悟ると、次は袖に付着した染みを取ろうとした。もう手遅れかもしれないけど、何もしないよりはマシだろう。ああ、其れより服を着替えたほうが早いかしら? 今度は、そのとなりにある布――隣に倒れているヒトの服――を見た。サイズは一緒。服のセンスもまぁ、悪くない。じゃ、こっちに着替えちゃおっかな。真紀はそう判断すると、其処に倒れている友達。否、友達だったものの服を剥ぎ取った。 ――14 「ねぇ、真紀。是からどうする?」 「任しておきなさいって。ばっちりと考えてあるから」 「本当?さっすが、真紀は頼りになるわよねー」 私を中心に、入学時から一緒にいる二人が安心して微笑む。あの建物を出てからすぐ、私達三人は合流した。なんてことは無い。3人とも連続した順番だったからただ、出口で待っていただけだ。まぁ、後から其れはちょっと無用心かな、とは思ったけれど。私は安心しきった二人と同じように微笑むと、 「うん。まず、今の状態を確認したいから、二人は地図でよさそうな場所を探してくれない?私は皆の武器を見て、だれがどれを使ったら良いか考えるから」 「おーけー」 二人はそう言うと、地図だけを抜き出して鞄をほおって寄越した。何時も、私達はこんな感じだ。私より付き合いが長い、と言うか、私と出会う以前から親友のこの二人は仲が良い。そして、二人とも依存するところがあるからか、私が妙なリーダーシップを発揮するようになってしまった。こんな風だから、広瀬とその取り巻きなんて言われるのかもしれない。 「ね、どの当たりが良いかなー?」 「やっぱり家とか……あっ、この辺りなんてどうかな?」 でも、其れも今日で終わりだと思うとちょっぴり、寂しく思えたりする。二人が最後に私に与えてくれたものは鞄の中身――水、食料二人分に、鎌とナイフ。私の武器はグローブなんて馬鹿らしいものだったから、ありがたく使わせてもらうわね。まぁ、どっちも飛び道具じゃないのが残念だけど。 「ね、真紀は何処が良いと思う?」 其れが、彼女達二人の最後の言葉となった。 嗚呼、なんでテスト中なのに投稿しまくっているんだろう(笑) 其れは其れとして。 キャラがたりねぇーーーーっ。 後10人ほど欲しいです、マジで。 で。 次は誰を殺ろうかな〜♪(←をぃ) http://www.grn.mmtr.or.jp/~pelsona/