この、ありがとう、を君に 投稿者: PELSONA
カタン…カタタン…

静かな音。
静かなリズム。

カタン…カタタン…

一定の速度で。
一定のリズムで。

カタン…カタタン…

電車は、走る。

カタン…カタタン…


「――ねぇ、雪ちゃん」
「――んっ?」

カタン…カタタン…

「――私―――私、ね」
「――うん」
「――ちょっと思ったんだけど…」

静かな、喧騒。
穏やかな、笑い声。

「目が、見えなくなって、良かったかも」

反響する、音が。
聞こえる、声が。

「――どうして?」

カタン…カタタン…

「――えっと…」

とても、やさしくて。
とても、あたたかで。

「いろんな物が見えるようになったから…かな?」

流れる、景色が。
笑顔の、人達が。

「――それなら」

私には、見えて。

「――それなら?」

カタン…カタタン…

「――感謝しなきゃね、折原君に」
「――うん」

そう、思わせてくれる浩平君が、だいすきで。

「――生きてて、良かったな」
「――そうね」


この、ありがとう、を君に。



」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

ども、PELSONAです。
座談会前日記念SSとでもしておきませう。
でも結局、何が云いたかったんだか(笑)
最近は――こんな感じです。

http://www.grn.mmtr.or.jp/~pelsona/