俺は南。
今、生涯最大のチャンスを待っている。
そのチャンスとは『王様ゲーム』
王様に選ばれた暁には誰に何を命令してもいいという夢のようなゲームさ!
俺はなんとしてでも王様になって見せる。
そしてッ、あ、あ、あ、茜さんのき、キスを――――
――――はっ、ダメだダメだダメだッ!
俺のあかねさんへの思いはもっと純粋で――――
でっ、でもでもっ!
もしかしたら茜さんは俺が行動を起こすのを待ってるかもしれないッ!
えーーーいっ、ままよッ!
「――それじゃ、王様になったやつ手を上げてーー」
折原の声と同時にあがる一本の可憐な手。
其れは紛れもない、茜さんのものだった。
――ふっ。
王様になれなかったとはいえ、茜さんに命令されるのなら本望さっ!
そう思いなおす俺に対し、声をかける茜さん。
「では…南クン?何番ですか?」
「――えっ?2番だけど……」
「では、二番のヒト―――」
――えっ!?
茜さんが俺を名指しで命令しようとしている!?
これはこれは、ひょっとして、ひょっとすると…
『2番の人、私にキスをしなさい』とか!?
もっ、もしかすると『私のものになりなさい』!?
ま、まさか『結婚してください』ッ!?
――そんなッ、俺達まだ高校生……
で、でも茜さんとなら……
よしッ!
覚悟を決めろ、俺ッ!
そして茜さんと慎ましくも温かい家庭を築こうッ!!
「2番のヒト、私の視界から消えてください」
………ぎゃふん。http://www.grn.mmtr.or.jp/~pelsona/