『あかねえもん』は未来から来たヒト型ロボットである。
あかねえもんは詩子の曾孫に頼まれて渋々過去へとやってきた。
ただ、甘い物さえ与えれいれば願いを叶えてくれる。
そんな、素敵なロボット。
「あかねえも〜んっ」
大声であかねえもんを呼ぶ声がする。
今のあかねえもんのマスタの詩子だ。
「・・・なんですか?」
あかねえもんは面倒そうな顔をしながらも返事をした。
どうせ、何か道具を出せだとか、アレがしたいとか、そんな類だろう。
まあ、聞いてやらないこともない。
一応、自分のマスターだし。
「あのねっ、鳥みたいに、空を飛んでみたいんだっ」
詩子はそう言うと目を輝かせる。
そして期待に満ちた瞳をしながら、言った。
「空を飛べる道具、出してよぉ〜っ。」
あかねえもんは、空を飛んだ所で何が面白いのだろうと思った。
大体、上空に行けばいくほど空気は薄いし、寒い。
大体、ヒトが空なんかを飛んでいたら違和感がありまくりじゃないか。
もしかして、小型セスナかなんかを出せと言っているのか・・・とも思った。
「あのねっ、こう、鳥みたいに、そのままの状態で飛びたいの」
詩子はにっこりと微笑む。
あかねえもんは、やっぱりこの子は馬鹿だな・・と思った。
でも、マスターだし、一応は言うことを聞いてやらないといけない・・・とも思った。
もしかしたら、ワッフルをくれるかもしれないし。
「・・・判りました」
あかねえもんは、いつものように道具を出すために緩く編んだおさげの中に手を突っ込んだ。
「空を飛べれば・・・良いんですよね?」
詩子がこくこくと頷くのを確認した後、おさげの中から有る道具を取り出す。
「注射器と、アンプルです」
それを見た詩子は不服そうな顔をした。
どうやら、これでは不満らしい。
「詩子、腕を出してください」
それを無視して、あかねえもんは口を開いた。
「空を飛びたいのでしょう?」
その言葉を聞くと、不満そうな顔のまま、詩子は腕を出す。
「ねぇ・・・本当にこれ、大丈夫なの?」
心配そうに聞く詩子。
「大丈夫です・・・・・・・たぶん」
そう言うと、アンプルの中身を詩子の腕に注射した。
あかねえもんは、消毒をすることを忘れていたことに気がついたが、あえて無視した。
注射されるのは自分ではないのだし。
注射器の中の液体がすべて血管に入ったのを確認し、針を抜く。
そして、あかねえもんは待った。
「あ・飛んでる・・・あかねえもん・・・私、空を飛んでるよぉ・・・・」
満足そうな詩子を見て、あかねえもんは思った。
本当に馬鹿。
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このネタ、誰かやってそうな気がするなぁ・・・
ま、いいか。
でもあかねえもんって、無理矢理だな(笑)