Majiでキレる5秒前 投稿者: PELSONA
突然、里村茜がキレた。



それは世間一般で言うマジ切れという奴だ。
今まで、ちょっとすねてみたり、むくれてみたり、怒ったことは何度もあった。
それでも、何とか必死に謝れば許してくれたし、
反対に、怒っても謝れば許してくれる、そう思っていた。


でも、今回ばかりは駄目かもしれない。


もう、その怒り方からして、違うのだ。



たとえば、殺意の波動を出しているような。
たとえば、不動明王のような。
たとえば、柏○家の長女のような。


そんな、半端じゃない怒り。


「あっ、茜っ。この通りだっ、許してくれっ!」

「・・・・・」

「頼むっ!何でも言うこと聞くからっ!!」

「・・・・・」

「判ったっ!例の人形何個でも買ってやるからっ!!!」

「・・・・・」

「それとも、ワッフルかっ?いくつでも奢るからっ!!!!」

「・・・・・」

「茜ぇ・・・頼むから許してくれよぉ・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・一つだけ、条件があります」

「ほっ、本当かっ!!それで許してくれるだなっ!!!」

「・・・はい」

「そうかっ!判ったっ!!何でも言うことを聞くから教えてくれっ!!!!!」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・大声で『パーマン、助けて』と叫んでください」

「・・・・・」

「・・・それで、許してあげます」

「・・・ここで・・・か?」

「はい」

「・・・ここが商店街の中心地でもか?」

「はい」

「今が放課後で、同じ学校の奴らが大勢いてもか?」

「はい」

「・・・どうしても、それじゃないと駄目なのか?」

「はい」

「・・・それを言わないと許してくれないんだな?」

「はい」

「・・・・・」

「・・・・・」

「パ・・・パーマン・・・た、助けて・・・」

「声が小さいです」

「・・・・・パッ、パーマーンっ」

「もっと大きな声で叫んでください」

「・・・・・」

「不服ですか?」

「・・・・・」

「厭なら、良いんですよ?」

「パーーーマーーーーンっ!!!!たーーーすーーーけーーーてぇーーーーっ!!!!!」



その日以来、浩平のあだ名は『パーマン』になった。



」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ちょっと、やる気が戻ってきたかも。

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