くぅ〜。
みさきのお腹が小さく鳴く。
みさきは、公園の中でなら一人で歩くことも出来るようになっていた。
空はもう茜色に染まり、優しげな風が髪をなびかせる。
「うん。なかなか良い風だな」
みさきは一人、そう言うと気持ちよさそうに空を見上げる。
くぅ〜。
が、そんな雰囲気を壊すかのようにお腹は鳴く。
「・・・お腹、空いたなぁ」
家までにはまだ、距離があった。
確か、財布の中にはまだ千円札が数枚有ったはずだ。
何か食べようか。
それとも、家まで急いで帰ろうか。
みさきがそう思案していると、風がいい匂いを運んできた。
これは、きっと公園内にある鯛焼きの屋台だろう。
みさきは食べてから帰ることを心に決めると、頭の中に景色を写し、屋台の前に立った。
「鯛焼き一つください」
そう言った後、ふと思い直し、もう一度言い直す。
「尻尾まで餡が詰まっているのください」
どれも尻尾まで餡が詰まってるよ、と苦笑する店員に照れ笑いを返しながら、
徐々に狐色になっていくお魚を想像しながら待っていると
くぅ〜。
もう一度、お腹が鳴った。
「・・・えっと、やっぱりもう一つ増やしてください」
そう言った後、再び鯛焼きが焼き上がるのを待っていると、
くぅ〜。
もう一度、お腹が鳴った。
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・・・タイトルの意味、わかるよね?