さん
にぃ
いち
どっかーーーんっ
「わぁ〜いっ」
あにめちっくな爆発。
そしてあにめちっくな箱からデフォルメされたキャラクターが出てくる。
『なぜなにONE』
詩子ハム:「おーーいっ、みんな集まれぇ〜。なぜなにONEの時間だよぉ〜」
茜おねいさん:「・・・あつまれ」
某N○Kの教育番組のようなセット。
そこに巨大ハムスターの気ぐるみを着、にこにこしている詩子。
そして不機嫌そうな顔の茜が立っている。
GOサイン:
詩子ハム:「ねぇねぇ、おねいさん」
茜おねいさん:「何ですか、ハムスターさん」
詩子ハム:「僕、前から不思議だったんだけど、何で折原君は消えちゃったんだろうね」
詩子ハム、”ぴょこりん”っと首を傾げる。
「それでは、今日は永遠の世界について教えちゃいます」
やっぱり不機嫌そうな茜。
画面上にみさおの写真が表示される。
茜おねいさん:「ハムスターさん、この子、知ってますか?」
詩子ハム:「うーーんと、わかんないや。」
茜おねいさん:「この子が浩平の妹、折原みさおです。」
モニターは切り替わり、浩平を映し出す。
茜おねいさん:「重度のシスコンだった彼―――」
詩子ハム:「折原君のこと?」
茜おねいさん:「―――は、妹さんを病気でなくしてしまいました」
詩子ハム:「ええ〜っ、死んじゃったのぉ?」
大げさに、驚いた顔をする詩子。
茜おねいさん:「はい。それで妹さんの居ないこの世界を拒否してしまいました」
詩子ハム:「う〜ん・・・それで、何で消えちゃったの?」
首を傾げる詩子イン、ザ、ハムスター。
茜おねいさん:「突然ですけど、ハムスターさん。あなたは道を歩いているときにその辺りに生えている石や、木や草をどう思いますか?」
モニターに道の映像が映る。
詩子ハム:「えっ?別に何も思わないよ。そんな物いちいち気にしながら歩いていないしね」
そして、映像はまた浩平に。
茜おねいさん:「そう。石や、木や草は見えていますけど、観えてはいないのです。」
詩子ハム:「?」
茜おねいさん:「石や、木や草はそこにあるという情報としては判っても、どんな色の石か、その草は何という名前なのかそれは判りませんそれが、見えてはいても、観えてはいないと言うことです」
詩子ハム:「えーっと、視界に入っているだけって事だね?」
茜おねいさん:「よくできました」
茜は詩子ハムスターの頭部とおぼしき所をぐりぐりとなでる。
うれしそうな詩子。
茜おねいさん:「つまり、この世界のヒトにとって彼は見えてはいるんですけど、折原浩平として認識していないから彼のことが判らないのです」
詩子ハムスターは頬をぽりぽりと掻く
詩子ハム:「い、いまいちわかんないや。何しろ僕、ハムスターだし」
茜おねいさん:「じゃあ、もうちょっと判りやすく説明してみましょう」
モニターが切り替わり、大きな箱が表示されている。
茜おねいさん:「この箱の中に、一匹のハムスターが入っています。この箱は蓋を開けてみない限り、中の状態を知ることはできません」
詩子ハム:「ふむふむ・・・」
茜おねいさん:「そして、一時間ごとにこの箱に毒蛇を一匹入れることにします。」
詩子ハム:「えっ!?それじゃあ殺されちゃわない?」
茜おねいさん:「そう。時間がたてば立つほどハムスターが死んでいる確率は高くなります。でも、箱を開けてみない限り生きているのか死んでいるのかは判りませんよね?」
詩子ハム:「でも100時間ぐらいしたら蛇は100匹になってるんでしょ?それじゃさすがに死んでると思うけどなぁ・・・」
茜おねいさん:「でも、確認してみるまでは判りませんよね?どれだけ生きている確率が低くても、生死は判らないのですから。それに、もしかしたらハムスターも、蛇も。箱の中にはいないかもしれません」
詩子ハム:「うーん・・・」
困惑した表情の詩子・着ぐるみハムスター
それでも茜は続ける
茜おねいさん:「つまり、ハムスターの生死も、存在の有無も。それを観察している存在があるから認められると言うことです。ハムスターは、私たちがその存在を常に確認しているからハムスターとしていられるのです。」
詩子ハム:「・・・・・」
茜おねいさん:「要点だけ言うと、すべての存在、現象は互いに認識し有っているからそれがそこにあるとして取られると言うことです。」
詩子ハム:「難しいからよくわからないけど・・・結局、それが折原君が消えたのとどういう関係があるって言うの?」
茜おねいさん:「浩平は妹の死により、この世界を否定しました。それはこの世界を認識するのを辞めたと言うことです。と、同時に世界は浩平の存在を認識しなくなりました。浩平という存在はない物となってしまったのです。もっとも、ヒト一人の存在が無くなるぐらいですから膨大な時間がかかりましたけど。」
詩子ハム:「なら、折原君の行った永遠の世界って言うのは?」
茜おねいさん:「アレは彼が作り出したもう一つの現実。彼の内面だけにあったそれは彼が認識したことで現実の物へと変化したのです。だから、浩平による、浩平のためだけの世界なのです」
詩子ハム:「でも・・・折原君、最後の方は消えたがって無いみたいだったけど・・・」
茜おねいさん:「長い時間をかけてできあがっていったエネルギーは膨大な物になっていたのです。彼の意志でどうこうできるレベルじゃなくなっていたのでしょうね」
詩子ハム:「そうかぁ・・・何となくだけど判ったよ。おねいさん!」
茜おねいさん:「それでは、ちょうど時間のようなのでこの辺で」
詩子ハム:「みんな、またねぇ〜」
茜おねいさん:「ばいばい・・・」
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
・・・みんな、訳判らないよね?
大丈夫、書いている俺も訳判らないサ!
でも意見とか、矛盾点があったら(有りまくりだと思うけど)教えて欲しいなっ
お兄さんとの、約束だぞぉ〜←手遅れ