SA・YO・NA・RA 投稿者: PELSONA
――三日目

 茜が買い物から帰ってくると、留守番電話の赤い点滅が出迎えてくれた。買い物袋を持ったまま、再生ボタンを押す。
 「やあ茜。今日は買い物をしているキミを見たよ。もしかして、その買い物は折原なんかに料理を作ってあげるためかな?茜は昔から料理が得意だったしね。いつか、僕だけのために料理をしてくれる日まで待つよ」
 再生が終了しました。いつもと同じ、無機質な機械の声。そんな声が不気味にすら聞こえる。しかし、このテープで確信したことがある。それは昔の私を知っていると言うことだ。
 思案に暮れていると、玄関でチャイムが鳴った。いったい誰だろう?そう思い、扉を開ける。
 「すいません、里村茜さん・・・はこちらでよろしかったですか?」
 男は、花束を抱えていた。また、私にかもしれない。
 「私・・・ですけど」
 「これ、贈り物の花束と、カードね。それじゃあサインいただけますか?」
 茜がサインをすると配達員・・・だろうか。その男は愛想のいい笑みを浮かべ去っていく。今度はメッセージカードは着いていない。ただ、「ラッパスイセン」とだけ書いてある。この花の名前だろう。それにしても、ずいぶん変わった花を送りつける物だ。
 送り主不明の花束は今日で二日連続。さすがに気が滅入る。だがせっかくの花を枯らしてしまうのはもったいない。そう判断すると、茜は花瓶に生ける。一体、誰だろうか。もしかしたら留守番電話の人物と花を贈る人物は同一人物かもしれない。しかし、何故そのようなことをするのだろう。だが、その問いに答える物は居なかった。

 「それでここに花がいけてある訳ね」
 浩平の親代わりでもあり、同居人でもある由起子が言った。茜は、久しぶりに早く帰ってきた由起子に事の成り行きを相談しているのだ。
 「茜ちゃん。もてるわねぇ。」
 「からかわないでください。これでも真剣に悩んでいるんですから・・・」
 もてるという言葉に少し頬を赤らめながらも言う。今は兎に角、誰かに相談して起きたかった。
 「で、全く心当たりがないわけ?その留守番電話も、花も」
 「花は全くありません・・・留守録の声は聴いたことがあるんですけど」
 「そう。それならまず何回も聴いて、それが誰なのか思い出すことね。連続ってところで共通性が見られるから、電話の人物と、花を贈る人物は一緒だと思うわ。でも・・・花がねぇ」
 「花が・・・どうしたんですか?」
 由起子が言うには、それなら何故、別々の種類の花を贈ったのか判らないと言うことだった。相手の――茜の好きな花を贈るのであれば、どれか一種類だけか季節にあった花束を贈るだろう。しかし、今回送られたのは白いチューリップだけの花束に、ラッパスイセンだけの花束。どちらも単体の花束として送るケースはほとんどないらしい。
 「・・・判りました。相談に乗っていただいてありがとうございます」
 由起子は「良いのよ、それくらい」というとキッチンに行ってしまった。たまには私の手料理をごちそうするわという言葉付きで。優しく、頼りがいのある女性だ。茜は由起子に安心感を覚えると、手伝いをするために自分もキッチンへと入っていった。



――四日目

 「茜、最近様子が変だぞ?」
 私の顔を覗き込むようにしながら浩平が言う。確かに、自分でも様子がおかしいと言うことは気付いている。だが、それを素直に浩平に言うことはできない。
 「きっと・・・気のせいです」 
 「・・・まあ、茜がそう言うのなら良いけどな」
 私のことを察してくれたのか。それとも本当に私の言葉を信じたのか。どちらかは判らないが、とりあえずは有り難かった。尤も、深く追求されたところで答えることなど出来はしないのだが。
 今日も花束の贈り物と、謎の留守番電話があった。贈られてきた花は「クリスマスローズ」この時期にしては季節外れだ。まあ、最近の技術では栽培すること事態はそう難しくないとは思うが。電話は、相変わらずの内容。だが、前回よりも浩平に対して攻撃的になっている気がする。平たく言えば、あんな奴は辞めて俺の物に慣れ・・・だが。
 そしてもう一つ。留守番電話の声は司かもしれないと言うことだ。テープは気味が悪いので捨ててしまったから確認の取り用はないが、小さいときの約束・・・といえばそれしか思い当たらない。
 だが・・・あまりにも馬鹿らしい。司はいなくなってしまったのだ。この世界から。だが、「もし、司が戻ってきているとしたら」という考えが浮かぶ。
 茜は、即座にその考えも否定した。私は、振られたのだから。彼は、先生を選んだはずだから。「if」もしも、それが勘違いとしたら?浩平のように、忘れずにいたから戻ってこられたのではないか?そんな考えも浮かんでくる――が。
 私は、浩平とうまくやっている。今、私は幸せなのだ。
 そう、強く思うことによって考えを振り払った。
 「・・・茜?」
 浩平が、心配そうに声をかける。何回も呼びかけていたらしいが考えに没頭するあまり気がつかなかった。
 「本当に・・・大丈夫か?」
 「大丈夫です。食事の用意しますね」
 だいたい、こんな事を浩平に話せるわけがない。余計な心配をかけるだけだし、今更過去の幼なじみのことについて詮索を受けるのも煩わしい。
 そんな浩平からのがれる用に茜はその場を後にした。

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

PELSONA:・・・もう駄目かも
どっぺる詩子:何、いきなり?
PELSONA:書きながらストーリーを考えてたらどう展開させればいいか判らなくなってきて・・・
どっぺる詩子:悪い癖だね。投稿した後で悩むこと
PELSONA:・・・ああ。
どっぺる詩子:イノセントワールドも途中だし。
PELSONA:アレはマジで悩み中。展開変えたせいでつながりが悪くなった。
どっぺる詩子:後悔は先にたたずって知ってる?
PELSONA:選挙も終わっちゃったねぇ〜
どっぺる詩子:そんなに選挙が好きかっ!!
PELSONA:だいっっっきらい。
どっぺる詩子:・・・・・

http://www.grn.mmtr.or.jp/~pelsona/