innocent world 【episode W】 投稿者: PELSONA
静寂。
水を打ったように静かな空間に突如、足音が聞こえる。
人の気配と、音に飛び立つ鳥。
そしてその足音は徐々に近づき、そして、止まった。

大昔、誰かが作ったと思われる穴。
その前に晴香は立つ。
辺りを見回し、誰もいないことを確かめると中へと進んでいく。


晴香が穴に入ってから、しばらく。
次は、男女が同じ所に止まる。

「なあまなみ、ここで合ってるのか?」
「はい。反応はここを刺しています」
「ってことは・・・この穴の中だな」

無言で頷くまなみ。
それを見たまさきは、中に入っていく。
そして、再び静寂が洞窟を包む。


「―――で、これが郁未が言っていたもの?」

目の前にある物を見、訝しげな晴香。
手には石――というより、曲玉――を持っている。

「ま、速いところ持ち帰って郁未に合流しないとね」

静寂を突き破るように独り言を言う晴香。
石を仕舞うと、洞窟の外に出ようとする。

その時、足音が聞こえる。
とっさに警戒態勢を取る晴香。
さらに近づいてくる声と足音。

「――っと、どうやら先客みたいだな」

今まで話しかけていたまなみの方から視線を晴香に向けるまさき。
相変わらず無表情なまなみ。

「あなた達、FARGOの関係者?」

いきなり核心を突く晴香。
まさきは一瞬戸惑った様子を見せるが、すぐにいつもの表情に。

「そういうアンタは?もしかして手伝いに来てくれたのか?」
「残念ながら、敵よ」

言い終わると同時に晴香の瞳が金色に変わる。
と、同時に『四肢をまき散らせ』という力を放つ晴香。

まさきが命令を出す前に、不可視の力でそれを相殺するまなみ。

「っと、いきなりだな」
「私は忙しいの。あなた達に構ってる暇なんて無いのよ」

やれやれ・・・といったゼスチャーをするまさき。
そしてまなみに『攻撃しろ』と命令する。
頷くまなみ。
二人は同時に力を解放し――相手を粉砕しようとする。

轟音。
砂埃の後、互いに無傷で立っている二人。

「力は互角・・・ね」

そういった後、まさきはまなみに耳打ちする。
それを聴いた後、再び力を解放するまなみ。

「・・・くっ」

やや遅れて、力を開放する晴香。

再び、轟音。
互いの力が互角な故、力比べのような状態になる。
精神を集中し、睨み合っている晴香とまなみ。

(ちょっとでも力を緩めたら・・・やられるわね)

少し焦り気味の晴香。
一方、まなみの額には汗がにじんでいる。

「アンタの敗因は一人だった・・・ってことだ」

突然、晴香の右からの声。
そして腹部に痛みが走る。

「・・・・・かはっ・・・」

声無き声とともに崩れ落ちる晴香。
まさきの手には血塗れのナイフが鈍く輝いている。
そして、力比べの後の衝撃で晴香は吹き飛ぶ。

「よし、それぐらいで良いぞ」

力を使うことを制止するまさき。
まなみが頷くのを確認した後、晴香に忍び寄る。

「悪いな。」

一言だけ謝罪の言葉を述べた後、晴香の服からさっきの石を――神宝を取り出す。

「ひ・・・きょう・・・もの」

辛そうに言葉を紡ぎ出す晴香。

「俺達も手段を選んでる場合じゃないんだよ」

そう、一言だけを残し出口へと進む二人。

そして晴香は気を失った。


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PELSONA:うーん、せんとーしーんは難しいねぇ・・・
どっぺる詩子:書き方を変えてみたのに、やっぱり変だね
PELSONA:うーん・・・・・ま、いいや。
どっぺる詩子:あきらめたか・・・
PELSONA:うん。前向きに善処します。っていうか、これから先、どうしよう?
どっぺる詩子:私に聴かれても・・・

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