すとろべりーしぇいく! そのさん 投稿者: PELSONA
そしてさらに三日後
柚木さんにつきあって毎日足を運んでいるけどいっこうに折原は現れない。
ここで待ってるのって無駄のように思えてしまう。
だいたい、ここに来るって保証もないわけだし。
何より、毎日お茶してる時点で金銭的な余裕がない。
「なあ、ここで待つのって意味無いんじゃない?来るって保証もないわけだし」
うんざりとした感じで俺は言う。
正直、参ってきてるわけだし。
「大丈夫。きっと来るよ」
にっこりと微笑みながら言う柚木さん。
その根拠のない自身が何処から来るのかは分からないけど、ある意味すごいと思う。
恋は盲目って奴かもしれない。
そんなとき、カウベルが鳴り響き客の来訪を告げる。
っと、誰か来たみたいだな。
俺が入り口の方に目を移すと、すでに柚木さんが今来た客に話しかけていた。
ってことは?
「ゆっ、柚木っ!何でこんな所にいるんだっ?」
聞こえてきた声は紛れもない、折原の物だった。
一緒にいるのは長森さん。
折原と柚木さんの会話をにこにこしながら聞いている。
幸せそうな顔。
やっぱり、俺なんかの入り込む余地はないのかもしれないな。
なんて思う。
一度奮い立たせようとした勇気は手紙を落としたことによって無くなってしまったわけだし。
さらに、柚木さんに拾われることで俺は奴隷状態。
これは神様がやめておけって言っているって事か?
そんな風に、いじけながら考えていると3人がこっちに向かってくるのが見えた。
どうやら、一緒の席で食べるって事になったらしい。
「柚木、おまえ住井なんかと仲良かったのか?」
そう問いかけている折原。
”なんか”、は余計だ。
「うん。無理矢理誘われちゃってね」
そして答える柚木さん。
って、ここには長森さんもいるんだぞ?
誤解されたら困る。
そう思い、あわてて口を出そうとしたとき柚木さんと目があった。
・・・変なこと言ったら手紙ばらまくわよ
そう言っている目。
気のせいかもしれないが、彼女ならやりかねない。
そこで、でかかった否定の言葉を飲み込む。
・・・恨んでやる。
と、俺も目で訴える。
「ふ〜ん。住井君と柚木さんって仲良かったんだ」
そうこうしている途中でこっちを向いて話しかけてくる長森さん。
「なんか柚木さんの方をちらちら見てるし。仲良いんだねっ」
完全に、誤解されたかもしれない。
「ま、うるさいおまえらならお似合いかもな」
そして追い打ちを掛けるような折原の言葉。
その言葉を聞く限り、折原はヤキモチなんか焼いてないみたいだ。
そう思い、柚木さんに目を向ける。
「ちょっと、そんなことあるわけないじゃない」
否定する彼女。
だが、それに答える折原は半分からかい気味に応える。
「それはどうだろうなぁ。結構、その気だったりしてな」
このまま行くと漫才モードに行きそうだと思った俺は柚木さんに目配せして口を開く。
「折原、勘違いするのは勝手だが俺は彼女の学校の情報を提供して貰っていただけだぞ」
長森さんに誤解されるのはまっぴらだしな。断じて、柚木さんのためなんかじゃない。
「情報屋たるもの、他校の情報も重要だ」
念のために最もらしい理由を付け加えて。
それに、長森さんに誤解されたまんまじゃ嫌だしな。
「住井・・・おまえはそこまでして情報を集めているのか・・・」
あきれ気味に言う折原。
何とか、最悪の事態だけは免れたらしい。
長森さんも、変に誤解してくれないと良いんだけど。
その後はとりとめのない話で盛り上がった後、二人は帰っていった。
残ったのは俺と柚木さん。
二人が完全に外へ出ていったのを確認し、柚木さんの方を向き直る。
「全っっっ然ヤキモチなんて焼いてないみたいだったな」
からかい気味に、そう声を掛ける。
「・・・分かってるわよ」
いつも通りの反応を期待していた俺はちょっと拍子抜けした。
意外なほど、小さな声。
「・・・だって、しょうがないじゃない・・・」
肩を小刻みにふるわせながらの言葉。
もしかして、泣いてる?
そんな彼女はとても弱々しく思えて。
俺は自分の言ったことを後悔した。
触れてはいけない感情の細い糸。
俺が言ったのはその糸を断ち切るような言葉だったのかもしれない。
「私、帰る」
そう短く言った彼女は席を立とうとした。
涙を、見せたくないのかもしれない。
そんな俺は、せめて、涙を拭うハンカチでも差し出したかった。
でも、俺のハンカチはくしゃくしゃで。
そのしわを伸ばしている間に彼女は店を出ていってしまった。
残ったのは激しい後悔。
謝ったら許してくれるかな・・・
そんな俺のつぶやきは店の喧騒にかき消され、消えていった。

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PELSONA:そのさん。をお届けします〜。ペースがちょっと速いぞ^^でも描写がいまいち(爆)
どっぺる詩子:急にどうしたの?スランプはもういいの?
PELSONA:ん。回復してきた。長編も早いところ終わらせようかと思って。
どっぺる詩子:そりゃ3つも掛けもちしてたらねぇ・・・
PELSONA:何とか今週中にこの作品は終わらせたいと思います♪
どっぺる詩子:ま、無理してでも書き上げることだねっ。
PELSONA:そう言うときは優しい言葉を掛ける物だぞ。普通。
どっぺる詩子:・・・恥的ってなに?(ぼそ)
PELSONA:・・・・・・・。で、ではこの辺で(^^;;;
どっぺる詩子:後でゆっっっっっっくり説明してもらうからねっ(^^)
PELSONA:え、笑顔がこわひ・・・

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