隆山温泉旅行記 第一回 投稿者: PELSONA
年の瀬も近づくにつれて商店街の活気も高まってくる。
「師走」という言葉があるように人々はせわしなく動き、商店街の人々は稼ぎ時とばかりに様々なイベントを組んでいる。
実際に当たるのか信憑性も低い福引きもその一つである。
  からんから〜ん
 「おめでとうございま〜〜〜す!!。一等、温泉旅行大当たりぃ〜〜!!」 
 「・・・・・マジ?」
出てきた金色の玉と鈴を振る男を交互に見つめながら俺は言った。


「と、言うわけだ」
「情景描写つきの説明ご苦労。で、自慢話をするために俺を呼んだのか?」
ため息混じりに俺は言った。
この住井という男はくだらない企画を考えることに関しては俺とタメを張るくらいだ。
いきなり「大事な話がある」なんて言ってきたから何かを思いついたのだろう。
「温泉旅行に行けるのは4人。うち、二人は俺とおまえだ」
「なにっ!俺も行っていいのかっ?」
「喜ぶのはまだ早い!条件が一つある」
・・・やっぱりな
住井はこういう男だ。
こいつは人を傷つけるとか、落胆させることが三度の飯より好きな奴だからな。
「折原・・・そう言うことは思っていても口に出すな」
どうやら思わず口に出していたらしい。
「で、その条件ってのは何だ?」
気まずい雰囲気を一層するよう、努めて明るく振る舞う。
「おまえ、女の子を二人連れてこい」
「・・・俺に断る権利はないんだろ?」
「旅行に行きたくなかったら断れ。」
涼しい顔をしている住井。
「女の子だったら誰でも良いんだな?」
「ああ。明日の午前6時に駅前に集合だ。遅れるなよ」
そう言うと住井はチケットをひらひらさせながら去っていく。
・・・女の子か
そして後には頭を抱えたまま首を傾げる俺が残った。
う゛〜〜〜ん
まず、一番誘いやすいのは長森・・・だよなぁ
あいつとは小さい頃からのつき合いだし、親も俺のこと知ってるはずだ。
となると「友達同士の旅行」だし親の反対もないと思う。
俺はそう決めると早速長森の席に向かった。

「おい長森、温泉に行きたくないか?」
いきなり用件を言う。
こういうのは単刀直入に行ってやるのが一番だ。
「えっ?よくわかんないけど行けるんだったら行きたいね」
「ならいくか?」
長森はよくわからないと言う顔をしている。
少し唐突すぎたかもしれない。
「住井が温泉旅行のチケットを当てたんだ。後2人分あいている。どうだ?行くか?」
やっと合点が言ったようだ。
頷きながら答えてくれる。
「うん。そう言うことなら行きたいな。あっ、でも後一人は誰にするの?」
「ああ。それがまだ決まってないんだ。誰か一緒に行きたい奴いるか?」
「そうだねぇ・・・」
長森はちょっと考える仕草をすると、
「七瀬さんなんてどうかな?浩平とも仲良いみたいだし」
と言った。
「七瀬か・・・」
少し考えてみる。
アイツはあれでなかなか女らしいとこがある。
美容のため・・・とか言ったら一発でついてくるだろう。
さらに旅行先で事件が起こったときでも率先して戦ってくれるような力強ささえ感じる。
なんだ。良いことだらけじゃないか。
「そうだな。じゃあ七瀬誘ってみるからおまえも来てくれ」
念のため、長森にも説得に当たってもらう。
「うん。わかったよ」

「おい、七瀬」
長森と二人で七瀬の席の前に立つと、窓の外を見ている七瀬に声をかける。
「私は今窓の外を見ながら物憂げな表情を浮かべてるのよ。じゃましないで」
こっちを向くことせず、一蹴される。
「あの、七瀬さん。ちょっと良いかな?」
「あっ、瑞佳。なに?」
振り向くと愛想のいいえ顔を浮かべる七瀬。
コイツは・・・俺の時と態度が違いすぎるぞ。
「突然だが七瀬、俺と一緒に温泉に行こう」
すぱあっといってやる。
こういうことは単刀直入に言うのが一番なのだ。
「厭」
すぱあっといわれる。
「なんでだっ!?」
「何であんたなんかと一緒に温泉なんて行かなきゃ行けないのよ」
う゛っ・・・
こうもはっきり断られるとちょっと悲しい。
「あのね、住井君が温泉旅行のチケットを当てたんだって。後一人あいてるから一緒にどうかな?」
すかさず助け船を出してくれる長森。
しかも俺の説明で足りないところまでサポートされている。
さすがだ。長森。
「どうだ?悪い話じゃないと思うが・・・」
すかさず俺も口を添える。
「そうねぇ・・・」
「温泉にゆっくり浸かって肌を綺麗にするのも乙女として重要だと思うんだがなぁ」
乙女という言葉を強調しつつ、七瀬の反応を伺う。
「みんなで行くのも楽しいと思うよ」
と、長森。見事なコンビネーションだ。
「ん・・・わかった。行く」
こうして七瀬も温泉に行くことになった。


  そのころ

  からんから〜ん
 「おめでとうございま〜〜〜す!!。一等、温泉旅行大当たりぃ〜〜!!」 
 「えっ?うそっ!やったぁーーーーーっ!!」
 「じゃ、彼氏でも誘って二人で楽しんでおいでっ!!」
隣町で開かれてる福引きで温泉旅行を当てた人がいる。その人は――
 「茜を誘って二人でアダルトな夜を過ごすのよっ!!」
詩子だった。
 「待っててね、茜ーーーーっ!!今行くからねぇーーーっ!!」
こうして詩子と茜も温泉に行くことになった。


  次回予告っ!!

温泉についた七瀬たち一行。
それで七瀬を待ち受ける陰謀とは?
茜は詩子の魔の手から逃れることが出来るのか?
次回、魔法少女プリティールミー23話
「秘湯温泉旅館殺人事件家政婦は視た」
にご期待下さい(大ウソ)

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どっぺる詩子 :何これ?
PELSONA:新シリーズ。それが何か?
どっぺる詩子 :何か?じゃないわよっ!私の扱いって何っ!?
PELSONA:君はどっぺるだから違うだろう。
どっぺる詩子 :そ、そうなんだけどぉ・・・何となく感じが悪いというかぁ〜
PELSONA:まぁ、細かいことは気にするな。気にしたら負けだぞ。
どっぺる詩子 :う・・・・ん。だまされてるような気がするけど・・・
PELSONA:じゃ、そう言うことで今回はこの辺で。
どっぺる詩子 :ばいば〜いっ!!

 この放送は明日のSSを考える「長岡○ンダストリー」の提供でお送りいたしました(ウソ)