TWIN MEMORY 投稿者: PELSONA
――折原浩平の場合――

 その夏は暑かった

「茜、待たせてごめんな」
「・・・いえ、いつものことですから」

俺が永遠の世界から戻ってきた後
俺たちはデートをしまくった。
不可抗力とはいえ俺は後悔していた
一年もの間、茜を待たせていたことを
男としてふがいない。半ば意地になっていたとも言える

茜といるのは楽しい
ずっと会えなかったというのもあるが、茜が俺を好きでいてくれることがうれしかった
こうして外であっていると改めて気付く

茜は”綺麗”

  じいーーーーっ

「そんなに見つめないで下さい」
「あ、悪いな」

俺はここに美の集成を見る

顔はフランス人形みたいに綺麗だし
髪の毛は思わず触れてみたくなるほど綺麗だ
そのうえスタイルもなかなか良いし
家庭的で料理は上手い
そして何より一緒にいて安心できる

なにをやらせてもそつがないし
一緒にいてくれるし
浮気の心配もなさそーだ

隙なし!
隙なし少女茜!!

一緒にいる時間が増えてからはその洗練された美しさを見ていて飽きることがない
知らないんだろうな
俺がこんなにも茜を好きだって事


――里村茜の場合――

 その夏は暑かった

「茜、待たせてごめんな」
「・・・いえ、いつものことですから」

浩平が永遠の世界から戻ってきた後、私たちはデートをたくさんした。
諸処の事情で一年間会うことが出来なかったので
半ば意地になっていたとも言える

浩平といるのは楽しい
ずっと会えなかったというのもあるが、浩平が私を好きでいてくれると言うことがうれしかった
こうして外であっていると改めて気付く

浩平は”変”

  じいーーーーっ

「そんなに見つめないで下さい」
「あ、悪いな」

どうせまた不可解な思索にでもふけっているのだろう
私は生涯この人の思考回路は読めないと想う

それは好きだし、おもしろいなって想ってる
しかしそれにしても私はおもしろい人を好きになった物だ

訳の分からないことをよくしているようだし
思考回路は突き抜けている
好奇心だけで行動することもあるようだし
私は気になっている人から致死量といわれるようなジュースを奢ってもらうという貴重な経験をさせてもらった

時折自分から墓穴を掘って
自分で墓穴に落ちて
自分で墓穴の中でのたうち廻っているのもおもしろい
一緒にいる時間が増えてからはその独創的な世界を見ていて飽きることがない

でもまだ浩平についてわからないことはいっぱいある
その無邪気な笑顔の裏には何があるのか
何を考え、何を感じ、何を思っているのかを

知りたいのはそう言うこと
いつもみていたい
何を考えているのかな
いつか、私にもわかる日が来るといいな


――再び 折原浩平――

「あ、折原君」
「よぉ、柚木」
「茜とデートしてるんだってぇ?折原君も結構やるねぇ〜」
「まーな。茜から聞いたのか?」
「茜、うれしそうにしてたよ。」
「そうか?それはうれしいな」
「茜とデートだもんなぁ〜。いいなぁ〜。一回で良いから私もしたいーーーっ!!」
「・・・何言ってんの。おまえ」
「また日曜日にデートするんでしょ?晴れると良いねぇ」
「全然オッケー。雨でも風でも大丈夫!!」


――再び 里村茜――

「あっ、茜っ!」
「・・・詩子」
「さっき折原君にあったよ。幸せそうで良いねぇ」
「・・・はい」
「今度は私も連れてってよ」
「・・・厭です」
「う゛・・・ま、また日曜日にデートするんでしょ?晴れると良いねっ!」
「・・・全然オッケー。雨でも風でも大丈夫です!!」
「へっ!?」

 
  雨でも風でも大丈夫!!
  私たちはこれからなんだから


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みなさんこんばんは。このたびPELSONAのあとがきアシスタントをすることになった『どっぺる詩子』です。
逃げた作者の伝言では「深く追求しないでくれぇっ!」とのことです。
何のネタかわかったあなた!そう言うことです。言いたいことはわかります。
では、また会う日まで。しーゆーあげいん!