絶え間なく注ぐ愛の名を 投稿者: PELSONA
「それなら君の誕生日に何かプレゼントする。誕生日、いつだ?」
「私の誕生日は・・・」

背中のぬくもりが消えたあの日。
雨が降るたびに茜は空き地に立ちつくすようになっていた。
本当に好きだった人。
この場所の・・・幼なじみの呪縛から解き放ってくれた浩平を待ち続けるために。
しかし、空き地は永遠に空き地もままでいるはずもなかった。
待つ場所さえ奪われたことは、この世界のすべてが浩平の存在をなくそうとしているように思えた。

・・・春。
暖かな日差しと新緑芽吹く大地。
毎年同じように咲き、散っていく桜の花。
浩平のいない学園生活が幕を開ける。

・・・夏。
肌を射す光と蝉の鳴き声。
毎年変わらず咲き誇る向日葵。
浩平のいない夏休みが幕を開ける。

・・・秋。
柔らかな光と鮮やかな山々。
例年通り山々はその姿をを変える。
去年出会った浩平はもういない。

・・・冬。
弱々しい光と凍てつく大地。
変わらず木々は枯れ果て寒さが訪れる
そして・・・浩平が消えた季節。

そしてまた春が訪れた。

・・・雨の日。
空き地を奪われた茜は公園に立っていた。
初めて浩平の暖かさに触れた所。

「この世界は嫌い?この日常はあなたにとって意味のない物なんですか?」

退屈で、代わり映えがしなくて・・・それでも幸せだった。
だからこそ、浩平がこの世界を否定しているのが悲しかった。
また最愛の人が消えてしまうのが怖かった。
でも、浩平は消えてしまった。

浩平が消えると同時に浩平の記憶もまた薄らいでいった。
大好きな人のことを忘れないように。
想い出を何度も何度も反芻しつなぎ止めていった。
朝起きると忘れているのが怖くて、眠ることさえしなかった日もある。
いまでも、浩平との想い出を人に話すことができる。
顔を、声を、温もりを鮮明に思い出すことができる。
それでも・・・浩平は戻ってこなかった。

浩平のいない世界。
退屈で変わり映えのしない退屈な日常。
好きな人が二度も消えたという事実はこの世界から色を無くしていた。
それは、この世界の否定。
そして、雨の公園が薄れていく・・・


隣には笑顔で話しかけてくる浩平。
永遠に続く穏やかで、幸せな時間。
ずっと二人でいよう。
いつまでも・・・いつまでも・・・
本当に、大好きな人と一緒に。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
初めまして。PELSONAといいますm(__)m
ONEの小説第二段読んでから書き始めました。
SSを初めて書いたんですけど・・・難しい^^;
一応、茜が永遠の世界に行っちゃった話です。
うう・・・もっと精進せねば・・・
駄文ですがアドバイス等あればよろしくお願いします。
タイトルは気にしないで下さい^^;;
では・・・