乙女の秋・遊園地編(1)  投稿者:Percomboy


 このお話は、北一色さんの「乙女の秋」をもとに、その続編とし
て書いております。
 なお、この話の掲載を許可してくださった北一色さんに、この場
をお借りして感謝を申し上げます。ありがとうございますm(__)m

 いろいろと「言い訳」がありますが、それはまた後ほど。

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 乙女の秋。
「究極の乙女」を目指す七瀬留美。彼女は、その「乙女の秋」の実
践のため、浩平を巻き込んであれこれと挑戦してみた。「いつもど
おり」失敗の連続だったわけだが。
 そう言えば、5つ目の秋として彼女が口にした言葉。その一つだ
けが、まだ実践されていなかった。
 はたして、彼女の真意はどこにあるのか…。

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 日曜日。遊園地の入り口。
 浩平は、そこに立っていた。

「結局、『乙女の秋』とか言って、結局は自分が遊びたかっただけ
 じゃないのか?」

 そうやって、悪態をつきながら…。

 浩平が来てから10分ほどして、背中から声がかかった。

「折原、待った?」
「待ったぞ。10分以上な。オレを待たせるとは良い度胸…」

 そう言いながら浩平は振り返り、そこにいた留美を見て、言葉を
失った。
 かわいいピンクのワンピースに、その服にお揃いの帽子。雰囲気
が、まさに「かわいい女の子」であった。

「どうしたのよ。似合わない、これ?」
「いや、まあ…良いと思うぞ」

 浩平は、ある種の違和感を覚えた。確かに、目の前にいるのは、
いつもじゃれあっているあの留美である。しかし、目の前の女の子
は、そのいつもの雰囲気とははるかに違っていた。かわいい女の子
と二人で遊園地…これって、はっきり言えば、「デート」じゃない
か!

「と、とりあえず、中に入るぞ」

 急に気恥ずかしくなった浩平は、そう言って、半ば照れ隠しに
留美の手を引っ張り、遊園地の中へと急いだ。

「あっ…」

 引っ張られながら、頬を染める留美。浩平と手をつないで、引っ
張られている。なんだかうれしい気分になる自分に、留美は気付い
ていた。

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「くそっ、なんで折原ばかりが…」
「そうだそうだ。あいつには、長森さんがいるじゃないか!」
「まあまあ、そんなこと言わずに、二人の仲を見守ってあげましょ
 うよ」

 トレンチコートやらサングラスやらで「変装」をしている3人組
の姿が、そこにあった。
 浩平が待っている直前あたりから、その遊園地の入り口で張り込
んでいた3人の人物。同じクラスの、広瀬・南森・中崎の3人であっ
た。留美に対して恋心を持つ南森と中崎は、浩平と留美の「デー
ト」の情報を極秘ルートでつかみ、彼らを監視、あわよくば妨害さ
えしてやろうと考えていた。それを知った広瀬は、彼らの暴走を阻
止すること、そして浩平・留美の様子に対する興味から(どちらか
というと、ほとんど後者の割合が大きいが)、ここについてきたの
である。

「あ、あいつら、中に入っていくぜ」
「ああっ、七瀬さんと手をつなぎやがってぇ!」
「折原君も、結構やるわね。って、私たちも、中に入るのよっ!」
「「へいっ!」」

 こうして、3人組は、カップルの後を追っていった。

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 ぜぇっ、ぜぇっ。
 息を切らしながら二人がたどり着いたのは、ジェットコースター
の前であった。

「はぁっ、はぁっ、なんで私たち、全力疾走しなきゃならないわ
 け?」
「聞くな、七瀬。世の中には、知らない方が幸せなことだってある
 んだ」
「はぁっ、まあ良いわ。で、どうするの、これから?」
「とりあえず、一番最初はジェットコースターだろう。まさに遊園
 地の定番! 都合良く、目の前にあることだし」
「良いわね。それじゃ、乗りましょう!」

 というわけで、二人は、ジェットコースターの入り口へと向かっ
た。

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「私たちも乗るのよっ!」

 あの二人の様子を見て、そう提案したのは、広瀬であった。

「「ええ〜っ、ジェットコースターに乗るんですかぁ!?」」

 南森・中崎の二人は、声をそろえて文句を言った。

「何よ。あの二人の監視をするんでしょ? ついて行かなきゃ、無
 意味じゃない!」
「で、でも、ボクは、その…」
「オレは、医者に心臓に悪いモノは控えるように言われていて…」
「なぁ〜に情けないことを言っているよっ!せっかくフリーパスも
 持っているんだから、こういうところで使わないともったいない
 じゃない!」

 ちなみに、広瀬のフリーパス等は、南森・中崎の二人が折半して
出したのだ。

「さあさあ、行こっ!」
「「ひえぇ〜っ、お助けぇ!」」

 男二人は、広瀬に引きずられるようにして、ジェットコースター
に向かった。

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「あ〜っ、楽しかったわねぇ」

 留美が、そう言った。
 その横で、ジェットコースターでの留美を思い出す浩平。
 隣でキャーキャー言いながら喜んでいる留美。浩平はその様子に
対して思った。

(なんか、こういうところって、女の子っぽくてかわいいよな…)

「どうしたの?楽しくなかった?」

 少し心配そうな表情の留美。

「そんなこと無いぞ。とても良かった」

 ほほえみながらそう答える浩平。その笑顔に、留美はどきっとし
た。折原ってこういう笑顔をするんだ、そう思いながら。

「さて、そろそろ昼だな。何か食うか」
「そ、そうね。そうしましょ」

 浩平の提案に留美も賛成し、二人は、カフェテリアの方へと向
かった。

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「目が回る〜」
「ぐぉ〜っ、ぎぼぢわ゛る゛い゛〜っ!」
「なぁ〜に情けないことを言っているのよ! あ、あの二人、カ
 フェテリアの方に向かうわね」

 ジェットコースターにノックアウトされた二人と、元気いっぱい
にはしゃいでいる広瀬。何とも対称的な感じである。

「そうね、私もお腹がすいたわ。さ、行くわよ!」
「う〜、もう少し休ませて…」
「右に同じ」
「何言ってんのよ。あの二人を監視するんでしょ!ほら!」

 またも、広瀬が他の二人を引きずるようにして、今度はカフェテ
リアを目指した。

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 え〜と、言い訳。
 はっきり言って、もとの設定はもちろん、北一色さんの設定など
さえも、思いっきり無視してしまっているかも知れません。本当に
ごめんなさいm(__)m
 完全に、私の趣味だけで書いてしまったかも(^^;

 それから、もう一つお詫び。今、過去ログを見ていたら、「乙女
の秋」には「中編」ってのがあったのですね。これ、「前編」の続
きのつもりで書いてしまいました(^^;
(完全に、「中編」の存在を失念していた)
 まあ、続けようとしたら「中編」から続けるのも不可能じゃない
かも知れないというあたりで、冒頭に少し付け加えて、中身はその
ままにしてます。