湯せんして溶かしたチョコを型に流し込む。
冷蔵庫で冷やして固まるまで待つ。
固まったら型から出して。
飾り付けをして出来上がり。
「ふーん、手作りチョコ?」
「……いつからいたんですか? 詩子」
「ついさっきだよ」
……あいかわらず唐突です。
「誰にあげるの?」
「……秘密です」
「ふーん……折原君、食べれるといいけどね」
……見破られてます。
まあ、無理もないですけど。
「あれ? でも、あんまり甘くないね」
「そうですか?」
詩子が、ボールに残ったチョコをつまみ食いしながら訊ねます。
「いつもだったら、もっと甘くするんじゃないの?」
「……今回のは、いいんです」
そんなに甘くなくても。
……二人で食べれば十分甘いですから。