いつもと同じ朝。
相変わらずオレと長森は走っていた。
長森とどうでもいいような話をしながら走るオレ。
「浩平、前!」
そして、いつものようにオレにそう言う長森。
え、前?
「きゃ!」
ズドーーーーーーーーーーーーーン!
衝突。は、回避できた。しかし、相手の方は勝手にオレを避けようとしてその場で転んでしまったようだ。
まあ、いいか。
どうせ七瀬だし。
「あいたたた…。あ、ごめんね」
あれ?
やけに素直な七瀬だな。
「私がよそ見してたから…怪我はなかった?」
「お、おう…」
七瀬じゃない。あ、良くみればうちの制服を着ているし…。
「転校早々ついてないなぁ。あ、あなたたちも同じ学校なんだね」
…転校生?
「あれ?柚木さん?」
違うぞ、長森。これは転校生だ。
大体、この顔のどこが………………。
「…柚木じゃないか。うちの制服なんか着て、一体どうしたんだ?」
「はぁ?」
「…そうか、そう言えば転校するとかしないとか、前に言っていたっけな。そうか、とうとう合法的に学校に侵入してきたのか…」
こうやってオレの平穏な生活がまた一つ消えていくのか…。
「はい?」
「あ、浩平っ、もう時間だよ!」
そう言えば、既に結構ギリギリの時間で走っていたんだっけ。
「おっと、いかん。長森、走るぞ」
「うん…じゃあ、柚木さん。またね」
***
裏山越えルートで走りに走ったおかげで、教室についたのはいつもと同じ位の時間だった。
ひょっとしたら今までの最短記録を樹立したかもしれない。
「おっす、七瀬」
「あ、おはよ」
自分の席につく。
教室を見回し、オレは信じられないものを見た。
「あ……」
「どうしたの?」
七瀬が不思議そうな表情でオレの事を見ている。
が、そんな事はどうでもいい。
「柚木ーーーーっ!」
「はい?」
南の席を占領し、後ろを向いて茜と楽しそうに話していた柚木は、オレの声に振りかえった。
「え?柚木さん?」
長森も驚いたように振りかえる。
席を離れ、南の席。つまりは茜と柚木の元へと向かう。
「…お前、一体どうやってオレと長森よりも早くここに来た?」
まさかオレも知らない近道を知っているんじゃぁ?
「うん、私も聞きたいよ」
と長森。
「は?」
不思議そうな表情でオレと長森を交互に見やる柚木。
「は、じゃなくてだな。近道を知っているんなら教えてくれって言っているんだ」
「近道?」
「どうやってオレと長森よりも先にここに来れたか、教えてくれ」
「…それ、教えたら、ここにいてもいい?」
「いいも悪いもないだろ。お前は転校して来たんだから」
「私、転校したんだっけ?」
「今朝そう言って…あれ?」
オレは柚木の全身をまじまじと見詰めた。
「…えっち」
何を勘違いしてか、胸の辺りを手で隠す柚木。
「柚木…お前、制服はどうした?」
柚木はうちの制服ではなく、今までと同じ制服を着ていた。
「制服? …着ているよ」
オレの灰色の脳細胞が急速に働き出す。
そして三秒後、答えが出た。
びしっ。と、柚木を指差す。
「さてはお前偽者だなっ!」
「偽者?」
「浩平言ってることが意味不明だよ」
呆れたように溜息をつく長森。
「…浩平。この詩子は本物です」
今までオレたちの話しを黙って聞いていた茜が口を開いた。
「いや、しかしだな」
「偽者はあそこにいます」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
KOHです。
今回は引きます。って、そんな大層な話しじゃないんですけど(^_^;
でも、みなさん、ペース早いですねぇ。ちょっと目を離した隙に5頁分もたまってしましました。
以下感想です。
@だよだよ星人さん
好き好き郁未先生! 2
浩平と長森のやり取りが笑えました。で、更にその後の澪、先輩の会話で爆笑させていただきました
好き好き郁未先生!3
みさき先輩、すごいですね。
澪、可愛いです。詩子も良い。でも茜がとてもいいなぁ。
@WILYOUさん
チェンジ!2(中編)
住井も自業自得と言うか…。
しかし、茜って何?(笑)
チェンジ!2(後編)
住井、妙に元気だなぁ。まあ、ある意味では目的達成したわけだからOKか。
次回は不可視の力を応用した武器で脱走ですか?(笑)
うららかな午後に
南ってそういう顔なんだろうか…
触覚…しっぽ。長森の反応に大笑いさせていただきました。
@いけだものさん
続 幼なじみの運動会
長森の一人称がとてもらしいですね。みさき先輩のパン食い競争ってのはなんか、みさき先輩ならやりそうで笑ってしまいました。
祭の後
予想外に浩平のダメージがないのでびっくり。
住井(だろう)。生ぬるいぞぉ!(笑)
ゆきみとみさき
パン食い競争…私の想像のはるか上を行っていました。お見事です。
深山さんとみさきさんの友情に感動です。
@スライムさん
悪あるところに必ず正義あり(3rd)
一体、どんな話し合いがもたれたのか、とても気になります(笑)
アウトドア・ライフで彼女たち、野生にかえったりして(笑)
Moonな日々−2−(中編)
MOON.は小説版を読んだだけなのですが、あの話しの通りだとそろそろ瑞佳、浩平共に貞操の危機ですか?
@GOMIMUSIさん
心ください・4回目
とても良い終わり方ですね。そこに至るまでの流れもとても良かったです。みんな生き生きしてたし。ちなみにこのお話しでKOHがもっとも気に入ったのは茜でした。
@まてつやさん
怪盗ミラクルルミ4!
C子の最後の台詞がとても好きです(笑)
この後、どうなって行くのか、思わず色々想像してしまいました。
茜様がゆく!
なるほど。売れない商品は…。でも一体茜はどんなジャンルに挑むつもりなんでしょう?つーか、一応犯罪だぞ、それ(^_^;
@藤井勇気さん
まずはお帰りなさいませ。
特別企画氷上シュン無謀SS3
浩平「…そ、そんなこと、絶対に無理なんじゃ……」
うん、うん。『絶対無理なの』思わず澪モードに入ってしまいました(笑)
@もうちゃん@さん
勝利者その名は・・・
浩平と瑞佳の会話。特に世界情勢に対する瑞佳の認識と、浩平の返事の所がとても笑えました。って、全部笑えたんですけどね。
@雫さん
校内ミスコンテスト(その1)
七瀬〜、そのミスコンに勝ってもきっと乙女とは思ってもらえないぞ〜(笑)
しかし、とうとうサボテンが実戦配備される様になりましたか。
雪の終わる季節
でも、それはエゴじゃない。失ったものや時を取り戻そうとあがくのは罪じゃない。
それに深山先輩はきっとみさき先輩にとってはなくてはならない友人なんだと思う。
…と言ってあげたくなりました。感動しました。
@ここにあるよ?さん
第一回早食い大会!!6
みさきさん、本当のこと言われて怒るなんて(笑)
でも、もしも時間無制限だったらみさきさんには絶対勝てないような気がします。
@天ノ月紘姫さん
あなたへの手紙
こんなもん貰った日にゃ、何をおいても戻ってくるでしょうね。
瑞佳の寂しさ、悲しさがストレートに伝わってきました。
@偽善者Zさん
前回の感想で、名前とタイトル逆転、あまつさえ敬称略。申し訳ありませんでした。
浩平犯科帳 第一部 第十三話
おおっ、浩平が仕事している(笑)
木炭ですか。筆じゃ大変だろうなぁ、とか思っていたので納得です。
ディープ・インパクト
1番。びしっ!ヨクデキマシタ!(笑)。
2番は現実にありそうで怖いです(笑)
3番は、判りません。日本語?
@火消しの風さん
涙を超えてNO.4
そりゃ、誤解するよなぁ…
しかし長森、お前まで誤解するんじゃない!(笑)
では