ども。KOHです。
さて、再び、時系列無視のSSです。
ああ!石を投げないでください(^^;
それと、多分どなたかとネタが被っていると思います。ごめんなさい。
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その日、いつもの様にオレが眠気と戦いつつ、そろそろ降伏勧告を受け容れようか、それとも居眠り防止装置に手を伸ばそうかと考えている時、住井がメモをよこして来た。
なになに。
くじ引きでXX温泉の宿泊券を入手。
折原も連れて行ってやるから以下の条件を満たせ。
券は全部で六枚。オレとお前で二枚。
後の四枚だが、この券は女性だと一枚で二名様。ご招待券になる。
そこで君の使命だが、女性八名を確保、次の週末、土曜から日曜いっぱいまで一緒に行くメンバーを探しだせ。
ふーん、温泉かぁ…しかし、八名ってのはきついなぁ…どれ。
オレはそのメモを七瀬に回した。
あれ、しまった。良かったのかな…ま、いいか。
次の休み時間
「ねえ、折原、ちょっと廊下に来て」
「ん?ああ」
「さっきのメモだけど、当然男子と女子は部屋は別々よね」
「普通、そうじゃないか?高校生にもなって同じ部屋って事はないだろうし、全部で十人なんて大所帯じゃ一部屋に押し込むのも大変だ」
オレがそう答えると、何やら七瀬は考え込み出した。きっと温泉で乙女の玉の肌を磨いて、なんて事を考えているに違いない。
「分かったわ、私は保留にしておいて。他のメンバーを見て考えるから」
「OK。住井にそう言っておくよ」
さて、後七人…か。
昼休み、いつもの様に長森と七瀬の弁当を狙う。
最近では、おかずの交換をするからいいんだもん。と開き直って長森まで七瀬のおかずに手を伸ばす。
七瀬もあきらめたのか、おかずだけ別の入れ物に入れてあり、量も多めである。
「これ、七瀬さんがつくってるんだよね。凄いなぁ」
長森は感心したように七瀬のおかずに手を伸ばす。
「そうだな。七瀬のおかずって妙にうまいんだよな。長森も見習え」
と、七瀬の唐揚げを奪い取りオレ。
「えー、私だって自分で作ってるもん」
今度はりんごのウサギに手を伸ばす長森。
「お前のは基本、冷凍食品だろうが」
お、しゃけの切り身の尻尾発見。
「あんたらねぇ。ちょっとは遠慮なさい!」
といいつつ、七瀬も…いや、七瀬はいいのか。自分の弁当だし。
そんなこんなで和やかにランチタイムが過ぎていく。
食後、七瀬はオレンジジュース。オレはカフェオレ、長森は牛乳を飲みながらのんびりと話をしていた。と、七瀬が急に思いついた様に長森に話しかけた。
「所で瑞佳は温泉、どうするの?」
「何?何の事?」
「あ、そうか、まだ長森には話してなかったな」
オレは住井メモを長森に渡した。
「…へえ、七瀬さんも行くの?」
「メンバーによるわね」
「うーん。じゃ、私、七瀬さんが行くなら参加って事でいいかな?」
「分かった。覚えとくよ」
おし、後六人。
放課後。オレは一緒に温泉に行きそうなメンバーを探す旅に出た。
さて、とりあえず澪でも誘ってみるかな。
オレは演劇部の部室に向かった。
「ひどいよ、雪ちゃん!」
演劇部の部室からそんな声が聞こえてくる。
「どっかで聞いたような?」いや、しかし…。とりあえずドアを開けてみる「失礼しまーす」
すると。
「あれ?浩平君?」
「あ、やっぱり先輩だったか。先輩、演劇部だっけ?」
「違うよ、私はここの鬼部長に強制労働させられてるんだよ」
「だーれーがー、鬼部長だって?」と深山先輩。「みさきが、借りた昼食代の代わりに働かせてくれって言ってきたんじゃない」
みさき先輩の昼食代?
「…深山先輩も大変ですね」
「分かってくれて嬉しいわ」あ、みさき先輩拗ねてる。「…ところで折原君は何しに来たの?」
「あ、澪、上月さんに用があって…」
とてとて、と、スケッチブックを抱えた澪がやってきた。
「OK、今日は台本渡すだけだったからもう解散だし、いいわよ」
「あ、ども。えーと、澪、これ見てくれないか?温泉の宿泊券が当たって、今度みんなで行こうって話しになったんだけど…」
『温泉行きたいの』
「まあ、急な話しなんだけど…」くいくい。と袖を引っ張られる。「え?」
『温泉行きたいの』
「ああ、分かった。じゃあ、住井に話、通しておくよ」
「へぇ、温泉かぁ」と深山先輩。「ただ券があるんだ。私も行っていい?」
「あ、そりゃもう、大歓迎です」と、オレは深山先輩の横で恨めしそうな表情をしているみさき先輩に気付いた。「…みさき先輩。先輩も行かない?深山先輩がいれば温泉も安心して入れるだろうし」
「う…うん。行くよ。もちろん」
よし、これで後三人か。
その日、他に行きそうなメンバーを見つけることの出来なかったオレは、一度教室に戻り、カバンを持ってから昇降口に向かった。
その昇降口で、オレは茜と柚木を見つけた。
うーん、茜は乗ってこないような気がするんだけど、ま、いいか。
「おーい、茜、柚木」
「あれ?折原君じゃない」
「…何か用ですか?」
「いや、実はこんな話しがあるんだが…」
と、二人に住井メモを渡す。
「へー、温泉だって」
柚木は熱心にメモを見ているが…茜はその隣で外を眺めている…やっぱり。
「で、茜達はどうする?」
「茜、行こうよXX温泉だって」
柚木が茜にメモを見せながら言った。と、茜が急にメモに反応し、柚木の手から奪い取るようにしてメモを読み始めた。
「…XX温泉」食い入るようにメモを見つめる。「行きます」
「お、おう。ちなみに、今のところ長森・七瀬が保留。みさき先輩に深山先輩。それから澪、柚木、茜が参加表明をしているぞ」
「あ、長森さんと七瀬さんも来るんだ。澪ちゃんも一緒かぁ。澪ちゃんの私服って可愛ーんだろーなー」と、柚木。さすが茜の幼馴染。茜の豹変にも動じていないようだ。「知り合いが一杯いると気兼ねしなくていいから嬉しいね」
気兼ね?なんか今、柚木に一番縁遠い言葉を聞いたような気がする。
「ま、詳しい話は明日住井からあると思うから」
おし。後一名。
しかし、もう校内は探し尽くした。
街中をふらついても収穫があるとも思えない。
仕方なく、オレは家に帰った。
トゥルルル…
もう、寝ようかと思っていたら電話がなった。
こんな時間にかかってくるって事は長森か。
「はい、折原」
『あ、浩平だね?』
案の定だ。どうせ、明日の準備は寝る前に。とか。宿題の心配とかをしてるに違いない。
「ああ、どうしたんだ?明日の準備ならちゃんとしてあるぜ」
『そうじゃないよ。あのさ、今日の温泉の券ってまだ余っているのかな?』
「んー、後一名分」
『じゃあさ、繭。繭を誘ってもいいよね?』
そうか、すっかり忘れてたぜ。
「椎名か?んー、ま、いいんじゃないか…あ、待て。誘っても良いけど、七瀬には秘密にしとけ」
『どうして?』
「ほら、あいつ、繭のこと嫌いじゃないくせに、照れて素直じゃないところあるだろ?」『うん』
「だからさ、繭が来るとか言ったら。じゃ、私行かない。とか言いかねないぞ」
『そうかなぁ…大丈夫だと思うんだけど』
「それに知らないで久しぶりに会うほうが驚くだろ?」
『うん。そうだね。分かった』
「じゃあ、繭への連絡、よろしくな」
『うん。じゃあ、浩平、明日は寝坊しないでね』
「善処する。じゃな、お休み」
『おやすみなさい』
おし。これで全員分だ…って、良く考えたらオレ、温泉なんて興味ないのになんでこんな事をやってたんだ?
ま、いっか。みんなでわいわいってのも悪くないかもしれないしな。
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KOHです。
この話、後最低4回は引きます。
次回は繭視点でちょっとだけ進みます。
以下、感想です。
@天ノ月紘姫さん
わっふるな午後(その6)
どうなるみさき先輩!許すまじエプロン軍団!!
しかし、同じワッフルを美味しそうに食べていたという事は、実は茜って(^^;
@T.Kameさん
The Third Child
まさか南君まで…?
でも南君、名前も覚えてもらえてなかったのね。不憫だ…(;_;)
ところで、あの人は一人目?
@よもすえさん
ありえないよ。の茜空(3)
茜と長森の会話。いいですね。長森ファンになってしまいそうです。
んで、詩子と茜の会話もいいです。でもそー言えば、詩子、無事に卒業できるんだろうか?
@もうちゃん@さん
ミズエモン「乙女と殺戮の狭間で・・・」
どうしてみさき先輩には効かなかったんだろう?目が合わないと効果ないのかな?
でもって次回作。みさき先輩ですね?楽しみにしてます(^^)
@火消しの風さん
涙をこえて NO.2
さて、これから繭がどう動いてくれるのか。それとシュンと浩平の妖しい関係の行先は?
うーん、後者はともかく前者は非常に興味あります。
@GOMIMUSIさん
ONE of the Daydreamers
七瀬が妙に格好いいですね。SSで七瀬が格好いいというのも実は珍しいのでは(不憫な…)。
言葉をもった澪。というのも気になりますね。これからどうなってしまうのでしょうか。
@いちごうさん
戦う乙女たち!!
とても楽しく読ませていただきました。いやぁ笑った笑った。
繭の攻撃は効きそうですね。それにしても長森・茜。どーしてそこにいる。
それによりによって先輩にあんな技かけるなんて…自殺行為(^^)