約束〜澪〜 投稿者: keit
あなたがいない世界。
それでも季節は巡り過ぎてゆく。
わたしは待ち続ける。
あなたの帰りを。
あなたは約束を守ってくれたから。

それは遠い日の記憶。
公園のブランコに一人で座っていたわたし。
その前に現れた男の子。
一冊のスケッチブックを差し出してくれ
青いクレヨンとともに貸してくれた。
一週間だけ借りる約束。
でも約束は守られなかった。
彼は現れなかったから。

わたしの口はなんの言葉も紡ぐことはできない。
だから誰とも心を通じ合えない。
そう思っていた。
そしてわたしは心を閉ざした。

彼に会い「ありがとう」と言いたい。
今のわたしがあるのは彼のおかげだから。
紙に文字を書き気持ちを伝える。
たったそれだけのこと。
けれど大切なこと。
だからわたしは待ち続けた。

優しくてちょっと意地悪なあなた。
わたしを見守ってくれる。
でも、あなたは誰?
曖昧になってゆく記憶。
そしてわたしは彼を待ち続けた。

その日はやってきた。
『約束守れなくてごめんな』
スケッチブックの切れ端に青いクレヨンで書かれた文字。
わたしの大切な人。
本当に好きな人。
なぜ忘れていたのだろう。
つながる記憶の糸。
彼はあなた。
あなたは約束を守ってくれた。
でもあなたは消えてしまった。
わたしの心以外からは。

けれど、わたしは待ち続ける。
あなたの帰りを。
あなたは約束を守ってくれる。
きっと今度も・・・。

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はじめましてkeitです。
SS書くの初めてなので、拙い文章ですがお許しを。
素晴らしい話をもとにシリアス書くのは難しいです。
澪ファンの方、イメージ崩してしまったらごめんなさい。
澪だけゲーム本編のエンディングで語らないのでそれを意識して書いてみました。
澪の口調がちょっと大人びた風になっています。
1行空いてるところはシーンが変わったのだと思って下さい。
感想などありましたらメールくださるとうれしいです。
また書くかどうかは全くの不明なのですが、まあ反応次第でしょう。
なんか、前もって謝ったりフォロー入れ過ぎですね。