いやなやつ。自分勝手なあいつ。わがままなあいつ。
誰のことだろう?。
最近自分が空回りしている気がする。
何かが変わってしまった。なにが?。わからない。
明日茜に会いにいってみよう。
「茜―っ」
茜の学校。以前はよく来ていたけど…、
「詩子…」
茜は最近元気が無いようにみえる。
茜だけじゃない。永森さんもなんだかよそよそしい。
この教室自体慨然と違っている様にみえる。
ふと窓の方に目を向けた。
「折原君…来ていないんだ…。」
そうよっ。わがままなあいつ…。自分勝手なあいつ…。
なんで忘れていたんだろう。
「詩子っ。…覚えているの?。」
茜の問いに答える事が出来ない。茜の表情が悲しげに曇る。
気づいてしまった。もう逢えない事に。
この一年私たちは折原君の事を話さずに過ごした。そんな人いなかったみたいに…。
雨の卒業式。茜の学校も今日が卒業式だった。そう、一人足りない卒業式。
帰りには雨が上がっていたので茜を誘った。でも行き先は茜に任せた。
雨上がりの商店街で茜は何度も立ち止まった。私はそれを黙って見ている事しか出来ない。
雨上がりの公園は少し風が出て心地がよかった。
少し高台になったそこからはこの町が見渡せる。
「茜―!。虹が出てるっ。」
向こうの空に掛かる虹。でもそれだけじゃない。
その手前に立つ人影。
わがままな人…。
「…おかえり。」
自分勝手な人…。
「ただいま。」
茜が待っていた人…。でも、私茜を恨んだりしない。
「遅いじゃないっ。今日は折原君のおごりねっ。」
だって茜は親友だから。私は折原君が大好きだから…。
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詩子ファンの皆様に送る詩子SSです。
茜スキーの方には申し訳ありませんが茜をだしに使ってしまいました。
それにしてもなんかいまいちだなぁ。
さてこの後浩平を賭けて詩子VS茜の戦いが始まるのですが、(^^;)
正直言って書きたくないですねぇ。
続きを書こうと言う、つわものが居りましたらどうぞ。
感想などありましたらメールください。(ボードでもいいけど。)