『地球が静止するかもしれない日』 MOON.+ONEinG 投稿者: HMR−28

この物語は、世界征服を企む秘密結社、通称「RM団」に対抗すべく
世界各国の協力の元に設立された「国際警察機構」に属する【エキスパート】達の物語である!

…国際警察機構上海支部。
ここでは現在RM団に対抗するための「秘密兵器」の開発を行っている。
そして、その「秘密兵器」の情報を奪取するためにRM団も動き出していた…


−七月十二日 午後九時二十二分 国際警察機構上海支部 第一司令塔−

 ヴィーーーーーーーッ! ヴィーーーーーーーーッ!

「…何事です?」

「里村長官! 敵の侵入です! 
 速過ぎるっ! 既に第弐ゲートを突破されました!」

オペレーターが狼狽して叫ぶ。

「状況を確認してください。敵の数は?」

ディスプレイに続々と被害状況が報告される中、里村長官…里村茜は冷静に情報を確認する。

「現在確認中………確認しました! 敵の数は…二人ですっ!」

「(たった二人…? まさか…十傑衆?)」

「映像、確認しました! ディスプレイに出します!」

ディスプレイに炎の中に立つ二人の影が映し出される。

「映像情報を分析…出ました! 【RM団十傑衆】−『衝撃の晴香』、及び『激動たる鹿沼』です!!!」



 ズガガガァァァァァァン!!!

派手な爆発とともに基地施設が2、3棟まとめて吹き飛ぶ。
二つの影が侵入してわずか五分、既に辺りは火の海と化している。

「ふん、話にならないわね」

飛んできた対戦車ミサイルを人差し指で弾き飛ばしながら「衝撃の晴香」−巳間晴香が笑う。
はるか後方で爆裂四散する対戦車ミサイル。

「…晴香さん。あまり派手にやりすぎないようにお願いします。」

「鹿沼葉子。あなたの指図は受けないわ。
 ほんとなら私がここにいる理由は無いのよ。
 兄のことさえ無ければね…」

「………」

それを沈黙で返す葉子。

「それに秘密兵器奪取の際に国際警察機構の支部が一つ全滅したぐらいじゃ、
 計画に変更は無いはずよ。
 全ては我ら【赤き月】のために、ってね」

苦笑しながら晴香。

「【主】の意志は絶対です」

「分かってるって…
 私も郁美のようにはなりたくないもの…」

「…では私は目標に向かいます」

葉子が速度を上げる。

「私は…もう少しここで遊んでいくわっ!」

気合とともに晴香の体から不可視の衝撃波が発生する。
それが国際警察機構の戦闘車両を数台まとめて粉砕させた。



「旗色が悪いみたいですね…七瀬さん達は?」

「現在こちらに向かっています…ただし、間に合うかどうか…」

「………」

考えむようにして茜が椅子に身を埋める。
その時司令塔の扉が開いた。

「みゅーっ!」

そんな声と共に一人の少女が現れる。

「椎名博士… 『秘密兵器』の状況はどうですか?」

現れた少女は「椎名繭」、
『秘密兵器』計画の担当博士である。

「みゅー…(現時点で稼働状況は99%、いつでも動かせるわ。
      でも肝心の操縦者がいなけりゃどうしようもないけどね…)」

「…そうですか。しょうがないですね。
 全員撤退。
 その後この基地を放棄−爆破します。」

そう言って、席を立つ茜。

「里村長官!どちらへ!?」

オペレータの質問に振り向く茜。
そして口を開く。

「私が撃って出ます」


 
 バキィィィィィ!

閉鎖用隔壁がベニヤ板のように弾け飛ぶ。

「手応えが無さすぎる…一体国際警察の『エキスパート』は一体何をやってるの?」

数十枚に及ぶ隔壁を一気に貫きながら晴香が呟いたその時。

「そこまでです」

燃えさかる火の中に立つその影は、紛れもなく里村長官その人。

「ほう…、やっと手応えのあるのが出てきたわね…
 …それぐらいじゃなきゃ、
 面白くないっ!!!」

 ブゥゥゥゥンッ!

幾重にも重なった見えない衝撃波が茜に向かって襲いかかる。
 
「…嫌です」

 チュィィィン!

だがその衝撃波は茜の前に現れた壁によって弾かれる。

「おのれ!『絶対拒否障壁』かっ!
 ならばっ!」

一瞬にして数十メートルの間合いを詰める晴香。
そのまま衝撃波を纏った右腕を大上段に振り構えて、茜の頭部を狙う。

「…嫌です」

 ガキィィィン!

「ぐっ!」

またしても障壁に阻まれ、飛びすさる。

「それで終わりですか?
 …では…こちらから、行きます」

−『それには及ばないの』

対峙する二人の間に、そう書かれた一枚の紙が落ちてくる。

「何っ!?」

上空を見上げる晴香。

「…上月さん…七瀬さん、間に合いましたか」

そして空から無数の紙−スケッチブック−が舞い降りてくる。
その空を舞い散る紙の中から…

「こんなやつ『静かなる里村』の手を煩わせるまでもないわっ!
 私達で充分よっ!
 天に十六、地に八方! ウォーフォーツーベーイイーチャンガ!」

『悪漢どもに仏の情けは無用なの』

 ジャキィィィン!

超分子高周波竹刀−『七瀬』を構えた国際警察機構エキスパート「七瀬留美」が躍り出る。
そしてそのまま上空から晴香に向かって一閃−

「でやぁぁぁ!チェストォォォォ!」

「ちっ!」

 ブォォォォォォン! ジィィィィィィンッ!

空気が激しく振動する音が辺りに響く。
衝撃と衝撃がぶつかり合い、周りの空気が発熱、プラズマ化している。

「甘いっ! 
 この程度の力で私に勝とうなどと…
 何ぃ!?」

いつの間にか、晴香の体に無数のスケッチブックの紙がまとわりついていた。
その一枚一枚には『動けないの』と書かかれている。

「くっ! 体がっ! 
 符術かっ!」

『今なの』

「承知!
 七瀬流奥義其の壱ぃ! 
 物質裁断! ティアー・ザ・テレフォンディレクトリィィィ!」

七瀬の竹刀が晴香を上から下に袈裟斬りに斬る。
 
 バッシュゥゥゥゥゥゥ!

だがそれは舞い散るスケッチブックを斬っただけだった。

「えっ!?」

狼狽する七瀬。

「撤退します」

…上空から声が聞こえる。
見上げると、鹿沼葉子が晴香を抱えて滞空していた。

「鹿沼葉子! 貴様何のつもりだっ!?」

激昂した晴香が葉子を問いただす。

「作戦は失敗です」

そう言い放つ葉子の上に巨大な影が覆い被さる。
その影は、あまりにも大きい。

「…なるほどね」

その影を見て晴香も理解したようだ。

「後は高槻に任せます。」

「高槻か…」

晴香がはっきりと分かるように顔を歪める。

「しょうがない…勝負はまた次…ね」

…そしてその「影」が姿を現した。

「はぁっはっはっはぁ! 主人公は最後に現れるものっ! 
 折原浩平ここに推参!」

その巨大な影の手の平に仁王立ちしている人物−「折原浩平」(なぜか半ズボン)が叫ぶ。

「え〜ん、何で私こんな役なのぉ」

そしてその涙ながらに訴えている巨大な影こそが、国際警察機構が秘密裏に開発を進めていた、
人型汎用決戦強化外骨格兵器−っていうか巨大ロボ!
ジャイアント長森!

「長森!
 叩けっ!長森パンチだっ!」

身に付けている腕時計型通信機に向かって叫ぶ。

「え〜ん、そんな技知らないもん!」

ジャイアント長森が泣きながらその数百トンはある腕を、
晴香を抱えている葉子に向かって振り下ろす。

「それではまたお会いしましょう…」

その腕が直撃する寸前、葉子は晴香と一緒に自らのマントの中に姿を消す。
そして残ったマントも空間に収縮するようにして、消えた。

空を切る長森パンチ。

「逃げたの?」

竹刀を納めた七瀬が、スケッチブックを持って隣に立っている澪に聞く。

『分からないの』

「…いえ もう来ました」

里村長官があらぬ方向を見て呟く。
そしてその方向から聞こえてくる音、地響き。

「…え?」

全員がそちらの方向を向く。

 ズシン…ズシン…ズシン…ズシン

近付いてくる地響き…そして…
その巨大な物体の上で仁王立ちしてる影一つ。

「はぁっはっはっはぁ! 待たせたね諸君! 
 十傑衆が一人! 『素晴らしき高槻』ここに参上!」 

「…なんか浩平に似てるね」

長森ロボがぽつりと呟いた。

…続くかも

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ども、お久しぶりのHMR−28です(^^;
何を思ったのか急にこんな訳のわからないパロディSSを書いてしまいました(^^;
しかも元ネタがマイナーなのでかなりダメダメかも(^^;
一応元ネタが分からなくても話は通るようにしました。
しかも一部のFCのみなさんから総攻撃を喰らいそうな内容です(爆)
一応二つ目のSSですが、前回よりヤバイ気が…(笑)
とにかくなんでも良いので感想、ツッコミ、毒電波、その他頂けると嬉しいです〜

PS 今回出てないキャラは続きで(笑)

http://www.alphatec.or.jp/~kouhei/index.html