永久(とわ)よりここへ 投稿者: HMR−28
 …僕は幸せだったんだ。

(滅びに向かって進んでいるのに?)

 いや、だからこそなんだよ。
 それを、知っていたからぼくはこんなにも悲しいんだよ。 
 滅びに向かうからこそ、全てはかけがえのない瞬間だってことを。

 こんな永遠なんて、もういらなかった…
 だからこそ、あのときぼくは絆を求めたはずだったんだ。

 オレは…

 (でも、ここに来たんだよ)

 そう、確かにそうだ。
 
 (そしてここはあなたの世界なんだよ)

 そう、ぼくがあのとき望んだ、えいえんのせかい…
 
 そして、今のオレには、もう必要ではない世界…
 
 (じゃあ、どうしてここに来たの?) 

 …わからない。
  
 でもやっぱり、オレは怖かったのかもしれない。
 大切なものが壊れるのを、もう二度と見たくなかったのかもしれない。
 だから壊れる前に自分からそれを捨てて、この世界に来たのかもしれない。  

 (じゃあ、やっぱり無理だよ…この世界はあなたが創ったんだから…)

 …でも、だからこそオレが終わらせなくちゃいけないんだ。
 …既に終わっている、この世界を完全に終わらせるために。
 …オレはそのためにここに来たのかもしれない。
 
 それに、約束したんだ。

 (やくそく?)

 そう、大事な人との約束。

 (そのやくそくは、あたしとのやくそくよりも大事なのかな?)

 ああ。
 
 とても大事な約束なんだ。
 
 必ず戻って来るって。

 絶対に破れない約束なんだ。

 (そうなんだ じゃあ、きっと戻れるよ)

 この世界を捨ててでも戻らなきゃいけない。
 
 (そしたら 私はどうなるのかな?)

 …多分、消えてしまうと思う…

 (うん そうだね、ちょっと寂しいけどね)

 キミは何でも分かってるんだね…

 (そうだよ だってあたしはあなたの一部なんだから)

 キミはそれで平気なの?

 (うん、あたしはそれが役目だもの)

 そんな…
 
 (言い方が悪かったかな… 私が消えるとき、それはあたしの願いが叶ったときなんだよ)

 願い…?

 (えっとね、あなたが泣きやむこと)

 …そうか、僕はまだ泣き続けていたんだ…

 (うん、でももう大丈夫みたいだね)

 うん、なんとかやっていけそうな気がするよ。

 (それにあたしは消えるわけじゃないよ、あるべき場所に戻るだけ)

 そう…確かにそうだね…

 (じゃあ、さよならだね)

 そうか…本当にさよならなんだ…
 …もう、キミとは会えないのかな? 

 (うん、多分永遠にね 
  でも、あたしはこれからもずっとあなたの中にいるよ
  …あるべき場所に)

 そうか、少しだけ…安心したよ。
 
 (さあ、もう行かなきゃ あまり待たせちゃかわいそうだよ) 
 
 ああ…でも本当に帰れるかな?
 
 (途中まで一緒にいく?)

 いや、いい。
 
 必ず戻ってみせる。

 (うん)

 …そして彼女は笑顔で微笑んだ。
 
 …涙はもう出なかった
 
 …それがキミとの約束だったから


『ありがとう…みずか』

『そして…さようなら…みずか』



どうもHMR−28です。
SSなんてものを書いて投稿するのはこれが初めてになります(^^;
みなさんが素晴らしいSSをどんどん投稿されるのに刺激されて、
筆を執って駄文を書いた次第です(^^;

話的には「みずか」との最後の決別の部分です。
なんか訳分からないところもあるでしょうが(^^;
そぉういうときは容赦なくツッコミを入れてやってくだい〜
最後ベタベタだし(^^;
個人的には、主人公がこっちの世界に戻るときに、
永遠世界の「みずか」がなぜかおまけでくっついきて一波乱やらかす(笑)
というネタもやりたかったのですが技量不足により出来ませんでした(^^;

というわけで感想ツッコミ等、お待ちしてます〜

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