【119】 D.S chapter.3
 投稿者: GOMIMUSI <underthesun@pop02.odn.ne.jp> ( 男 ) 2000/4/11(火)00:50
  act.6


 風が吹き荒れていた。
 空を、暗く重い雲が荒々しく疾駆している。光はまだ見えない。夜明けを過ぎて、ようやく周辺が見えるようになったものの、いまだ夜は支配の手を解かなかった。
 山の斜面にそって続く広大な樹海。おそらく、人が踏み込むことは絶えてなかったのだろう、育つままに天をつくまでになった巨木が枝を茂らせ、大地をおおうそのただ中に、ひときわ威容を誇る大樹があった。
 名も知れぬその樹は、想像を絶するほどの年月をその幹に刻みながらそこにあった。天蓋のように繁茂する枝葉はどれほどの広がりがあるのか、見ただけでは判然としない。高く、高く天へ向かってのびる梢…その先に、哀しいほど小さな生き物の影があった。
 ゆったりと編んだ長い髪が、風にほつれるのを気にしながらその影は遠くを見ていた。突然樹海が切れ、壁のように山の稜線が並ぶその境界。彼女は、目を細めながらじっと動かなかった。やがて、下に目を向ける。
 微かに口笛の音が聞こえたと思った。呼ばれているのだ。樹の肌に添えていた手を離し、その場で一歩を踏み出す。虚空に浮かんだその身体は、少しの間をおいて落下し始める。しかし重力に従ってではない。枝の間を縫いながら羽が舞うように下へ、下へと軽やかに、素早く降下していく。
 ほどなく、地上に到達し、つま先から少女は地面に降りる。その目の前に、彼女がよく知っている焦げ茶の髪の少女がいた。
「どうだった? アリザ」
 問われて、アリザは首を振る。
「風が強すぎます…すぐに嵐になりそうです。このままあの子で山越えをさせるのは…」
「でも、出発するわ」
 いらだたしげな声が、途中で割り込んだ。短い髪の、どこか底意地の悪そうな顔をした女が後ろのほうで腕を組んでいた。
「これ以上納期を遅らせるわけにはいかないのよ。ただでさえ、夜に移動できなかった分遅れているんだから」
「仕方ありません。星が見えなければ、迷いますから」
 アリザはさらりとかわす。ただでさえ、夜に空を飛ぶなど常識外のことではあるのだ。グリフォンなど、翼を持つ騎乗動物でも夜は動かないものがほとんどなのだから。
「誤算だったわ。こんなに天候が悪化するなんて…」
「大陸中心から、どんどん広がっているみたいですね。じきに、本格的に荒れます」
「でも天気なんて、遅れる言い訳にはなりませんからね。もう出発するわ」
 ぴしゃりと言う相手に、アリザも黙る。彼女はヒルダと名乗った。大陸中を巡回して商品となるものを求め、各地で売りさばく隊商の頭である。
「でも大丈夫かなあ。グリフォンって重いんでしょ。高い山を越えるのは大変じゃない?」
 アリザの背後で、シトローネが不安げに言った。外見に反して、彼女は空を飛ぶ動物が苦手である。
「大丈夫よ、あの子は特別だから」
「特別…?」
「いいから、準備して。時間が経てば経つほど、天気が悪くなるじゃない」
 何かを追い払うような仕草でヒルダは手をひらひらと振った。
 アリザはふと、くいくいと服の裾を引く小さな手を感じた。目をしたに向けると、小さな少女の顔があった。その顔に不釣り合いなほど、大きなすみれ色の瞳が不安げにアリザを映している。ふと、アリザは微笑した。
「はい。急ぎます」
 顔を上げる。じっと自分を見ている、シトローネの視線があった。
「なんですか?」
「う、ううん、別に…」
 言葉を濁そうとするシトローネ。しかし、言いたいことは何となく分かる。
「意外、ですか?」
「ううん。アリザってもともとやさしい子だし…でも、前にマイオちゃんに冷たかったような気がしていたから」
 あまり表情を浮かべないアリザの顔。それが、この地族の少女、マイオに向けられるときひどく温かなものになることがある。それが、シトローネには新鮮に見えたのだ。
「…彼女には、借りがありますから」
「え? アリザ、マイオちゃんのこと前から知ってたの?」
「違います」
 アリザは首を振る。
「私達みんなが、返しきれない借りを彼女の一族に対して抱えていますから」
 遠くで、ヒルダが怒鳴るのが聞こえた。
「ちょっと、何してるの! おいていかれたいの?」


 目を開く。気のせいだろうか…呼ばれたような気がしたのだが。
 固い床の上で、コウは起きあがった。床も天井も壁も、均一な白一色なので目を開いていると気分が悪くなってくる。壁の外に意識を凝らす…常人の数倍はあるコウの感覚は、厚い壁の外でもある程度は知覚できる。
 突然、背筋に悪寒が走った。
「な、なんだ?」
 本能に命じられるまま、床に伏せる。閃光が狭い独房の中を走り抜けた…ような気がした。と、壁に新しい線が生まれていた。前からあった扉の位置を示す線、それに重なるように斜めに走ったのは…。
「せえ…のっ」
 かけ声とともに、その線で分断された扉がどおん、と内側に倒れる。鋼鉄の扉を一刀両断にした何者かが、蹴り飛ばしたのである。扉の用を果たさなくなったその開口部から、見覚えのある顔がのぞいた。頭の左右で分けられた黒髪、生気のみなぎる、東方の血を感じさせる端正な顔立ち…。
「よし、いたいた」
 ルウはぽかんとしているコウを発見して、満足げにうなずいた。そして、コウが固まったままでいるのに気づくと、不機嫌そうに眉を寄せた。
「ちょっと、コウ。いつまで間抜けな顔見せてるつもりよ。ほら、さっさとここを出るわよ」
「………ちょっと聞くが、ルウ」
 ため息とともにコウは言った。
「俺がその扉の前にいたら、どうするつもりだった。一緒に斬られていたぞ」
「あんたがそこまで鈍いとは思わなかったけど。なんのために殺気込めて斬ったのよ」
 あっさりと返されて、コウは沈黙した。鉄をぶった斬る程度のことで驚くコウではないが…。
「ほら、しゃんとしなさい。逃げるわよ」
 ルウはずかずかと独房に入ってきて、コウを立ち上がらせた。渋々立ち上がったコウは、念のために確認することにした。
「一人で来たのか?」
「当たり前でしょ。こんなところ、人を連れてなんて来られないし。だいたい、今ギルドは大変なんだから」
「大変…?」
「ちょっとコウ、本気で寝ぼけてる? 軍隊が攻めてくるのよ、最初の時の倍の数で。コウがいなくなったら、もう勝ち戦の気分で攻勢に出たんだわ」
 一瞬で、コウの顔に緊張が戻った。それを確認してルウは言葉を継ぐ。
「そういうわけで、さっさと戻ってくれないと困るの。今頃、戦闘が始まっている頃じゃないかしら」
「おまえ…だったらこんなところにいないで加勢してくれたほうがよかったんじゃないか?」
「何言ってるのよ。コウがいなければ、あいつら勢いづいていくらでも攻めてくるわ。あんたがもう一度蹴散らしてくれないと」
「………」
「どうしたのよ」
 その場から動かないコウに、ルウは怪訝な顔をする。コウは首を振った。
「いや…行くか」
「そうと決まったらさっさと動きましょ。気づかれたりしたら厄介だし」
「…ところで、よくこの場所が分かったな」
 コウが何気なく言うと、ルウの顔は複雑きわまりない表情を浮かべた。
「ええ、あたしもそれなりの苦労は覚悟していたんだけど…最初は罠じゃないかとも思ったんだけど…」
「なんのことだ?」
 首を傾げるコウに、ルウは黙って蝋の外に出ると、コウを手招きする。そのそばに歩いていくと、ルウは入り口近くの壁を指さして見せた。
 そこには木の札がかけてあり、太字で大きくこのように書かれていた。

  コウ・フラットフィールド控え室

「………」
 絶句したままのコウにルウは肩をすくめてみせる。
「こういうのがいくつかあって、その通りに来たらここだったのよ…やっぱり罠だったかしら?」
「…いいや」
 疲れ切った声でコウは言った。
「多分、何も考えてないと思うぞ…遊んでいるだけだ」


 夜明け直前に開始された戦闘では、序盤からバルハラ側が魔道士の部隊を投入してきた。それは確実に効果を上げ、ナユタ連合軍はじりじりと後退し始めていた。
「いかんな…いかん。押されっぱなしじゃないか」
 マスターは戦局を眺め渡して、大いに嘆息した。もともと、バルハラの軍は機動力の高い騎兵が中心である。それはこちらの様子をうかがっているように、まだ前面にはでていない。
「こうおとなしいと、却って不気味だな…」
 つぶやいて遠くを眺める。そして、その表情が一変した。
「ケビン」
 近くにいた青年の名を呼んで、自分が見たものを指さす。バルハラの隊列後方に、いくつか櫓のような巨大な機械が据えられている。
「あれ…なんだと思う。わしの見間違いでなけりゃ…」
「どうやら、槍の投擲器みたいですね」
 青年が答えると、マスターはとたんに立ち上がった。
「いかん…!」
「どうしたんです? マスター」
「あいつらに伝えろ。あの槍に近づくな。もしあれが使われたら、地上に落ちる前に撃ち落とせ」
「はい?」
「ありゃ、ゲイボルグだ!」
 怒鳴るような声で叫ぶと同時に、その向こうで投擲器が作動した。
 数本の大きな槍が、 緩やかな放物線を描いてナユタの軍が展開するその真ん中に落ちる。
 閃光が見えた気がした。その瞬間、無数の死が彼らに襲いかかった。大きな球形になった槍の穂先が炸裂し、無数に別れて飛び散ったのである。それは容赦なく人々を切り刻み、ぼろ切れのように変えていった。
「やられた!!」
 マスターは叫んだ。
「大型魔獣用の爆雷槍を持ち出してきやがった。あいつら、こっちを皆殺しにするつもりか?」
 そしてケビンを振り返る。
「シド、サリィ、ザックに伝令だ! 先にあの投擲器をつぶせ。真正面から当たらず、騎兵に注意しろと。次は、連中の主力がでてくるぞ!」
「は、はい!」
 うわずった声でケビンが答え、駆け出す。前に目を戻したマスターは、低いうなり声を上げた。
「本当なら、とっとと逃げろ、といいたいが…」
 しかしそれはできない。ここを通せば、ナユタ、そしてスバルまではなんの障害もなくなる。
 死守するしかないのだ。


 同じ頃、ルウ達はまだ砦の中にいた。脱出すると言っても、そう簡単にはいかなかった。
「おまえ、ここまでどうやって辿り着いたんだ?」
「そりゃ、気配を消して監視の目をくぐりながら…ごまかしきれない分は、二、三人気絶してもらったけど」
「おまえ…実は剣士じゃなくて、忍者だろ」
「源流は同じみたいね。実際、諜報活動専門で働いていたこともあったらしいし」
 簡単に状況を確認したところでは、どうやらルウが通ってきた道を、コウもそのまま通っていく、というわけにはいかないようだ。コウもある程度使えるとはいえ、とてもルウのように気配を断つことはできない。別のルートを考える必要があった。
「といっても…敵地のど真ん中ですものねえ」
 そこまで易々と乗り込んできたルウは、ここにいたって頭を抱えることになった。コウは目立ちすぎる。その体格自体は平均的な青年のものでありながら、存在感は他を圧するものがあるのだ。
「壁ぐらい越えられるわよね。人目のつかないところまで駆け抜けて、そこから外に出る?」
「それもいいが…出る途中で見つかると思うぞ」
「そうか。丸見えだものねえ」
 ふたりでああでもない、こうでもないと言いあううちに、外が騒がしくなってきたのに気づいた。あわただしく松明を持った兵達が行き交うのが、ちらちらと見える。
「まずいわね。気づかれたかな…」
 ルウは顔をしかめた。おそらく、気絶させていた看守が意識を取り戻したのだ。
「殺さなかったのか」
 ふと、コウが言う。ルウは苦い顔をした。
「当たり前でしょ。殺したら、血のにおいでかえって気づかれやすくなるし…だいたい、殺すのが好きなわけじゃないから」
「そうか」
 コウの表情が、柔らかい。それを見て、思わずルウは視線を逸らしてしまう。
「どっちにしても、このままだと見つかるわよね…」
 そうだな、とコウが同意しかけたとき、二、三人の兵士がこちらを指さしながら走ってきた。いたぞ、囲め、などと叫び交わすのが聞こえてくる。
「見つかったな」
 落ち着いた声で言うコウに、ルウは舌打ちする。
「ちょっと、そこでくつろがないでよ。どうするつもり?」
「しかたないだろ。ここでこそこそしても同じなら…最短距離を突破する」
 コウは立ち上がって、砦の門を指さした。
「あれを破ろう」
「破るって…あの大きな門を壊すの?」
「この際だ、派手にいこう」
「了解」
 それが可能なのか、などとは考えない。この男ならできる。そう自然に思えた。これも、彼らに染まってきているということだろうか?
 コウは走りながら、吼えた。
「どけえっ!!」
 駆け寄ろうとした兵が、その声に打たれたように立ちすくむ。その隙をついて、兵士の一人をつかみ上げると、その後ろにいた兵達に向かって投げつけた。いっそ見事なくらいに巻き添えを食らった数人が後ろへ吹き飛ぶ。
 ルウもまた、自分のところへ近づいてきた兵を相手にしていた。突き出される槍の間を縫い、剣をたたきつけるように振るう。甲冑をつけた兵士は、それを装甲の厚い部分で受け止めようとした。しかし、びくんと硬直してその場で昏倒する。鎧には傷らしい傷は付いていなかったが、兵は完全に気絶していた。
「なんて技だ?」
 扉の前に達すると、コウが訊ねた。
「怒槌(いかづち)。当てる瞬間に衝撃波を相手の内部にたたき込む剣よ。鎧の上からでも峰打ちみたいな効果があるわ」
「へえ…」
 感心したようにちょっと笑う。そして、目の前にそびえる鋼鉄の扉を見上げた。
「後ろを頼む…それと、耳を押さえたほうがいいぞ」
 そう言って、無造作にコウは右拳を扉に叩きつけた。
 音、というにはあまりに凝縮した空気の波動が、ルウの全身を打った。両手で耳をふさいでも、なお身体の芯に直接衝撃がしみ通る。
 一撃で、扉は大きくゆがんでいた。同じ場所へ、今度は左の一撃が食い込む。閂をとめる大きな鋲が、甲高い音をたてて弾け飛んだ。
「う…わ………」
 ルウのうめくような声は、音にかき消されて自分の耳にも届かなかった。それはひどく、非現実的に見えた。
 自分と背丈のさほど変わらないコウ。それが、今、まるで巨人のようにさえ見える。三度、四度と同じことを繰り返し、とうとう蝶番が破壊されると、扉は爆破されたような勢いで外へ開き、傾いでとまった。
「行くか」
 振り返ったコウに、ルウはうなずく。
「ええ」
「…平然としてるな」
「見栄を張ってるだけよ」
 ルウの正直な答えに、コウは頬で笑みを浮かべた。
 ――こんなもんじゃないんでしょ?
 心の中で、つぶやく。
 バルハラとの最初の戦闘。まるで鋭いナイフみたいに、敵の真ん中を駆け抜け、一瞬で戦闘を終わらせた。
 けれど、あれはただスピードにまかせて敵の指揮官までの道を突破しただけ。彼の力なら、一人であの軍隊を、本当に壊滅状態にすることもできたのだろう、きっと。
 戦慄を覚えながら、同時に不思議な興奮も感じていた。もっと見たい。彼が、どれほどの力を隠しているのかを知りたい。
 それは、あこがれにも似た感情。
 ふたりは駆けだした。遠巻きにした兵士達は、コウを恐れてか近づいてこない。このままいける、そう思った時だった。
 突然、がくりとコウが膝をついた。
「コウ?」
 振り返ったルウは、最初、コウが躓いたのだと思った。だが違った。苦痛の色が、コウの顔に表れていた。そして、その周囲に淡く広がる光の円陣…。
「………っ…に…逃げろ!」
 身体の内側を食い破られるような苦痛に耐えながら、コウは叫んだ。気づくと、四方に魔導士らしい黒衣の影があった。素早く状況を理解したルウは、その魔導士を切り伏せるために動こうとした。その機先を制して、太い声が響いた。
「動くな! 動けば、一斉に矢を射かけるぞ」
 ルウはこわばった顔で動きをとめた。自分一人なら、どうとでもなる。だが、コウが動けないとなると…。
「やっぱり、足手まといになっちまうな…」
 コウが自嘲的につぶやいた。ルウは壁の上を見上げて、豪奢な甲冑に包まれた男を見つけた。この砦の責任者だろう。
「やはり、あの男の言うことなぞ聞かず、さっさと殺しておくべきだったわ…あらかじめ網を張っておいたのは正解だったがな」
 冷然と、ふたりを見下ろしながら男は言った。その左右にはずらりと弓を構えた兵士達が並んでいる。そのつがえられた矢は、すべてルウと、コウを狙っていた。無駄とは思いながら、ルウはコウをかばう位置に立つ。
「馬鹿、おまえ一人なら逃げられるだろうが…」
 ささやくように言ったコウに、ルウは怒鳴るような声で答えた。
「どっちが馬鹿よ!」
 見捨てられるわけがない。抜いた剣を、眼前に構える。なにがなんでも、この男はギルドに連れて帰る。
 男が、頭上で右手を差し上げた。弓の弦を引き絞る音が、ルウ達を囲む…林の中にまで、兵が潜んでいたのか。
 男の合図ひとつで、矢が一斉に飛んでくる。とても、全部はたたき落とせない。ルウは唇を噛む。
 そして、男が手を振り下ろす…刹那、光が包んだ。
 轟音。砦の壁が、巨大な鉄槌に粉砕されたように粉々になり、吹き飛んだ。その上にいた人間ごと。
「え………?」
 ルウは、目を見開いた。突然の天変地異に、バルハラの兵達はルウ達を狙うどころではない。パニックに陥った砦に、さらに追い打ちをかけるように閃光が落ちかかる。
「ち、ちょっとこれって…」
 目を凝らしたルウは、閃く光の中に何か獣の姿を見た。銀色の毛皮、しなやかな体躯。それは、巨大な山猫のように見えた。
「こ、コウ…あれって………」
 ルウの声が震えた。コウも、顔を上げて同じものを見た。
「ヴォルト…」
 コウが、信じられないという声で言った。雷撃をもって砦を打ち砕いている、その幻獣の名。
 猫科大型獣、そんな形態の幻獣を好んで使役する幻獣士なんて、コウは一人しか知らない。
「あれ、コウ!」
 ルウが指さした、その方向に。突き出した岩の上に立って、冷たい顔の少女がこちらを見据えていた。
 緩やかに波打つ髪が、今は紅く輝いている瞳が、それを死の使いのように見せている。けれどそれは、間違いなく、彼らのよく知っている少女…アクア・ロングウッドだった。

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 ――ううっ、今投稿しようとしてはじかれた…。
美沙「日頃の行いの悪さが出てるわね」
 ――おかげで一からやり直し…まあいいけど」
美沙「今回は少し早くできた?」
 ――なんとかね。もう次にもかかってるし、少し急がないと。
美沙「で、この章が終わったら?」
 ――まあ、のんびりとね。
美沙「死にかけてるわ…」

>スライム様
この間HPに寄らせてもらって、読ませていただきました。榴ってこんなかんじですか。ほお…。
なんか、青とか緑の目って弱いです。ところで、来夢は榴に…?

>から丸&からす様
こう徹底した修羅って、自分には書けないです。どうしても、コウやルウも甘くなるし。
最初から見てないので話は分からないのですが、浩平強いじゃん…。

>千乃幸様
不要と言うことですがちょっとだけ。
なんか、腕を絡めて歩く…ってとこが好きですね。それだけだけど。

>みのりふ様
最後の一行で決まり(笑)。
問題は、みさき先輩が単に無敵だと言いたいのか、それとも…(爆

だらだらと続けているこの話ですが、もう話の全体は決まっているのです。
途方もないスケールになってしまい、手に負えるとは思っていませんでした。今後書き続けても、こちらの技術が伸びなければ…。
でも、自分でもこの話のエンディングを見たいので、もし良ければ、少しだけ応援してください。
もし気に入っていただけたのでしたら、またです。ではでは。