D.S chapter.3 投稿者: GOMIMUSI
あらすじ:
 かつて『魔界』と呼ばれる世界が、この世界に衝突しかけ、すべてが滅亡の危機に瀕したことがあった。それから三〇〇年後。
 女の身でありながら剣を取ったフラウ・ルウ・ミイは、仇の所在を求めて暗黒大陸サイファへ渡る。この世界の命運を握る魔剣、炎舞羅(ほむら)と氷禍魅(ひかみ)の行方を求めて。そこで彼女はコウ・フラットフィールド、アクア・ロングウッドの二人と出会う。
 さらに邂逅は連鎖した。自然と心を通わせる少女、シィナ・ミウ。不死に近い生命力と癒しの力を持つ地族のマイオ・ムーンライズ。恐るべき魔力を秘めた破軍の魔女ヴァーミリオンこと、アリザ・リヴィス。その従姉妹であり、騎士らしき少女のシトローネ・ラインワード。
 そして彼らを影から導いてきた、未来視(さきみ)の巫女、ミスティ・アークケープは彼らに衝撃的な宣告をする。
「この世界は、滅びるよ」

**********
  Deep Sleep――深き眠り

 ――光はすべてを照らし出す。そこにあるものが悲しみであろうと、絶望であろうと。


  act.1


 大陸サイファにはかなりの面積に渡って、どこの国にも属さない空白地帯がある。
 その多くは森や湿地帯など、生物が繁殖するには適した場所…同時に、魔獣などが多くはびこる地域である。そのようなところは、危険すぎるために開拓の手をのばすことができないのだ。
 特に大陸中央部については、赴いた者が誰一人として戻らないため、完全な未知の領域となっている。無論、かつての魔界の接触…大災厄以前の地図はある。しかしおそらくは、その地図の通りに大地が残されていることはないだろう。人々は、海岸沿いにしがみつくようにして、心細げに生きていくだけだった。
 やがて時が流れ、サイファに誕生した唯一の王権国家、バルハラが最盛期を迎える。それはバルハラが魔剣、炎舞羅を手に入れたためである。炎舞羅の守護者でもあった魔道士の一族、リーヴィスレード家が異例の計らいで貴族として迎え入れられ、彼らはそれを王家の者といえどふるうことを許さなかったが、その威力を知る者達は炎舞羅の存在だけで震え上がり、軍門に下ったのだ。
 しかしそれから約五十年…バルハラはなぜか突然、東海岸の小国ナユタを攻める。いくつかのさらに小さな国が身を寄せ合うようにして存在する、そのナユタに価値があるとすれば、もっとも大きな都市であるスバルの商業価値くらいしかない。それも、貿易が滞っていたわけでもなく、いまだにバルハラがナユタを攻撃した理由は不明のままである。
 ともあれ、この戦役を境に炎舞羅は歴史の表舞台から姿を消すこととなった。ナユタの近くにあった小さな平原で、およそ一万という軍勢が壊滅し(バルハラは、その事実があったことを認めていない)、この戦役は終結したのである。以来、わずかな時間でバルハラは混乱状態に陥り、著しく弱体化してしまった。
 風聞では、血で染められた平原に立つ一人の魔女が、この戦役を終わらせたともいう。彼女がバルハラから炎舞羅とともに姿を消した、リーヴィスレード家の者と関わりがあるのかどうか、それは伝わっていない。
 そしてそれから二年…天破新暦三〇二年八月。サイファは再びその矛をナユタに向けていた。


 穏やかな日だった。鳥の声を遠くに聞きながら、ぼんやりとルウは窓の外を見ていた。新しくはめ込まれた氷水晶のガラスは、曇りなくルウの顔を写し込んでいる。
 もう何日も経っているように思えたが、あのとんでもない夜…この窓ガラスが一枚残らず吹き飛んだ日から、まだ二日目なのだ。
 郊外に位置するこの家からは、町の様子はあまり見えないが、もう昼間でも人通りはほとんどないらしい。家で息をひそめているのか、安全な場所を求めて街を出たか…。
 かちゃん、と音がして、ルウは振り返る。アクアが少し早い昼食を並べているところだった。
「あ、ごめん、手伝いもしないで…」
 慌てて立ち上がろうとするルウを、アクアは手振りで制する。
「いいよ、わたしの仕事だから。これくらいしないと、申し訳ないし…」
「申し訳ないって?」
「う、ううん…あ、そういえばコウは、まだ帰らないのかな」
 どこか空々しい声で、アクアは話題を変えようとする。首を傾げながらも、ルウは追求しなかった。
「どこに行ったの、コウは?」
「黒竜亭…そろそろ決まる頃だと思う」
「決まる? 対策が?」
「うん。スバルは軍隊みたいな組織がないから、こういう場合矢面に立たされるのはギルドなんだよね…というより、そのためにギルドができたっていうか」
 ルウは顔をしかめた。話には聞いている。かつてこの街での異能者の扱いはひどいものであり、人間と異能者は、ほとんど毎日のように殺し合っていたらしい。異能者は力こそあるが数は少ない。街の人々は、数で異能者を追いつめ、狩りたてていた。
 その異能者達をまとめ、自警団のような組織にしたのが、今のマスターだという。それによって、表だって人間と異能者が衝突することは少なくなった。今となっては、ギルドなくして街の安全は考えられない。その事実をもって、マスターは異能者の存在を街に黙認させたのだ。
「けど、マスターってすごいわよね…そんな連中を一人で統率できるなんて、一体何者なの?」
「昔は学校の先生をやっていたらしいよ。結婚して子供もできたんだけど…それが異能者だったって」
「………」
「でも、奥さんも子供も二十年くらい前に死んで…どうして死んだのかは、話してくれたことないけど」
「…そう」
 それ以上は聞いてはいけない気がして、ルウは黙り込む。あまりに、容易に想像がついてしまうから。
 そのとき、扉の開く音がした。ぱたぱた、という小さな足音は、マイオか。
「おう…ただいま」
 案の定、声が聞こえてコウがリビングに入ってきた。その後ろからマイオがとことことついてくる。
 ルウとアクアは、黙ってコウを見上げた。それに対し、コウは短く答える。
「明日の朝、発つ。ギルドが総出で当たることになるな」
「あたしもついていっていい?」
 ルウは勢い込んで言った。コウは小さく笑ってうなずいた。
「来てくれると助かる。…バルハラは国境近くにある砦を拠点にして攻めてくるはずだ。スバルはもとより、ナユタからもかなり距離があるからな、強行軍になるぞ」
 そこまで言って、ふっと黙る。視線がアクアをとらえ…アクアは、まっすぐにその視線を受け止めていた。
「アクア」
 コウは今までと違う、重い声で言った。
「留守番、頼めるか?」
 反射的にルウは立ち上がりかけた。コウと、アクアを交互に見比べる。アクアは凪いだ水面のような静かな顔で、こくんとうなずいた。
「うん…分かった。気をつけてね」
「ああ」
 それだけ言って、コウはリビングを出ていった。明日の準備にかかるつもりだろう。
「ち、ちょっとコウ!」
 それを追おうとしたルウは、くいっと引っ張られる感触に振り返る。アクアがルウの腕をつかんでいた。
「ルウさん…いいから」
 にっこりと、アクアは笑う。やさしい笑み。
「ど、どうして…」
 ルウは言葉を継げずに、ただ問いかける。アクアは一緒に来る、そう無条件に思っていたので、少し気が動転していた。
 しばらく一緒に生活して、ギルドの会合にも何度か顔を出して、彼らがギルドでどんな位置にいるか、感触として分かっている。コウとアクア、おそらくこの二人は、ギルド内部でもトップクラスだ。その、半身とも言える相棒が来ないというのか。
「こんなこと、初めてじゃないんだよ」
 身を沈めるようにいすに腰掛けて、アクアはゆっくりと言った。
「こういう仕事の時は、コウはわたしをつれていこうとしないの…きっと、ギルドでも無理を言って来たんだと思う。わたしの分まで、自分が働くとか言って…」
「こういう仕事って…」
「…人を殺さなくちゃいけない仕事」
 わずかにうつむいて、アクアは言った。
「ギルドの仕事ってね、結構汚い仕事も多いんだよ。こういう大事にならなくても、誰かを事故に見せかけて殺すとか…そういうこともするのが、コウ達の仕事。だけどコウは、わたしはそんなことしなくていいからって…」
 淡くほほえんで、アクアは言った。
「わたしは…こういうときのコウには何もしてあげられないから…」
「…あんたは、それでいいの?」
 思わずルウは訊ねていた。アクアはどことなくつらそうだ。表情ではなく、身にまとった雰囲気が、危うい。
「本当は、ついていきたいんじゃないの?」
 アクアは静かに、首を振った。そして、ルウの目をまっすぐに見て言った。
「コウのこと、よろしく」
 ルウは何も言えず、黙ってアクアの顔を見返していた。


 ルウは夜中に目を覚まし、枕元に手をのばした。剣の鞘が、ひやりとした感触を返す。
 何かが、家の中にいる。その気配に、素早くベッドを抜け出してドアへ走る。
 耳を押し当てても、何も聞こえない。慎重に、細く開く。…だが、夜の暗い廊下がわだかまっているだけだった。
 皮膚感覚を最大限まで研ぎ澄ませ、気配を探る。階下…たぶん、アクアの部屋あたり。
 気を大気に同化させ、音もなく老化に滑り出すと、階段を駆け下りる。ひた、とドアに背中をつけ、呼吸を整えた。
 …間違いない。ここだ。アクアの部屋、ドアの向こうに何かいる。
 ノブをひねり、勢いよく開いた。同時に飛びすさる。
「………!?」
 冷たい、重いものが腹の奥に沈み込んだようだった。それは恐怖の感触。
 思わず、廊下を転がるようにその前から逃れ、さらに離れて壁を背に立つ。
「な、なんなの…?」
 闇。それは、恐ろしく濃厚な闇だった。光がない、などという次元のものではない。夜目の効くはずのルウに、その向こうが見通せない。黒い液体のような闇が、ゆらゆらと部屋からあふれ、ルウに向かってこようとしている。
「…くっ」
 剣を構え、斬りかかろうとしたとき、鋭い声がかかった。
「下がれ!!」
 飛び込んできたのはコウだった。振り上げた拳を、思い切り闇に向かってたたきつける。ぎゃん、と獣の悲鳴に似た音がした。
「何やってんだ、こんなとこで!」
 コウが怒鳴る。ルウは剣を握ったまま、立ちつくすだけだった。
「このっ………おとなしくしてろ!」
 怒鳴りつけたのは、闇に向かってらしい。もう一度、今度は前方へ開くように構えた掌底をたたき込む。打撃を受けた部分が、鈍く光った。
 闇が一瞬で晴れ、何かが吹き飛ばされて部屋の奥で転がった。素早く起きあがったその姿…黒いしなやかな獣。
「な、なに…これ、アクアの幻獣じゃないの?」
 ルウが低い声で叫んだ。黒いヒョウ。アクアの幻獣で今まで見たものは、猫科の大型獣だった。すると、これが闇の幻獣?
「そうだ…アビスだよ」
 苦々しげにコウはつぶやいた。ルウが見た、四頭目の幻獣…闇を体現する獣、アビス。
 アビスは頭を低く下げ、うなりながら下肢に力を込めていた。肉食獣が獲物に飛びかかる、直前の構えだ。
 ばん、と異様に鋭い音をたてて、コウは自分の拳を反対の手のひらにたたきつける。びくん、とアビスがひるんだように半歩下がった。
「なんのつもりだ? アビス」
 コウは冷たい目で幻獣を見下ろしながら、前に踏み出す。うなり声が、いっそう高くなった。
「てめえ…自分の役目を忘れたわけじゃないだろうな? アクアを傷つけるってんなら…俺がてめえを消すぞ」
 今まで聞いたことのない、低くドスの利いた声。しばし、コウとアビスはにらみ合った。
「コウ…」
 その緊張を、ルウの呼びかけが破った。ルウは自分の見ているものが理解できない、という顔でアクアの部屋を指さしていた。
「あ、あれ…」
 振り返って部屋の中を見たコウは、目を見張った。部屋に、白い光が満ちていたのだ。
 眩しい、というほどではない。洞窟の壁につく、燐光を発する苔が、こんな光を発していたのを見たことがあった。熱を感じない…ひどく冷たい光だ。
 光の源は…ベッドの上の空間に、なんの支えもないまま浮かんでいる少女。
「アクアが、光って…浮いている…?」
 コウは眉を寄せていた。不審に思う、というより、理不尽なものを見た顔だった。
「アビス…おまえ、あいつが…怖いのか?」
「な、なんなの?」
 わずかに震える声で問いかけるルウに、コウは首を振る。
「知らねえよ…ただ、時々こうやって出てくることがある。こいつの中にいて、こいつじゃないもの…そういや最近、アクアがよく眠ると思ってたら…」
 後半は独り言のように途中でとぎれてしまった。二人が見守る中、次第に光は弱くなり、アクアの身体も高度を下げていく。
 完全に光が途絶え、何事もなかったようにアクアはベッドに横たわっていた。コウはその傍らに歩み寄り、薄いタオルをかけてやると、額にかかっていった髪を払いのける。どこか、父親を思わせる表情で。
「よし…もう平気だろう、戻れ」
 振り返りもせず、コウは言った。アビスは躊躇するようにその場でうずくまっていたが、やがてしゅるり、と布のほどけるような音とともにアクアの胸に吸い込まれて消えた。
 アクアの寝顔は穏やかなまま、なんの変化も見せない。まるで幼い子供のように、眠りをむさぼっていた。
「さて…寝直すか」
 がしゃがしゃと頭をかきむしりながら、コウは言った。
「って…大丈夫なの?」
「ああ」
 なんの根拠があるのかは知らないが、コウは強くうなずいた。
「おまえもちゃんと寝ておけ。明日は早いんだからな」


 月明かりを映す水面に、静かに身を沈める。目を閉じたまま、祈るように両手を組み合わせ…首のあたりまで水面下に沈むと、そのまま動きをとめた。
 夏、なお冷然として清らかな水をわき出させる、山の中腹にある泉。古来、その泉は神に仕える者達が沐浴をするために訪れる、聖なる泉だった。
 水面に散った黒い髪は、夜の色をした水に溶けて、その一部となっていた。あたりは虫の声、風の梢を渡る音以外、いっさいが静まり返り、眠りについている。
 おそらく、神殿でも大半は眠りの中だろう。こんな時間に泉に来るのは、彼女くらい…盲目であるゆえに、光の有無が関係ないこと。そして、彼女が仕える存在が、闇に関わるものであること。そのふたつの理由から、彼女は夜にここへ沐浴に来る。
 通称として知られる風の神殿とは、立地条件と、神殿の位置する東という方角が風を表すことから来ている。祭られるのは風に関わる神とは限らない。
 ラ・ディーズ…夜を体現する、安らぎと眠りを守護する慈愛の女神。それが、この神殿で最も重要な神の名。大陸全土に名を轟かせる未来視(さきみ)の巫女は、この女神の庇護下にあった。しかし闇は、人の本能的な恐怖心を呼び起こすものでもあり、それ故に異端ともされる。ラ・ディーズに対する信仰が認められるようになったのは、ごく最近のことだ。
「ミスティ様」
 そばにいた神官服の女性が、そっと声をかける。すると、水に身を沈めていた巫女は、なめらかな動きで立ち上がった。
 月明かりに照らされるその肢体は、あくまで白く、細く、はかなげだった。それを見ていた彼女は、そっとため息をつく。あれだけ食べていて…どうして、女の自分でも片腕で抱えられるほど細い身体をしているの?
「どうしたの? シアちゃん」
 気配を察したミスティが、小さく首を傾げる。シンシアは顔をしかめた。
「ミスティ様。ここは神殿の敷地内です。そのようなくだけた物言いは…」
「あ、うん。えっと、えっと…」
 少し慌てたように、ミスティは言い直そうとする。自分と一緒にいるときのミスティは隙だらけで、しばしばこんな子供っぽい様子を見せる。時には、まるで別人のように鋭くもなるのだが。
「では、参りましょう」
「うん。あ、じゃなくて…はい」
 ミスティは湖から上がろうとして、ふと動きをとめた。シンシアもまた、同時にそれに気づいて振り返る。
 虫の声が…やんだ。

 お………おおおぉぉぉぉっ!!

 突然、夜気を震わせる獣の咆吼が響き渡った。びりっ、と電気のような緊張が走って、シンシアは一動作で抜刀した。
 少し離れたところで、べきべきと木が倒れた。巨大な質量を感じさせる地響きが、足下から伝わる。
「ミスティ様、避難してください!」
 鋭い声で叫ぶと同時に、シンシアは走った。月は明るいが、敵が夜行性の獣であれば相手に分がある。迂闊に飛び込むことはできないが…どうする?
 一瞬の躊躇。その隙を待っていたように、黒い風のようなものが茂みから飛び出してきた。かろうじて避け、月光にその正体を見極める。
「ヒポグリフ…」
 押し殺した声で、シンシアはつぶやいた。鳥と馬の合成獣ともいえる外観。鋭いくちばし、巨体にそぐわないほどに細い前肢、そして刃物を思わせる爪。こんな人里近くに、出現するような魔獣ではない。
 巨体にも関わらず、凄まじい瞬発力でヒポグリフは飛びかかってきた。かろうじてかわすが、肩を爪がかすめ、わずかに肉にとどいた。
 月明かりに、血しぶきは黒く見えた。
「シアちゃんっ!!」
「動かないで! そこでじっとしてなさい!!」
 叫びつつ、相手から目を逸らさずに仁王立ちになる。つま先が、地面を探る。
 狂気を宿した目で、ヒポグリフはシンシアに迫ってきた。野生の持つ、圧倒的な迫力…それを、全身で感じる。
 また、ぎりぎりのところで突進をかわす。だが今度は、かわしざまに右手を鋭く振っていた。
 銀の光が生き物のように、ヒポグリフの首にからみついた。まるで舞踏のように、シンシアの身体が旋回しつつ舞い、着地と同時に膝を深く曲げて勢いを殺す。
 どう、とヒポグリフの巨体が倒れる。その首は、鮮やかに切断されていた。
 カラ=ルガ(流牙)剣舞術…もとは、神に捧げるための舞だったものを武術として高め、昇華したものである。極限まで薄く鍛え上げた、特殊な長剣は扱いが難しく、今ではシンシア以外に使いこなせるものはない。
「シアちゃん!」
「大丈夫よ…しとめたから」
 笑みを含んだ声で、シンシアは応じた。ほっと安堵する気配が伝わる。
 布に身体をくるみながら、ミスティはヒポグリフの倒れているあたりに視線を向けた。
「ねえ、これ…」
「ええ。薬か何かで、狂わされていたわね」
 シンシアは険しい表情でうなずいた。興奮剤か何かを与え、放した…狙いは、間違いなくミスティだろう。
 遠くで、異変に気づいた神官達の騒ぐ声が聞こえた。篝火を掲げた一団が、安否を尋ねる声をあげつつ近づいてくる。

**********
――ええと、お久しぶりです。はじめましての人もいると思いますが。
美沙「すでに忘れられて、会ったことがあっても初めまして、なんて言われそうね」
――わはは。
美沙「…開き直ってる?」
――いつものことだし。
美沙「…いいけど。で、今回は?」
――アクアメインの話になる予定です。ここからが正念場…ずっと書きたかった、本当に書くのがつらい領域。
美沙「書けるの?」
――さあ…。
美沙「………」

>から丸様
茜…ONEに登場するヒロイン達の中で、一番危ういのは彼女かも知れませんね。彼女は結局幼なじみに会えなかったんでしょうか。南は…?

>YOSHI様
このシリーズ、何となく気にかかってしまいます…そういや、留希さんって真雪さんに似ている気が…いえ、なんでもないです(^^;

>PELSONA様
ええと、みさき先輩、そういう意味で言ってるのでしょうか…。浩平、ピンチ(笑)。ま、羨ましい気もしないではないが。

ええと、待っていてくださった方にはひたすら謝罪します。お待たせしてすいません。でも、これからもペースが上がることはないと思います。…自分の遅筆が恨めしいです。
この先、アクア、アリザ、マイオと、連続して焦点を当てつつ物語が進行します。そして、この先に待つのは…とても悲しい事実。書く側にも覚悟がいります。
最後まで書けるか、というといまだに自信がないという、何とも頼りない状態です。でも、最後は笑顔で迎えたいから。とりあえず、少しずつ前に進みたいです。
まだ先は長いです。できれば、おつきあいください。ではでは。

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