沢口様のお通りだいっ! 投稿者: いちごう
 オッス! おいら沢口ってんだ。みんな、よろしくな☆(キラ〜ン)
 今学校はちょうど昼休み。腹が減ったからこれから学食へ行くところなんだ。


 そのころ浩平は、茜の元へ向かうため教室を出ようとするところだった。
 「じゃあな沢口!」
 浩平は南にそう告げると、勇み足で教室を出ていった。
 「なあ、だから沢口って誰なんだよーーーっ!?」
 浩平に向かって問いかけた南だったが、そこにはすでに浩平は影も形も存在しなかった。
 「だいたいこのクラスの男子に沢口なんてやつはいないよなあ‥‥‥。念のため聞いてみるか」
 南はとりあえず近くにいる女子に聞いてみる事にした。
 「なあ、あんた、このクラスで沢口っていう奴いたっけ?」
 「‥‥‥さあ、知らないわね‥‥‥」
 謎の女生徒はそっけない反応を返した。
 「そうか、ありがとな!‥‥‥う〜ん、もう一人聞いてみるかな」
 南は謎の女生徒に軽く礼をしてから、周りを見まわした。そして一人の女生徒に近づいて行っ
た。
 「お〜い、佐織ぃ!ちょっと聞きたいことがあるんだけどよ‥‥‥」
 「ちょっと南っ!あんた私のこと名前で呼ぶなんて馴れ馴れしいわよっ!!」
 「あ、すまんっ!‥‥‥だけどおれ、おまえの苗字知らないんだよ」
 「‥‥‥」
 なぜか沈黙する佐織であった。
 「で?わたしに何の用なのよ?」
 「おお、そうそう! あのな、このクラスに沢口って奴いるか?」
 沙織は質問を聞いて少し不可解そうな顔をした。
 「あんたわたしをからかいに来たの? そんな人このクラスにいるわけないじゃない。あんた何年
このクラスやってるのよ?」
 まだ一年もやってないぜ‥‥‥と突っ込みたくなった南だったがここはグッと我慢した。
 「‥‥‥そうかぁ、いやすまんっ!別にからかった訳じゃないんだ、悪かったな!」
 そう言うと南は自分の席に戻り、少し考え込んだ。
 「やはりこのクラスには沢口なんて奴はいなかったか。となると浩平がおれをからかっていただけ
か、もしくは別のクラスにおれとそっくりな奴がいるのか‥‥‥いや、もしそうならとっくの昔に噂が
流れてくるはずだ!」
 くだらない事で真剣に悩む南なのであった。
 「ま、いいか‥‥‥学食にでも行こっかな」
 そう言うと南は教室を出ていった。


 そのころおいらは学食に向かってゆっくりと歩いていた。どうせおいらの頼むメニューなんか、そう
簡単に売り切れないから、人が空き始める時間帯に行ったほうがいいのさ。
 どしぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜んっ!!
 いきなりおいらに襲いかかる衝撃!!
 「どべしっ!」
 「げぼはぁーーーっ!」
 ぐはぁっ!だ、誰かがいきなりおいらに激突してきやがった。
 「いてててぇぇ〜〜〜、あ、あれぇ〜〜?? 南? おまえ教室に居たんじゃなかったのか?」
 「南?誰だそいつは? おいらは沢口ってんだぜ」
 どうやらぶつかって来た奴はおいらの事を別の誰かと間違えてるらしい。
 「へ?‥‥‥まあいいや、悪かったな南! 急いでるからじゃあなっ!!」
 「お、おいちょっと! おいらは沢口‥‥‥‥‥‥行っちまった‥‥‥」
 ふ〜む、どうやらおいらは南という奴とそっくりらしいな。一度会ってみたいもんだ。と、思った
のも束の間、学食方面に向けておいらに近づいてくるおいらのそっくりさんがいるではないか!
向こうもおいらの存在に気が付いたのか、早足でおいらに駆け寄ってくる。
 「お〜い! あんたひょっとして沢口くん?」
 「そういうあんたは南くん?」
 2人はお互いを確認しあう。そして同じに無言でこくりと頷く。
 『やっぱりぃぃぃ〜〜〜〜っ!!』
 お互い意識がシンクロしてるかのように同時に言葉を発した。
 『いやぁ〜〜、見事なまでにそっくりだなあ‥‥‥』
 またシンクロしている。
 「こりゃあ折原が間違えるわけだ、うん!」
 「折原? そうか、多分さっきおいらとぶつかった奴だな‥‥‥」
 2人はお互いを舐め回すようにじろじろと見つめた。
 「そうだ、沢口君!いい考えを思いついたよ!!」
 「え?なんだい?」
 「俺たち今からこっそり入れ替わってみないか?」
 「南くん!それはナイスアイデアだよっ!」
 「だろっ、だろっ!」
 2人はしばらくの間うんうんと頷きあっていた。

 が‥‥‥

 「だけどよくよく考えてみたら、面白い事なんて起こりそうにないね」
 「‥‥‥そうだね」
 身の程をよくわきまえてる2人であった‥‥‥。


                                  お し ま い

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 にゃは〜〜☆ いちごうだよ〜♪

 今回は「戦う乙女たち!!」をお休みして、ONEの外伝みたいなものを書いてみました。
 「戦う乙女たち!!」の方は、割と軽い気持ちで前後編に分けたつもりだったのですが、予想
以上の期待をみなさんに抱かせてしまった為、これは絶対に期待に応えなくてはいけないのでは
ないか?というプレッシャーに今苛まれています(苦笑) うう、本来「戦う乙女たち!!」の3は
2から4へ繋げる、ちょっとしたおまけだったんですけどね(苦笑)

 「そうなんだ、もうおまけなんかいらなかったんだ!」

 もし後編が期待外れだった場合は「ごめんなさいっ!!」
 なぁ〜んて今から謝っておきます(笑)

 それじゃあ、感想へGOぉぉぉぉっ!!

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>藤井勇気さん
 『ONE日本昔話 「浦島太郎」』
 浩平は究極の鬼畜だわ、七瀬は悲惨すぎるわで‥‥‥はうう、言葉にできましぇ〜ん。
 まあ七瀬ファンに殺されないように、夜道には充分お気を付けください(笑)
 『特別企画 氷上シュン無謀SS』第二話 「不毛なる愛の奪い合い」
 はは、えっとぉ‥‥‥本編よりもあとがきの方が楽しみ、っていう人おれだけ?じゃないです
 よねぇ〜(笑) だんだん賑やかになってきたんですけど(笑)

>まてつやさん
 『〜光と闇2〜』
 はう、いよいよ手術目前ですね、どっくんどっくん!
 みさき側の視点、いい感じに仕上がってます‥‥‥どっくんどっくん! 結果が怖いっ!

>いけだものさん
 『幼なじみの運動会』
 あ、いいよ! こういうのっ♪ 長森の描写なんかはほんとうまく捉えてます!
 浩平と長森の威嚇のしあいなんかは、いつみても顔がほころびます(にこっ)
 『本日開店!川名心霊研究所』
 おお、なんかアクション性が強い作品ですなぁ。おれはもっと宜保愛子さんチックなのかと
 思ってたんですが(笑)

>ここにあるよ?さん
 『第一回早食い大会!!2』
 長野研修お疲れ様でした!
 早食い大会、いったいどうなるんでしょう!ドキドキっ!
 『第一回早食い大会!!3』
 大食い大会に改名する方に一票でぇ〜〜〜す♪
 
>スライムさん
 『悪あるところに必ず正義あり(2nd)』
 生卵星になぜかいる繭がすごくかわゆいですぅぅ〜〜〜♪ なんか状況が掴めなくてうろた
 えてる感じで(笑)
 『気になるお年頃っ!』
 軽い作品かなぁ〜?と思って読んでみたら‥‥‥なかなかテーマは重いです(笑)。
 茜のダイエットは三日坊主で終わりそうなんですけど(笑)

>いちごう
 『戦う乙女たち!! 〜3 〜(前編)』
 だからおれのやっちゅーてんねんっ! 後編、期待しないで待っててね〜(泣)

>偽善者Zさん
 『浩平犯科帳 第一部』 第八話〜第九話
 ぬぅ〜〜、七瀬にそんな過去が!
 これほどの長編ながらも読者を引っ張り続けられるパワー! おみそれしやした‥‥‥

>T.Kameさん
 『The Third Child』 ラスト
 ふぅ〜、とうとう終わってしまいましたね〜。このシリーズは独特の雰囲気があって良かった
 です。 最後はエピローグ2を選びました!
 『中崎、男になれ』
 う〜む、客観的に見ると、浩平という存在は結構妬ましい奴なのかも(笑)

>しーどりーふさん
 『卒業アルバム』
 はうう〜、なんか読み始めはとっても切なかったのですが、浩平はいずれ帰ってくるんです
 ね〜。はう〜‥‥‥ほっ

>火消しの風さん
 『涙を越えて NO.3』
 ううう、繭の出てくるお話しには滅法弱いんですよぉぉぉ‥‥‥。
 なんかラストが妖しい‥‥
 『黒い心の炎 NO.2』
 ほほ〜、ある日常の一角って感じですね‥‥‥、いいですねぇ。
 『黒い心の炎 NO.3』
 げげーーーーーーーーーっ!! キムチソーダ‥‥‥ぐぼっ、気持ち悪いぃぃ。七瀬ってば
 どうしちゃったんだ?

>mizukaさん
 『こうへいのくそやろう』
 ぬぬぅ? 何というか、その‥‥‥シュールですな。

>KOHさん
 『猫』
 あひゃぁぁ〜〜、猫と繭の会話?がええのぉ〜〜〜♪
 って、えっ?次回予告ぅ?続くの? やった!

>もうちゃん@さん
 『ミズエモン『お買い物での出来事』』
 ニトロエックス大破ぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っ!!
 って、何やら次回でよからぬ事が起きそうな‥‥‥。

>GOMIMUSIさん
 『心ください』
 はぁ‥‥‥その後の可能性のうちの一つって訳ですね。描写の一つ一つが心を抉る感じ
 です。 はうう、切ないです。

>akanebonさん
 『茜のお馬鹿さん』
 おやおや、これも何ともシュールな作品で‥‥‥。 
 人違いだったらすみませんが、mizukaさんと同一人物では?

>雫さん
 『髭の憂鬱(番外編)』
 軍団結成秘話ですかぁ〜〜。茜もそれなりに努力してたんですねぇ‥‥‥。だけど茜、何か
 人間離れしてますけど?(笑) 結果的に努力の甲斐もなかったしねっ(笑)


それではまた〜〜っ☆