戦う乙女たち!! 〜3 〜(前編) 投稿者: いちごう
 ONE女子プロレス‥‥‥そこでは日本の選りすぐりのレスラーたちが、日夜熱い戦いを
繰り広げていた。

 そしてここ、ONE女子プロレス事務所兼練習場では‥‥‥

 「うりゃあああぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
 ズダァーーーーーーーーーーン!!!
 「ああーーーーーーーーんっ!!」
 必殺のパワーボムでマットに叩き付けられた長森は悲鳴を上げた。
 「こんのおおおぉぉーーーーーーーーーーっ!!」
 ドグシャァァァーーーーーーーッ!!!
 「みゅーーーーーーーーーっ!!」
 渾身のラリアットを食らった椎名はたまらず呻き声を出す。
 「どっせぇぇぇぇーーーーーーーーーーーいっ!!」
 ガシュウウゥゥゥゥーーーーーッ!!!
 「あうううぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーっ!!」
 痛恨のドロップキックをもろに受けた里村はリング下まで吹き飛んだ。
 「まだまだああぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
 ドドドォォォーーーーーーーーン!!!
 『ま、参ったの』
 ヘソで投げるバックドロップをかけられた上月は、すかさずスケッチブックに書きこんだ。

 「はぁっ!はぁっ!はぁっ!‥‥‥どうしたの? もうおしまい?」
 肩で息をしているものの、とても4人を相手にスパーリングをしたとは思えないほど体力が余って
いる七瀬は、リング下に転がっている4人に激を入れる。
 「ああ〜〜ん、きょうはもう許してよぉ」
 「みゅー‥‥‥」
 「勘弁してください‥‥‥」
 『もう無理なの』
 ズタボロになった4人は、揃って七瀬にギブアップを告げた。
 「はぁ〜、なんで両国ではこんな人達に負けたのかしら‥‥‥、って、あれっ?川名先輩は?」
 七瀬は練習場全体をきょろきょろと見渡し、ついでにリング下も覗き込んだ。
 「って、こんな所にいるくらいなら食堂で何か食べてるわね」
 七瀬は思わず苦笑する。

 
 そして場所は変わって、居酒屋「赤い月」では‥‥‥
 職務を終えた折原と住井が友達という間柄に戻り、酒を酌み交わしていた。

 「な〜〜ぁ、折原あぁぁぁ〜〜〜‥‥‥」
 「ん〜?なんだぁ?」
 そろそろ日本酒1升は空けようかというほど呑んでる住井は、べろんべろんになりながら折原に
話しかけた。
 「オレさぁぁ〜〜〜、プロレスの実況の仕事をさぁぁ〜〜、降ろされちゃうんだよぉ〜〜〜っ」
 「ええっ!? マジなのか?」
 「ああ‥‥‥」
 「‥‥‥」
 折原は、突然の住井の告白に少し驚いた。
 「どうしてまた?」
 「ううぅ〜〜、なんでもよぉ〜、今度新人が入るから実況はそいつにやらせて、おれは『全国中学
生クイズ』のような番組の司会をやってくれってんだよぉぉぉ〜〜〜〜っ!」
 「え? 住井‥‥‥それって出世のようなもんじゃないかっ! おめでとうっ!」
 折原は住井の肩をポンポンっと勢いよく叩いて祝福した。
 「なあ住井‥‥‥、おれもなあ、今の『週刊燃えるプロレス』の編集部から『月刊みんなの剣道』
の編集長に就任が決まったんだ‥‥‥」
 折原は住井の肩に手を置いたまま、がっくりと頭をうなだれた。
 「なんだよぉ〜、おまえだってそれ、出世なんじゃぁないのかぁぁ〜〜〜?」
 「だけどな住井、おれはプロレスが好きなんだよ‥‥‥、プロレスを愛してるんだよぉぉぉっ!」
 「おおおぉぉぉぉ〜〜〜〜っ! おれもだぜぇぇ、折原ああぁぁぁぁ〜〜〜っ!!」
 「住井ぃぃぃぃーーーーーーーーーっ!!」
 「折原ぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
 2人はガシッと抱き合い、おいおいと泣き出した。
 「何だかよく分からないけど、大変だね」
 2人の横に座っている川名は、大量のおつまみを口に運びながらつぶやいた。
 「どうでもいいけど、お刺身おいしいよ〜」
 お酒やおつまみの代金は、当然、折原と住井の割り勘である。翌日、酔いの覚めた2人は、
財布の中身が異様に少ないのを不思議に思うのだった‥‥‥。


 場所は再びONE女子プロレス事務所兼練習場へ‥‥‥

 「何の用でしょう、髭先生?」
 「んあ〜、社長と呼べんのか?七瀬くん‥‥‥」
 「すみません、髭社長」
 七瀬は社長に呼ばれて社長室に来ていた。
 「んあ〜、まあいい。きみは今の『ゴンザレス七瀬』というリングネームが嫌いだそうだが?」
 「殺人的に嫌ですっ!!」
 「んあ〜、困ったね‥‥‥。じゃあ『アニマル七瀬』に戻すか?」
 「連続猟奇殺人的に嫌ですっ!!!」
 凄すぎる表現で拒絶する七瀬だった。
 「んあ〜、チャンピオンに相応しいリングネームだと思うんだがなぁ‥‥‥」
 「どこがっ!! もっと乙女に相応しいリングネームにしてくださいっ!!」
 「んあ〜、‥‥‥‥‥‥よし、わかったっ! 今からある選手とスパーリングをしてもらう。それ
に見事勝てれば改名させてやろう。 どうだね?」
 「ふっ!望むところよっ!!」
 七瀬は挑戦的な笑みを浮かべ、ぺろりと舌なめずりをした。
 「んあ〜、決まりだな。 ではリングへ来たまえ」
 「はいっ!」
 七瀬は威勢よく返事をし、髭と共にリングへ向かった。

 「んあ〜、例の選手はほら、すでにリングに上がっている」
 「え?」
 七瀬は、髭の言われるままにリング上へゆっくりと眼を向けた。
 「‥‥‥!? ええっ!? あ、あれはっ?? なに?」
 七瀬はこの世の物じゃない物を見たかのように目をひん剥かせた。


                                       後半へ続く!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ども〜っ! いちごうです♪
 当初はシリーズ物の予定では無かったのですが、どんどんアイデアが出てきて、しかも意外と
続編希望が多いみたいなので続けてみました(笑)
 今回はいつもより短いですね〜。なんでか、ですって? それは本来、前編と後編がひとつに
くっ付いているハズだったからなんですよぉ〜〜♪
 いや、一度やってみたかったの! 連載物みたいにいいところで終わらせるの(笑)

 じゃあ、短かった分は感想に廻しますぅぅ〜〜〜♪
 順番はめちゃくちゃですが(笑) あと前回漏れてた人のも書きましたっ!!
最新分は次回で〜〜〜す♪

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

>よもすえさん
 『めざせっ!ほのぼの!多重配役』
 あはは、これおっかし〜〜〜っ♪
 浩平上司、最高です(笑) だけどばかばか星にはどのくらい上まで階級があるんだろ?
 
>GOMIMUSIさん
 『ONE of the Daydreamers』第一章〜第六章
 ふい〜っ! やっと読み終わりましたぁ〜〜〜っ!!
 すごい超大作ですねぇ‥‥‥。 永遠の世界に行くまでのドラマもハラハラしたけど、
 突入後の息もつかせぬ展開はお見事でした!
 『幸せな日』
 これもなんかすごく気になるなぁ‥‥‥続くのかな?

>ここにあるよ?さん
 『第一回早食い大会!!1』
 みさき先輩だったら誰とペアを組もうが優勝はいただきのような?(笑)
 だけど予想外の展開になるんでしょうね。

>偽善者Zさん
 『浩平犯科帳 第一部 第七話』
 ぬぅ?節太という謎の男‥‥‥、気になる‥‥‥。
 う〜ん、ラストはいかにも時代劇風なほのぼの‥‥‥いいね!
 『吾が輩はハムスターである5』
 茜と浩平が結婚‥‥‥まさかハムスターとの三角関係の始まりかっ!?(笑)

>藤井勇気さん
 『特別企画 氷上シュン無謀SS』
 ぐはっ!‥‥‥な、なんスか、これ?(笑)
 にしても、あとがきがなんかすごく面白いんですけど(笑) いいなぁ、こんな繭ママ。

>天ノ月紘姫さん
 『いんたぁみっしょん』
 ふふ、いいですねぇ、こういう息抜きも。
 「わっふるな午後」の執筆がんばってくださいね♪

>KOHさん
 『温泉に行こう−6−』
 楽しかった温泉旅行もとうとう幕を閉じましたか‥‥‥。
 今回のは冒頭部分でいきなり焦っちゃいましたよ! やられました(苦笑)
 つぎはスキーですか?
 『『乙女希望』の歌詞です』
 うっひゃぁぁぁ〜っ!おれの一番好きな曲「乙女希望」にとうとう歌詞がっ!!
 いや〜、あのメロディーにとても合ってます♪ 素敵です♪♪

>T.Kameさん
 『The Third Child』5回目
 これは最初のうちは結構軽い気分で読めたんですが、最近はよからぬ展開になりつつ
 あり、気を引き締めて読まなくてはなりませんね(笑)
 この先は見逃せません!

>kouさん
 『if』
 そ、そうですか! 1ヶ月前から拝見していらしたんですか‥‥‥。そうか〜、このコーナー
 にもROMの方っていたんですね(笑)
 作品もとても面白いです!がんばって続けてくださいねっ!!

>だよだよ星人さん
 『歌う詩子さん』
 う〜ん、キュートな歌詞だ♪ あっさりほのぼの味です(笑)

>まてつやさん
 『怪盗ミラクルルミ!』
 こ、これはっ!聖なるしっぽ!? ぬぅ〜〜〜っ‥‥‥、そうきましたか。
 にしても、はぁ〜、広瀬邸‥‥‥広瀬さんってば‥‥‥(絶句)

>11番目の猫さん
 『エピローグ 「届いてください」 』
 はぅあぁぁぁっ‥‥‥ま、繭ぅ‥‥‥うぐっ‥‥‥。
 天に向かって鳴く繭。 動物チックな繭ならではの行動だと思います‥‥‥うぅ。


 では後編で会いましょう♪