「日常ものがたり」 第2話「みんなであそぼ!」 投稿者: 渡部いちごう
 今日もようやく学校が終わり、オレは放課後に椎名と遊ぶ約束をした。けんぱなどでは
ない。日本のハイテクを結集した遊び、そう、「プレステ」だ。
 今日の昼休みに、どういう手段に出たのかは知らないが、椎名がいきなりどこからか青い
開発用のプレステをくすねて来たのだ。というかオレがそそのかした。というか、見えない
力が働いてそういう成り行きになってしまったのだ。そういう世界なのだ、ここは・・・・。
 そういう訳で長森もなぜかついてきている・・・・・・・。
 「だって、心配なんだもん」
 「まだ何も言ってないだろ」
 「あれ? そうだっけ?」
 「なあ長森、・・・・・・・・・・・」

   1. ひょっとして心が読めるのか?
   2. 告白する

 ・・・・・・・・・・・って、まだやるのか? 選択肢!? おいおい、ちょっと待てよ!2番
なんか選んだらなぁ、正月にえらい事になるんだぞ!! ・・・・・って、誰に向かって言って
るんだオレは・・・・・・。 って、あっ!2番を選ばされてしまった!!
 「あ、あのな長森・・・・いまだから、その・・・・・言うけど・・・」
 「なに?」
 「オレ、オレ・・・実はな・・・」
 「うん?」
 「じゅ、12才頃まで・・・・・おねしょしてたんだぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
 「え?・・・・・・・・ぷっ! そうなの? あはははははははは」
 はっ! 通りすがりの通行人もクスクスわらっているじゃないか!
 「コラぁーーーーーっ! 何てこと言わすんじゃーーーーいっ!!」
 「もぉっ、浩平が勝手に言ったんだよ!」
 「ぐぅっ、あ、あれはだな・・・・・大人の事情というか、神の御告げというか、なっ、椎名?」
 「ほぇ?」
 オレは意味もなく椎名に振る。椎名もぜんぜん分かっていないようだ。

 そうこうしているうちに椎名の家に着いた。
 「いつも繭の面倒をみていただいて申し訳ありません。ご迷惑ではありませんか?」
 「いえっ、ぜんっぜん迷惑なんかじゃありません」
 椎名のお母さんと長森。この家に来ると、決まってこの台詞パターンだ。ま、オレはそれよりも
椎名のお母さんが、なんとなく郁未のお母さんに面影が似ているのが気なるのだが。・・・・・あれ? 
郁未って誰だっけ? まあいいや、細かい事は気にするなって、朝、長森に言われた
ばかりだしな。・・・・・だけど細かい事か? まだ膝にロックシステム付いたままだぜ?

 「よし、椎名、早速ゲームでもするか? って・・・・・なあ椎名?」
 「みゅっ?」
 「おまえ、プレステ本体しか持ってないんじゃないのか? ソフトは?」
 「みゅ♪」
 そう言ってゲームCDのケースを差し出した。
 「んっ? なになに、ムーン? これRPGじゃんか。そういえば、似たようなタイトル
のゲームがパソコンであったような? それはいいとして・・・・・・・・・・」

   1. 『爆弾男』とか無いのか?
   2. よし、『カルドセプト』をくすねてこい!

 はいはい、選択肢のお時間だろ。もぉオレは全てを受け入れる。開き直っちゃう。どうせ2番
だろ? わかってますって、はい、2番、2番。
 「なあ椎名、今から『カルドセプト』をくすねてきてくれっ!」
 「みゅ〜〜〜・・・」
 ん? なにやら椎名が渋っているぞ?
 「どうしたんだ? 昼休みの時のようにパーッと行ってきてくれよ」
 椎名は不満気な表情をしたまま動こうとしない。いったいどうしたんだ?
 「ねえ浩平?」
 「なんだよ、おまえが代わりに行くのか?」
 「そうじゃなくって、・・・・・その、『カルドセプト』ってサターン用ソフトだよ」
 ガボハーーーーーッ!! 今回はそういうオチかーーーーっ! しかも長森が何故かゲームに
くわしいぞっ? そういう世界かここは! そういう世界なのかぁぁぁーーーっ!!

                       お し ま い

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 「日常ものがたり」第2話はいかがでしたか? ほんとは第1話からぶっ続けで書いたんです
けど、第1話のあとがきに書いた通り、ちょっと間を置きました。とりあえず今のところ批判は
無いようなので・・・・・というか誰も読んでないのかも? それでも構わないです。なんか
この話はすごく楽しんで書けましたので。書いている最中に「かなりバカ!」とか言って笑って
ました。・・・・・・・これって自己満足じゃん、はうぅぅぅっ。

 今回のはネタがあらぬ方向に飛んじゃって、なんかONEの世界とは離れちゃったかなぁ・・・・・・。
う〜ん、反省かも。という訳で、お叱りのコメントありましたら、遠慮なくどうぞ! 言い訳では
ないんですけど、ハンバーガー屋さんで繭一人残して旅立ってしまったあの日の事への罪滅ぼしと
して、こうして、ドキドキワクワクな思い出をたくさん作ろう(残そう)として、このような創作
活動に踏み切ってしまったわけですぅ〜〜〜っ! だけど雫さんの「折原少年の事件簿」を読んで
るだけでも、なんかワクワクしてしまって、心の重りがどんどん外れていく感じがします。しょう
がないなぁ、今後は、雫さんと双璧をなすギャグ作家として、まんま食っていこうかな? って、
まだ皆さんの反応を待たねばならんな。 このまま突っ走ってはヤバイ、ヤバすぎるっ!

                        それでは、これにてっ!