佐織 vol.1 投稿者: 由代月
 <!――#クリアa〜f達成。『シュン』『詩子』『深山』『広瀬』クリア。長森フラグON、但し、繭を手伝っていない事(主人公の代わりに佐織が手伝いに出てる)
他条件:七瀬が漢字テストで満点を取っている事。その後、フラグが立って強制イベントで佐織が数度登場し分岐し…たらいいな(笑)

(註:尚、省略してますけど、地の文は全て浩平のモノローグです)>
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○ 教室

 ここは…
『3:佐織』
 そうだな。意表をついて佐織でいってみるのも面白いかも知れない。
 普段、オレに鍛えられている長森の親友だけあって、こういう場合の対処も慣れたものだろう。何より、長森を選べば、住井に疑われる可能性もあるし。七瀬を選んだら…

○ 教室(想像シーン)

「ずっと前から、お前の事が好きだったんだぁっ!」
「うらぁああああっ! 私の事が好きな男が、ぶつかり様に肘鉄入れるかぁっ!」
 本領を発揮した七瀬に、オレは爽やかで気障ったらしく髪を掻き上げる。そして、七瀬に向かって最高の笑顔で持って言ってやるのだ。
「ふっ、愛情表現さ」
「…そっか。ごめん、折原。気付かないで」
 途端に素直になる七瀬。まあ、オレの魅力に気付いていたんだろう。なんといっても、七瀬は顔だけならかわい…かば…ぐあ…
 考え慣れてない事を考えるものじゃ無い。脳味噌噛んだ…
「私も前から、折原の事、好きだったのよ」
「七瀬…」
「大好きなんじゃぁああああああっ!」
 そして七瀬の愛情表現によって、オレは全治六ヶ月の重症を負い、病院へ直行…

○教室

 …嫌だ、嫌過ぎる。
「どうした? 蒼ざめて」
「いや、なんでも無い」
 これだけ悪どい儀式を考えていながら、こうして心配してくれるってのは。やっぱり、住井はいい奴だ。
 とはいえ、だからといってオレの事を逃がしてくれる気は無いらしい。
 何かの気配に気付いたらしい七瀬が振り返るが、オレは目を合わさないようにした。もし、仮にさっきの想像通りに。七瀬がオレとの間に、男同士の友情以上のものを感じていたとしたら。オレの病院送りは、避けられないのだからな。
 ここはやっぱり、佐織しかあるまい。
 クラスの男どもの期待に満ちた視線の中、ぴりぴりとした緊張を味わいながらオレは歩いていく。住井も含めて、男子の大半はオレが長森にすると思っていたらしく、意外そうな顔をする。
 妙な嬉しさを抑えながらオレは佐織のところへ向かった。意外性を大事にするオレは、彼らの予想を裏切れた事に満足感を抱いていたのだ。男子達も、オレの行動に興味津々といった視線を向けてくる。
「佐織」
 呼びかけながら、そういやこいつの苗字知らないや、と思った。いつからのつきあいだったかも、よく覚えていない。考えてみると、結構昔から知ってるんだよな。
「なに?」
 夏場、そばかすに悩んでいた佐織の鼻の周りから、その痕は消えていた。本人は気にしてたみたいだけれど、オレはまあ、いいんじゃ無いかと思ってたけどな。って事よりも、さっさと済ませてしまうか。
「ずっと前から好きだった! オレと付き合ってくれっ!」
「いいよ」
 ………はい?
 今、何と言った?
「ただし。折原君のこれからの生活態度次第かな。瑞佳に毎朝起こされなくても、起きられる?」
「それは…」
「じゃ、頑張ってね」
「お、おう」
 佐織は近くにいた友達を誘って、教室から出ていった。
 なんというか…うーん。オレがその後の行動に悩んでいると、住井が近寄ってきて声をかけてきた。
「話、通してあったんじゃ無いのか?」
「いや、全然」
「なんにしても、いまいち盛り上がらなかったな」
 鬼のようなイベントが失敗した事に、住井は不満そうだった。他の連中も概ねそうだが、やらされる立場になれば考えも変わるだろう。オレとしては、あっさり終わってくれて助かったといったところか。
「じゃあな」
「ああ」
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 はじめまして、由代月です。
 KOHさんの『詩子』。変身動物ポン太さんの『深山』。まてつやさんの『広瀬』に刺激されて、というか何というか…由代月版『佐織シナリオ』を書いてみました。
 しょっぱなから続き物を放り込むのはどうかな、とも思いましたけど…すいません、書きたかったんです(^^;
 週刊か隔週の連載予定なんで、お暇な方はおつきあい下さい(^^;

>感想とか
 はう(^^; ここ覗くのほとんど週一ペースなので、まだ全部は読み切れて無いです(^^;
>天王寺澪さん
 「NEURO−ONE」と補足の「みゅっ」面白かったですよ〜☆

http://garden.millto.net/~yusiro/