リレーSS第12話(禁断の場所) 投稿者: 吉田 樹

 MOONデパートに辿り着いた浩平と瑞佳は、エレベーターを使って屋上へ向かう。いよいよ念願の澪に会える事を期待して! しかし。屋上へ通じるドアを開いた浩平は、すかさずドアを閉めた。
「な、なんで閉めちゃうんだよ?」
「…よそう、長森。この寒さは死ぬぞ」
 元々の季節が分からない為に、現時点で冬という事を参考にして話は進む!
「だ、だってここまで来たのに。スケッチブックを渡さなくていいの?」
「あ、いや…思ったんだが、何も苦労して澪を探さなくても、家に届けておけば…」
「駄目だよ、大事な物なんだろうから。さ、いくよ、浩平」
 スペアは何個もあるみたいじゃん。そう言いたそうな浩平の手を掴むと、瑞佳は屋上への扉を開いた。すると、そこにはっ!
「…終わっちゃったみたいだね」
 チョコパマン対キムチマンのショーは、既に終了してしまったらしい。セットを片付けているおじさん達が、凄い勢いでやってきた二人を驚いたように見る。
「ううっ、寒みぃ。こんな事なら、ホテルで暖まれば良かったな」
「な、なに言い出すんだよ」
「だってそうすりゃ、三人で堂々とお子様ショーに来れるぞ。あ、いや。一年はかかるか」
「だから、なに言ってるんだよっ!」
 痴話喧嘩(?)を始めた二人に、セットを片していたおじさんの一人が近付いてくる。近付いてくるその気配に、浩平と瑞佳は揃っておじさんの方を向いた。

 その頃、住井と南は…
「…それでは長森さん、入りましょうか」
「え、えっと。その。さ、里村さんっ?」
 ホテルの前で、茜と瑞佳が妙な表情をして向かい合っている。どちらも、嫌さと自棄と『それでもいいか?』という表情をして。必死に理性と闘っているようだ。そのうち、壊れたのが早かった為か、理性の輝きを瞳にやや戻して、瑞佳が言った。
「そ、そのな、住井。俺は、」
「…南君。そう呼ばれるのでしたら、この変装を解きますよ」
 茜の格好をした住井にそう言われて、瑞佳の格好をさせられた南が真剣に苦悩する。
 と、その時。真っ黒いベンツが二人の横を、通り抜けていった。中の様子は暗くてよく分からないものの、後部座席には確かに澪の姿が!
「う〜ん。どうしよう」
「…長森さんは、そんな喋り方はしません」
「だって、この一線はやばいものがあると思うんだもんっ!」
 二人とも気付いて無かった…

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 と、いう事でとりあえず書いてみました、スライムさん(^^; 誰か続けてくれるんでしょうか・・・あはははは(乾笑)。ではでは