【126】 SWEET LIFE VOL.09 |
ONE 輝く季節へ ショートストーリー SWEET LIFE 第9話「綻び」 <あらすじ> 浩平の貞操争奪戦(爆)は新たな局面を迎えた!! それは、寝たら負けの深夜の耐久バトルロイヤル!! みさきは茜の計略により、繭は長森に篭絡されて脱落。 残ったのは長森、七瀬、茜、澪。 この4人が浩平の貞操…いや、ハートを巡って激突するのだが… 当の浩平は…もう眠っていた(爆) 幸せ… 幸せとは何だろう…? それは、微妙なバランスの上に成り立っているもの。 それは、繊細なガラス細工のようなもの。 いかに幸せといえど、ほんのちょっとしたきっかけで、脆くも崩れ去ってしまうもの。 それを…俺はよく知っていたはずだ。 幸せの脆さ、儚さを…俺は2度も味わってきたはずだ。 けれど目の前にあるのは、かつて夢見た「ぼく」の夢… 騒々しいけれど、これが「ぼく」の幸せ… 決して色褪せることのない世界に…「ぼく」がいつしか生み出していた世界… このままこの世界に…決して消えることのない幸せの中に漂っているのも悪くない… でも、「俺」を繋ぎ止めているものがある… それは、一人の少女… みんなが俺を忘れていく中で、ただ一人、俺の帰りを待っていてくれる少女… 俺と絆を結んだ、一人の少女の笑顔だった。 俺はどちらを選ぶのだろう? 幼い日、「ぼく」が望んだ幸せ…そして、「俺」が望んだ幸せ… 俺は…どちらを選ぶのだろう? 浩平「…はっ?」 唐突に俺は目を覚ました。 悪い夢を見たのか、パジャマは寝汗でびっしょりだった。 長森「あ、浩平…おはよ…」 俺が起きたのに気付いた長森が、何故かどんよりとした声で挨拶をした。 浩平「おう、おは…」 俺はそこまで言いかけて、思わず凍りついた。 目の下に隈を作って、俺の周りを取り囲んで座る4人の少女… まるで徹マン直後のサラリーマンの如き顔だ。 浩平「もしかして…徹夜?」 こくこく 俺が尋ねると、4人は無言で首だけを縦に振った。 みさき「ふにゅ〜…おはよ〜…」 繭「みゅ〜…」 と、丁度そこにみさき先輩と繭が起きてきた。 何故か先輩と繭は、ベッドの一番端に移動していた。 繭「みゅ〜っ!!」 ぐいぐい 朝から元気な繭は、七瀬に飛びついて今日最初のお下げ引きを始めた。 七瀬「あ〜…」 カクカク 七瀬はいつものように絶叫せず、繭が引っ張るのに任せて首をカクカク動かすだけだ。 まさにその様子は、魂の抜けた人形そのものだった。 澪『☆♪=@*¥〜』 澪が頭をふらつかせながらスケブに何か書くが、文字がもうアラビア文字と化している。 悪いが澪、俺はジャパニーズだから日本語しかわからんぞ。 茜「兎に角朝ご飯を〜…」 ふらふら… 覚束ない足取りで梯子に向かう茜。だが… ごんっ!! 真っ直ぐ歩いていたはずの茜だが、大きく右にカーブして壁に頭を激突させる。 そして、そのままズルズルと地面に崩れ落ちた。 茜「く〜…」 仕方ないなぁ… 俺達は昨日と違って平和に朝食を執ると、今日はいつもより早く学校に行った。 で、学校の俺達の教室… 住井「折原貴様っ!!昨日はよくも…って、どうしたんだ?」 教室に入るや否や住井が噛みついてくるが、長森、七瀬、茜の憔悴ぶりに勢いを削がれたようだ。 …つうか、お前ら裏山に埋められたんじゃなかったか!? 長森「う〜…昨日は眠れなかったんだよ〜…」 長森は気だるそうにそう言うと、フラフラと自分の席に歩いていった。 茜「眠いです…」 茜もそう言って、あちこちの机にぶつかりながら自分の席に着く。 七瀬「す〜…」 繭「みゅ〜…つまんない」 七瀬なんか机に伏して、既に爆睡モードに突入している。 その隣で繭が、つまらなそうに七瀬のお下げをいじっていた。 俺も席に着いて、昨日見た夢のことに思いを巡らせていると… 「おいおい…長森さん達眠れなかったって…」 「やっぱり昨日、<検閲削除>なことがあったのよ!!」 「え〜と、1・2・3…やるなぁ折原…」 「ぐぉぉっ!!里村さぁぁぁんっ!!嘘だって言ってくれぇぇぇっ!!」 クラスのあちこちから聞こえてくる囁き… …最後の雄叫びは沢口か。って、そんなことはどうでもいいんだ。 何やら教室の中で、俺に関する流言飛語が飛び交っているようだ。 くっ…どこの工作員の仕業だっ!?(爆) 俺は何も疚しいことはしてないのに…はだえぷと冥土以外(連爆) この後俺は一日中、クラスの男子全員の殺意に満ちた視線に晒されることとなった… つまらない授業… 淡々と話す教師の声は、まるで子守唄のように生徒の眠気を誘う。 決して心地よく感じる声ではないが、不思議と落ち着かせてくれるものだ。 その微かなまどろみに身を任せながら、俺は一つのことを思っていた。 それは、昨日の昼から幾度となく見ている不思議な夢のこと… ただの夢?いや、ただの夢なんかじゃない。 俺が垣間見たものは、忘れていた記憶の断片… 忘れてはいけなかった、大好きな人の笑顔…温もり… 確たる証拠はなかったけど、俺はそうだと確信している。 俺は頭に圧し掛かってくる眠気を必死で振り払いながら、何とか意識だけを保とうとする。 取り敢えず、今のうちに状況を整理しておこう。 夢に出てきたのは3人…小さい頃の俺、死んだ妹のみさお、そして… 浩平「ダメだ…」 俺は思わず呟いた。 思い出そうとしても、そこから先は白い靄に包まれて判然としない。 七瀬「ん?どうしたの?」 俺の声に気付いたのか、七瀬が眠そうな顔で訊ねる。 浩平「いや、何でもない…」 七瀬「そう…」 七瀬は少し怪訝な顔をしたが、再び前を向いて授業に戻った。 しかし、数秒も経たないうちに頭がかくんと下がったが。 浩平(さて…) 再び意識を思考に向ける。 今度思いを巡らせたのは、昨日の昼のこと… 記憶を巻き戻し、ゆっくり、慎重に再生する。 『折原君…君は気付いているかい?』 『…何のことだ?』 『…そうか。まだ気付いていないんだね…』 浩平(あっ…!!) 唐突に頭の中に浮かんだのは、夕焼けに紅く染まる部室… 部室の鍵を閉め、訳の分からんことを言いながら俺に迫る氷上… おええ(汗)…って、それは関係ないか。 俺は氷上の言葉を反芻してみる。 『君はきっと気付く筈だよ…君の想いが…絆が本当のものならね…』 俺に迫る寸前、氷上が言ったセリフ… 浩平(ったく…何に気付くってんだよ…) 俺は心の中で毒づく。 思い出せないことで沸き上がる焦燥感が、俺の心をジリジリと苛む。 浩平(兎に角…氷上に会ってみるか…嫌だけど) 俺は嫌々ながらも腹を決めた。 全てを知っていそうなのが奴しかいない以上、仕方ないといえば仕方ないのだが… でも、このまま放っておいたら寝不足になりそうだ。 それに…これはきっと、思い出さなければならないことだからな… き〜んこ〜んか〜んこ〜ん 俺が腹を決めたその時、俺の決断を待っていたかのように授業終了のチャイムが鳴り響いた。 髭「んあ〜、これで授業を終わる〜」 髭が間延びした声で授業終了を告げる。 俺は素早く立ち上がると、早歩きで廊下へと向かう。 長森「あれ?浩平、どこ行くの?」 未だに眠そうな顔の長森が、目ざとく俺に気付いた。 浩平「ん…ちょっとな」 俺はただそう言うと、急いで廊下に出た。 その時、俺はふと気付いた。 俺を見送る長森の顔が一瞬、どこか不安げな表情に変わっていたことを… しかし、気が焦っていた俺はそれに気を留めず、生徒の姿がまばらな廊下を走り出す。 真実を知る者に会って、全てを知るために… ==============あとがき================= だよもん団長「う…今までとテンション違うね…」 そりゃ、そろそろクライマックスだからだ。 あと2・3話くらいかな? だよもん団長「はぁ…今までのテンションが高すぎるんだよ…」 …そうか?そうなのか!? 感想 みのりふさん> ご感想どうもです〜♪ ゲ○ドラナイト!?(爆) 道理でいないと思ったら、こんなトコに出てきました(笑)>黒幕 この世界の発生原因は…まだ内緒です♪ みさき先輩がラヴリィでしたぞ〜!! スライムさん> ご感想どうもです〜♪ 浩平争奪戦…その結末は、作者にもわからない…(爆) って、もう構想としては出来てます。 でも、詳しいことは内緒、だよっ♪ だよもん団長「…漢がやっても可愛くないよ〜」 ベイル(ヴェイル)さん> ご感想どうもです〜♪ 住井「をを!!同志よっ!!ともに外道折原に天誅をっ!!」 やっぱりはだえぷは、「恥ずかしいけど、アナタのために…」ってのが萌えますね。 澪の(ニヤソ)ですが、スケブに書いて、更に笑いました(爆) 待ちつづける少女と奇跡を起こす少年の邂逅…幻想的な感じがしてよかったです。 宣伝> 我がHPっす(これ書くの何回目だ!?) 大量SSがアナタを待っている!! もちろん投稿、随時OK!! お暇なら、是非いらしてください!! …何か求人広告みたいな宣伝(汗) http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/8142 |