【114】 SWEET LIFE VOL.08 |
ONE 輝く季節へ ショートストーリー SWEET LIFE 第8話「今夜はフィーバーナイト(後編)」 <あらすじ> 由起子さんが残した置手紙…それが波乱を呼んだ(汗) 地下室の闇の中、またまた女の戦いが勃発する!! 戦いが一応の終息を見せたのも束の間、目の前には天蓋付き特大ベッドが… 浩平「俺の平和な日常を返せぇぇぇっ!!」 折原邸地下室… 俺達は目の前の巨大ベッドを前に、ただ呆然と立ち尽くしていた。 いや…もうこれは、ベッドという概念を飛び越えているのかもしれない… 繭「みゅ〜っ♪」 ぼふっ!! 早速繭が、はしゃぎながらベッドに飛びこんだ。 結構柔らかいベッドらしく、繭の体が白い布団の海に沈む。 七瀬「で…」 唐突に七瀬が口を開く。 そして、再び抗争が再燃しそうな一言をのたまってくれた。 七瀬「折原の側には誰と誰が寝るの?」 ドギャァァァァァァァンッ!! 6人のバックに稲妻が見えたような気がした。 顔が一様に劇画調に変わる。まるで○ョ○ョや北○の拳のように… そして、バトル再開と思いきや、何故かみんなは一言も発しない。 …みんなの目が異様な光を放っていることは言うまでもないが。 長森(浩平の隣はわたしだもん!!そして、みんなが寝てる間に…<以下自主規制>) 茜(あっ…浩平、大胆です…) 七瀬(夜這いは日本の文化よね…) みさき(浩平くんと夜食だよ〜♪そして…) 繭(ふみゅ〜…がんばるもぅん!!) 澪(折原先輩〜!!やってやるの!!) …何となく、全員の考えていることが分かってしまった。 6人の周りに怪しげなオーラが巻き起こる。 バッ!! その時、一斉に6人が振りかえった。 一同『「「「「「じゃーんけーん!!」」」」」』 …ジャンケンか。 一同『「「「「「ポンっ!!」」」」」なの』 6つの手が、空手家の正拳を思わせるスピードで繰り出される!! たまたま近くを飛んでいた蛾が、その風圧でバラバラに引き裂かれた。 暫くの沈黙… 6つの手のうち、グーが4つ…パーが2つ… そのパーの主は… 七瀬「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 みさき「え?どうなったの?わかんないよ〜」 勝利の雄叫びを上げる七瀬と、目が見えないので、自分が勝ったのに気づかない先輩。 この2人が勝利者…それ以外は敗者というわけだ。 長森「うう…無念だよ〜…」 茜「私はあきらめません…」 繭「みゅ〜…」 澪『まだまだ好機はあるの』 しかし敗者達は落ち込むでもなく、更に闘志を燃え上がらせている。 俺…明日の朝日を拝むことができるんだろうか? 最終的にみんなの配置は、右側は俺に近い順から七瀬、繭、長森、 左側はみさき先輩、茜、澪の順になった。 浩平「じ…じゃあ、お休み…」 震える声で言いながら、俺はリモコンで照明を消した。 再び闇が部屋を支配すると共に、奇妙なプレッシャーもまた部屋を支配する。 ここは寝ちまった方が賢明だ… ちょっと惜しいような気がしないでもないが、流石に命が懸かっているからな。 と、そこに… 七瀬「折原っ…(はぁと」 ぴとっ 右側の七瀬が珍しく甘えた声で囁き、俺の腕に抱きついてきた。 さっき風呂に入ったせいか、体中が熱くてたまらない。 シャンプーのいい匂いが鼻腔をくすぐり、嫌が応にも心臓の心拍数を跳ね上がらせる。 繭「みゅっ!!(怒)」 がしっ 七瀬「ぐぁっ…」 七瀬は更に俺に圧し掛かろうとしたが、隣の繭に感づかれてお下げを引っ張られたようだ。 ふ〜 浩平「…おぉぅっ!?」 その時、いきなり左耳をくすぐる風の流れ… 不覚にもあられもない声を上げてしまった。 そして、今度は左腕に柔らかい感触… みさき「浩平くん…大好きだよっ…」 耳元でみさき先輩が囁く。 いつものみさき先輩とは違う、どこか艶のある声だ。 流石最年長…威力が違うぜ… と、今度は… 茜「先輩…ワッフルいかがですか?」 そう言って、茜が布団の中で何やらもぞもぞやりだした。 暫くすると、部屋に甘い匂いが漂ってきた。 …ホントに出したのか!? みさき「わ〜い♪ありがと〜♪」 色気より食い気…先輩は嬉しそうな声で礼を言って、茜からワッフルを受け取った。 虫歯になるぞ先輩… ぱくっ 先輩は躊躇いもなくワッフルを食べた。そして… みさき「く〜…」 そのまま幸せそうな顔で、静かに寝息を立て始めた。 川名みさき、脱落!! 茜「まずは1名脱落ですね…」 茜…一服盛ったな… 俺はそうツッコミを入れようとしたが、後がコワそうなんでやめておいた。 …もう寝よう(汗) 俺は布団を被りながら、静かに目を閉じた。 精神的に疲れていたのか、目を閉じるとすぐに眠気が襲ってきて… <主人公が現実逃避して寝てしまったため、ここからは三人称でお楽しみ下さい> 戦闘開始から1時間…浩平争奪戦は膠着状態に陥っていた。 かち…かち…かち…かち… 静寂の中、目覚し時計の秒針の音がやけに大きく聞こえる。 浩平「…ぐぅ」 みさき「く〜…おなかいっぱいだよ〜…」 茜の策により、既にみさきは戦線から脱落。 プレッシャーに耐えかねた浩平もまた、さっさと眠りの世界に堕ちていた。 浩平のすぐ隣には、繭にお下げを掴まれた七瀬と、寝ているみさきがいる。 浩平の所に行くには、みさきか七瀬を越えなければならないのだ。 長森(う〜ん…繭と七瀬さんは何とかできそうなんだけど…) 七瀬(くっ…あと少しのところで…) 茜(催眠ガスとガスマスクを用意しておくべきでしたね…) 澪(よい子はもう寝る時間なの!!) 繭(みゅ〜♪) 重苦しい沈黙の中、ただ時間だけが刻々と流れていく。 先に寝た者が負けの、文字通りの持久戦… 静寂のバトルロイヤル… 更に3時間経過… かち…かち…かち…かち… まるで時限爆弾のタイマーの如く、秒針の音が5人の心をじりじりと焦らせる。 もっとも、爆発しようとしているのは少女達の妄想という爆弾だが。 長森(ふぁ…寝る前にホットミルク飲むんじゃなかったよ〜…) 繭(ふみゅ〜…う〜…) 七瀬(くっ!!繭!!さっさと寝なさいっ!!寝不足はお肌に悪いのよっ!!) 茜(こうなったら我慢比べです) 澪(負けないの!!最後に笑うのは澪なの!!) 長森、七瀬、茜、澪はやる気マンマンだが、繭の瞼は大分下に下がってきている。 繭の瞼が完全に下がった時、戦いは新たな局面を迎える!! 長森「繭、眠いの?」 長森が優しい声でそう言うが、下心が見え見えだ。 繭は大きく欠伸をし、眠そうに目を擦る。 繭「みゅ〜…うん…」 椎名繭、脱落!! 繭が寝たのを確認し、七瀬が繭の手からお下げを抜いた。 茜「皆さんもそろそろ寝たらどうです?」 茜がみんなに言うが… 長森「愚問だよ…」 七瀬「乙女をナメないでよね…」 澪『もう後には退けないの』 3人はそれぞれの反応を返す。 茜はやれやれといった調子で、ふぅと小さくため息を漏らした。 こうして、浩平の貞操を巡る第2次戦争がここに勃発したのだった… 夢… それは懐かしい夢… そこに出てきたのは、もう会うことのできない少女… 「……ちゃん…」 少女がぼくを呼んだ。 白い世界の中…少女はぼくに言った… 「おにいちゃん…わたしのゆめはね、おにいちゃんとずっといっしょにいることなんだよ」 病院のベッドの上…みさおは微笑いながら呟く。 ぼくは少し照れくさかったけど、ぼくはみさおが笑っているのは好きだった。 だから、みさおがこう言ってくれるのは嬉しかった。 「おにいちゃんとけっこんできたら、ずっといっしょにいられるのにね」 「ばかっ、兄弟じゃけっこんできないぞ」 みさおはそうだよね…と、少し寂しげに呟いた。 でも、みさおはすぐにいつもの笑顔に戻って言った。 「でも、ずっといっしょにいてくれるよね?」 「ああ」 ぼくがそう答えると、みさおの顔は一層輝いた。 「で、おにいちゃんのゆめは?」 いきなりそう聞かれて、ぼくは一瞬戸惑った。 「そうだな…ぼくの夢は、ぼくを大事に想ってくれている人達と、ずっと幸せに暮らすことかな」 そう…これがぼくの夢だった… 「もちろん、みさおも一緒だ」 「えっ…ほんとう?」 みさおの顔が、驚きと喜びの入り混じった微妙な表情に変わる。 ぼくは無言でうなずくと、みさおは笑った… 「うれしいよっ、おにいちゃん」 今まで以上に嬉しそうな笑みを浮かべて…みさおは笑った… ぼくはみさおの笑顔が、一番大好きだから… だから、ずっと微笑っていてほしい… ずっと、ぼくのそばで… ============あとがき================ ども、丸作です〜。 前半と後半のギャップ、激しすぎですね(汗) だよもん団長「最後の辺り、いつもの丸作じゃないよね…」 大きなお世話だっ!! でわでわ感想いくぞ!! 感想 から丸&からすさん> ご感想どうもです〜♪ 由起子さん…我ながら謎人物になってしまいました(汗) だよもん団長「『了承』の人みたいだよね…」 戦闘シーンの描写、毎回感服しております。 俺も見習いたいっす。 PELSONAさん> ご感想どうもです〜♪ 小悪魔チックな澪のつもりだったのに〜(笑) だよもん団長「そうは見えないよっ」 必読と言って頂けて、SS作家冥利に尽きるっす(号泣) 茜の不安感を、手を繋いで消してやる浩平が格好よかったです。 ひささん> ご感想どうもです〜♪ 第七話のアレ…わざとです(爆) 浩平…そのうちSS作家の皆さんに殺られるかも(汗) だよもん団長「浩平をいぢめていいのは、わたしだけだよっ(ニヤリ)」 住井「おおっ!!同志よっ!!我らとともに折原に天誅をっ!!(爆)」 宣伝> 我がHPっす。 最近ONEばっか書いてるような…ま、好きだからいいかっ♪ お暇だったら、是非いらしてください〜♪ http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/8142 |